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男は全肯定してくれるメイドを求めてしまう悲しい生き物と、レムは教えてくれた。【リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)】

大変に今さらながら、リゼロを観た。

著者はこの作品はとっくに完結したと思い込んでいたが、調べていくうちにライトノベルが28巻も出たのに未だ6章でアニメの3期も噂されるくらいと知った。

多分ラノベを追いかけてる層は少ないので、アニメの2期も観たら大体の知識は揃うだろう。

要するに、今さらではなかった。

既にあらゆる考察はなされていて、考察上ではクライマックスまでの予測はあったので関係ない話をしたい。

私同様に、リゼロを初めて知った方向けにあらすじを。

コンビニ帰りに突如、異世界に召喚された引きこもり高校生の少年ナツキ・スバルは、早々と命の危機に見舞われる。その窮地を救ってくれた、ネコ型精霊パックをお供につれた、サテラと名乗るハーフエルフの銀髪少女に恩返しをするため、スバルは彼女の物探しに協力する。
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要するに、異世界転生×タイムリープモノである。

この作品があらゆる異世界ものと、タイムリープモノを食い荒らしたように見える。大体考えられる要素はこの作品が描いてしまったので、もはや主人公が転生したりリープする話は『リゼロ』のパクリでしかない。

異世界モノはあらゆる世界があるので、描き方次第では興味をそそらせるモノは出せるだろう。

しかし、タイムリープモノは限界がある。

主人公に絶望的な局面を与えて、初回は何も出来ず死ぬ。対策をとりながら、その局面を『考えもしなかった方法』で乗り越える。

その繰り返しである。正直リゼロも3章までは微妙だった。2章はレムラム姉妹が観たい内に終わってしまった。

タイムリープモノは、大抵主人公が短期間に鍛えて身体能力や特殊能力がずば抜けるパターンが多い。

リゼロはそこが珍しく、主人公は鍛えない。

能力も死に戻りしかない。

アニメ一期のラストなんかは、同盟を組むための交渉をどうするかまでが重要で実際に動いたのは、他の王候補のお付が強すぎた。

死ぬ前に得た情報で、お互いにメリットの生まれる提案をする中で結果的にエミリアの評価も上がったにすぎない。

実際に、最も大切な存在であるレムは眠り人になってしまった。

アニメのクライマックスまでの情けない姿を全肯定したキャラの存在を消したのは、たまげた。

死に戻りのカタルシス

リゼロを観ていて気持ちがいいと思うのは、タイムリープが終わりセーブポイントが切り替わるところである。

特に絶妙だったのは、ペテルギウス率いる魔女教と折悪く現れる白鯨に阻まれてしまった世界線だろう。

魔女教の登場は急すぎて、理解が追いつかなかったが王候補に魔女に似たハーフエルフが現れたことで、魔女教としては消したい存在なのかもしれない。

何度目かのループであえて残されたレムで遊ばれ、鎖に繋がれたまま痛ぶられる世界線も観ていて辛かった。

レムの死体を抱えたまま城に帰ると、巨大になったパックにより音もなく首を落とされる。

あのままEDに突入して、しんしんと雪が積もる様は唖然とした。

こういった死に至るまでに考えられる限りの苦しみを超えた上で、敵を倒す様は大変に気持ちがいい。

が、それすらも次の死を招いたりする。

最低で、最高で、絶望で、希望で、そして……心灼く25分45秒

多くの視聴者がレムを好きにならざるを得なかった18話。主人公のスバルがリープする世界に疲れ、戦うことを諦めてレムと逃げることを選ぶ回である。

最低な主人公を全肯定するレムの姿には、誰もが心を打たれた。

このアニメで最も人気があるのは、メインヒロインのエミリア。ではなくレムなのも分かる。

男は全肯定してくれる青髪のメイドさんを求めてしまうのである。


上記のようなことから、リゼロのアニメは異世界×タイムリープの市場を食い荒らした。

リープものには珍しく壮大な物語と、死に至るまでの苦しみも際立っている。

そして、レムである。主人公は愚かなほどに情けなく、それでもいいところを見つけてくれるレムが大好きになってしまう。エミリアは大切なときに、その苦しみを分かってくれる立場になかった。

さまざまな要素が組み合わさった作品と分かった。

どうやら2期は微妙らしいので、期待せずに観ます。3期の話がなかなか出ないのは2期がスベったからか?


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