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Stones alive complex (Matrix Cavansite)

アポロ11号は3人の宇宙飛行士を乗せ。
日本時間の1969年7月16日、
月を目ざして地球を出発。
同月21日に、月面の平原「静かの海」へ無事に着陸した。

人類にとって歴史的な偉業のその日から、
今日はちょうど50年目。

それを記念し、

「静かの海」で華々しく開催されている、
月面着陸記念フェスティバルの実行委員長を務めてる私は、集まった住民へ向けてマイクで大声を出した。

「・・・というわけで!
さあ!
みんなで地球の人々へ呼びかけましょう!
50周年おめでとう!
13号で懲りてないで、
そろそろまた来てねーっ!」

砂海の平原に残された月着陸船の脚のまわりでは、
『月面着陸50周年記念祭パレード』が盛大に始まり、重力6分の1ステップの月人たちが列をなして山鉾の神輿を、えっせらえっせら威勢よく跳ね上げる。

挨拶の舞台から降りた私は、
副委員長へ小声で耳打ちした。

「もしかして、このお祭りスタイルって・・・
京都の祇園祭とカブってんじゃね?」

偶然なのか、日付も微妙にカブっていた。

副委員長は、同じく小声で耳打ちを返してくる。

「いや、むしろ。
祇園祭の方が、こっちとカブってるんですよ・・・
5000年前の地球開拓団が使ったうちの上陸ロケットを、あっちが神輿に模して祭ってるんですから」

「え?そうなの?
でも・・・
そんな古代の記録なんて、あっちは知らないでしょ・・・
私も知らんかったけど!
パクってるって先方からクレームとか、こないよね?」

「たぶん・・・
技術的にも距離的にも、
あと50年は大丈夫でしょう・・・」

(おわり)

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