河の暗いところで



 きょうのためにできることの、その心許なさ
 金が減ってものが増えるだけの、うしろめたさ
 なにもないところからでて、なにもないところに帰るだけ
 ところで存在するってわるいこと?
 それとも善いことなのかを教えてくれ
 男がいる、
 河の暗いところで、
 立ってる、
 そして泣いてるように見える
 どうだっていいけれど、
 ぼくはぼくの亡霊でしかない
 叶えられない祈りのなか、ぼくはぼくの指を握ります
 
 もしかの女がこの室にいたらとおもう
 もしかの女がぼくのなかを読んでくれてたらとも
 でもぼくはもはやかの女のために書きはしない
 かの女のために唄ったりしない
 雲が水へ還るみたいに
 かの女の姿はいつもおなじじゃない
 ぼくがいる、
 河の暗いところで、
 坐ってる、
 そしてみずからと戯れる
 どうだっていいわけじゃないけど、
 いまのところはなにもかも忘れて、
 ラダーシリーズのレベル1から、
 ロサンゼルス郡立博物館まで渡航します。
 

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