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2023/10/21 医大専門医受診

初診を経て、専門医受診。今日もまた、いろいろ怖いことを聞くのだろう。つらい。行きたくない。でも、すぐ行かなければいけない。

気丈に振る舞い、どこで受診なのか、確かめる。

病院はきれいで明るくて、気持ちが和らぐ。

今日診てくれる医師が、誰なのか分からない。

さほど待たずに呼ばれて、診察室に入る。

少し驚いた。若い女性だった。

私はジェンダーを学んでいて、男尊女卑思考はないほうだと思っていたけど、驚いてしまった。

女医は産婦人科か皮膚科というイメージもあった。

医師は忙しそうだが勢いよく、目を見て、てきぱきと話を進める。

ある瞬間から敬語を使わなくなって、それに妙に安心してしまった。頼り甲斐があるように見えたのだ。

自分の中の偏見や、思い込みに呆れる。

夫はオーガニックカルト義姉の影響で、「絶食した方がいいのか」「食べてはいけないものはあるか」と質問する。

「これから抗がん剤が始まると食べられなくなる人がいるし、食べられなくて弱っているばかりに抗がん剤が使えない人もいる。食べられるならちゃんと食べた方がいい」と医師。

ほっとする。医師が食べろと言うならちゃんと食べるかもしれない。医師はこうも言った。

「普通に過ごせる時間を大事にして欲しい」。

近い将来、普通に過ごせない時間が来るー。

そういう宣言だ。また、クラクラする。

内視鏡で検査をして、がんの組織を採って、どんな癌かをはっきりさせて、入院、抗がん剤になると思う、と医師が言った。

「ありがとうございます。来週日曜日、ワールドカップ見られるね。ラグビーやってて、ラグビーワールドカップを日曜日にどうしても見たかったんですよ」と夫と医師に話しかける。少し余裕が出た。

数日後に内視鏡を予約してもらう。

「本来一カ月とか待つけど、なんとかねじ込みます」

また、緊急性。どこの医師が診てもこんなに緊急性が高いとは。また怖くなる。

忙しそうな先生にお礼を言い、診察室をあとにする。

治療が進むことに安堵する。大きな病院だと、治療開始までにかなり時間がかかるんじゃないかと怖かった。

余命3か月のうちの1日は、あまりに短い。告知からまだ1週間でも、とてつもない時間のロスに感じるのだ。

ようやく治療が始まることに少し安堵し、病院をあとにする。

夫はすぐ近くにコワーキングスペースを借りたので、打ち合わせをしてから帰るという。私は1人で電車に乗り帰宅した。

子どもが、夫のことが怖くて学校に行けないと言い始めている。

子どものフォローも、しなければ。

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