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【わたしの心の中の5人の子(4)】NP - 念慮ちゃん

NPの特徴

【 NP 】保護的な母親(念慮ちゃん)
優しい心。愛情深く、他人を思いやって行動し、世話好きで保護的で親切である。この部分が低いと、冷淡な性格になる。

NPが強い人の特徴

共感や温情に溢れている。よく言えば他人思い。ひっくり返して悪く言えば過干渉。「おせっかい」くらいの言葉がちょうどいいかも。
他人と関わり、育てることに喜びを抱く傾向。それ自体はポジティブなのだけれど、過剰に慮りすぎないバランスも必要。

NPが高いイメージ

NPが弱い人の特徴

他者との関りを避ける傾向。同情も薄く、周りからは冷淡と思われがち。頼ることも苦手で、仕事を抱えてしまう傾向。
自分なりに疲れない範囲での「ゆるい」人間関係構築を考えたり、色々な物語を読んで他者の感情を理解する練習をすると少し生きやすくなるかも。

NPが弱いイメージ

わたしの中の念慮ちゃん(NP担)はこんな子

エゴグラム:NPスコア = 14/20  … やや強め

わたしの希死念慮からふと生まれた、念(おも)い慮(おもんぱか)る心の妖精。気遣い、協調性、苦しみを消したい…など様々な「やさしさ」故に、考えすぎて「消えてしまいたい」気持ちにつながっていた。が、最近は他の4人や周りに励まされ、愚痴ったりしながらそこそこ健康にやっている。一番「心」のある子なので、頭にはハートが突き刺さっている。洋服は戦場看護師のコートをモデル。
悲しいな、と感じた時に私の心を真っ先に撫でて慰めてくれる、少し臆病だけど世話焼きな子。インナーチャイルドながら今ではすっかり私の心の中の母。お世話を焼いたり焼かれたりして、幸せな気持ちになると愛情物質オキシトシンを出してくれる。

好きな食べ物はふわふわのムースっぽいケーキ全般。
あと、ぬいぐるみが好き。

思うことコラム

じゃあ「女性性」ってなんだろうね

さて、CPが「男性性」の話であったように、NPは「女性性」にリンクしている話なのかもしれません。

ついぞTwitterで流れてきた話から引用しますが、女性から男性になったトランスジェンダーの人がいざ男性になってみたところ「男は黙々と行動するだけで、おしゃべりもじゃれあいもない…こんなに男が寂しいものとは思わなかった…」と悲しみ、SNSには彼への同情のコメントが溢れたそうです。
先般NPでも書いた通り、これもそんなにキッパリ男女で明確に線を引ける話ではありません。女性の中にも男性的な部分はあり、逆もまた然りです。ただ、自分が男ばかりの職場で働いていた時と、パートの女性社員さんたちがワイワイ雑談を挟みつつ仕事をしていた時を比べると、実感に伴う傾向として頷ける話な気がします。

何で読んだ話か思い出せず、ここで深い記述は避けますが(本当はキチンと引用すべきなのですが…)、男性より女性の方がこうした「日々のコミュニティでお互いを気にしあう」力が強い傾向がある、と言われていました。共感や調和に特化し、コミュニティを維持しようとする力。これが女性性なのではないでしょうか。

あるアメリカの大学実験を引用します。男性2人、女性3人が座って話している場面が映像に映し出されます。そのビデオを見た後に、「右から4番目に座っている人は、茶色のズボンをはいていましたか?」といった質問を投げかけます。こうした質問に女性は細かく正確に答えられることがわかりました。一方、男性はあまり答えられなかったそうです。
この結果から直接わかるのは「女性のほうが観察する力が強い」ということですが、こうした力も女性の『まず周りを見て調和を図ろうとする協調性の力』故なのかもしれません。

一方、こうした「協調性」がすべての場面でプラスにつながるとは限りません。東京五輪誘致の際に某元総理大臣が「女性が多いと会議が長い」と発言し炎上していました。周りを気にすることを優先すると会議は長くなる。言い方こそあれ、女性「性」とすると、あの発言も、まあ、まったく的外れなものではないのかもしれません。(とはいえ、多くの女性が働き、会議にも出るようになった今、そこまでのことは無いとも思うのですが…)

会議が長いのは確かに嫌…なんですが… 詰まるところ、何が言いたいかといえば女性性の根っこにあるのは念(かんが)え、慮(おもんぱか)る力な気がします。互いのケアになるストロークを自然と投げ合える力。そして、さらに一言でそれを言い換えればつまり「優しさ」。
メンタルが弱い人はケアしケアされて生きていたい。そう考えると、「優しさ」を切り出せる力はとても大切で魅力的に見えるのではないでしょうか。

「自立とは、ひとりで何かをすることではありません。人と共感しあい、協調しあって生きることです。人間というのは人に受け入れられてから、人を受けれられるようになります。ひとりでなんでもやっている子供は(自立ではなく)孤立です。」

佐々木正美『子供が喜ぶことだけすればいい』

NPが低くて悩んでいる人は、こうした言葉を念頭に置いていろいろ考えたり本を読んだりしてみると良いのかもしれません。「この人のやさしさ暖っけぇや…」と感じる場面があったら、真似をしながら「人を受け入れる」所から初めてみましょう。

ちなみに逆にNPが高い人は、その能力は基本的にとても魅力的であるので、ぜひ大切にしていってほしい所ですが、「やさしさ」や「気配り」故疲れてしまう人もいると思います。
もし、いたずらに空気を読みすぎてしまうな…という場合は①自分が疲れない範囲の気遣いに留める(あわせて周りと同等にまずは自分に優先して「やさしく」共感する)②自分の「やさしさ」が客観的に見て理にかなっているか(押しつけや暴走になっていないか)を定期的に見直すといいのかもしれません。
NPさんは一人で考え込むと内向きになりがちなので、時には直接相手に聞いて答え合わせをしてみるのも大事かもしれません。相手の意向を聞いてみると、自分のやり方と違う「やさしさ」の形も見えるかも。

NPさんにおススメの副読本

誰かと暮らすことが苦手な不器用な小説家・槙生が姉の葬儀で引き取り手のいない姪・朝を引き取り同居をはじめた所から少しずつ変化する日常を描く物語。家族未満・友達以上の年の離れた関係を通して「つかずはなれず」「丁度いい信頼関係」を築くお手本を見せられるような物語に、心が洗われる。最近完結。2024映画化予定。追うなら今。一気に泣け。

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