脳性麻痺に対する作業療法ホームプログラム:二重盲検ランダム化比較試験(Occupational Therapy Home Programs for Cerebral Palsy: Double-Blind, Randomized, Controlled Trial)

Iona Novak

Pediatrics volume 124, number 4, Octobar 2009

【要旨】

目的:目的は学童期の脳性麻痺を伴う子どもに対するOTホームプログラム(OTHP)の効果を機能,機能に関する両親の満足,参加,ゴール達成,そして上肢機能の質に関してOTホームプログラムなし(no-OTHP)と比較し評価することである.

方法:36人の脳性麻痺を伴う子ども(平均7.7歳; 男69%,GMFCS: レベルⅠ, 47%; レベルⅡ, 14%; レベルⅢ, 16%; レベルⅣ, 7%; レベルⅤ, 16%; 痙直型, 85%; アテトーゼ, 14%; 失調, 3%)が平等にランダムにOTHP 8または4週間,またはno-OTHPに分けられた.主要評価項目は開始から8週間後のCOPMであった.副次的評価項目は4週と8週で測定された.

結果:8週のOTHPは機能と両親の満足度でno-OTHPに比べ統計的有意に差異が見られた.4週のOTHPは4週の時点で指示された通り中止せず,8週間継続した.結果はno-OTHPと比べて統計的有意な差異を示した.介入群間で主要評価項目・副次的評価項目に関する差異は見られなかった.

結論:小児科医は協働的で,エビデンスに基づいたアプローチによるOTHPを両親が家庭で17.5回/月,16.5分/回セッションを行うことは効果的であると家族に伝えることが出来る.


【私見】

脳性麻痺に対する介入のガイドラインでホームプログラムが青信号である根拠となる文献です.実際の手続きは同じ著者によるスキーマ(下図)に基づいて行われたようです.

ホームプログラムの良いところは両親が子どもの発達に対して能動的に関われる点だと思います.どうしても施設型・セラピスト-子ども型の介入はセラピスト任せになりがちです.この親との協働や親の役割,重要性は繰り返し本文でも述べられています.

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