三浦 希

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  • 饒舌な食いしん坊

    • 14本

    【期間限定】7名の食いしん坊による共同マガジン

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最近の記事

「服食品(ふくしょくひん)」 シリーズをはじめます。

 「衣・食・住」とはよくも言ったもので、どうやらそれらは生きる上でもっとも大切にすべき3つのエレメントなのだそう。衣(い)。食(しょく)。住(じゅう)。  1・2.5・3の淡麗な語呂もあって、しばしば熱心すぎるほどに、それらのうちひとつが語られる様をみてきた。そのひとつを取り上げて、沸騰する湯の中で過激なまでに茹で上げるような、とんでもないラディカリズムに出会ってしまう機会がみられた。タワマン論争って本当なんなんですかね。東京以外の地域を十把一絡げに「地方」と呼ぶの、ちょっ

    • 「僕はあとでいいよ」と言えることこそ。

       30歳にもなった手前、否でも応でも、自らのことを「大人」だと認識しなければならず。なんでもかんでもワーワーギャーギャー怒り散らしていた24,5歳の頃を思い出して、別に「気色悪かったなぁ」と思うまではないにせよ、少々感じてしまうところもありつつ。  そりゃもう、とびきり大変な時期でした。自分には仕事がほとんど無かったので。びっくりするほど仕事がございませんでした。「なんで俺には仕事がねえんだよ、こんなにも優秀なのに」と、心の底から思っておりました。正直です。喉から手が出るほ

      • 「元気な文章」を書ける人間が、羨ましくてしょうがない。

         みなさ〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!!!!! こんばんは〜〜〜〜〜〜!!! ライターの三浦で〜〜〜す!!!!!!!!!!✒️✒️✒️💪 今日はどんな1日でしたか〜〜〜〜〜!?!???!?!???!☀️☀️🍴💄🏇 僕は、朝起きて、お水を飲んで、うーん………忘れちゃった〜〜〜〜〜〜!!!☺️👮‍♂️👮‍♂️🐶💕💕🐂🏩 イェ〜〜〜〜〜イ!!!!!!🌸🌼⭐️✨  こんなにもぶっ飛んだ輩は、これまで一度も見たことが無いのだが。最後の「イェ〜〜〜〜〜イ!!!!!!」を打った時、「イ」が上

        • こんな時世だからこそ、 「何のへんてつもない生活」 を大切にしたい。

           春。「お花見」の小気味良い響きと語感のゆるやかさ、先に待っているであろう言い訳ったらしい “飲酒” であったり “飲み会” であったりにかまけつつ、吉祥寺・井の頭公園を目指した日があった。  恋人は『昔住んでたんだよね〜〜、楽しみだなァ』なんて言いながらヘラヘラしていた。口が開きがちな彼女、電車の窓越しに見る桜の桃色や川の青色にポカーンとしてて。たまに眠そうで、うつらうつらと首をこぼしてしまいそうになっていた気がする。あまり覚えていないが確かに可愛らしかった。3月末。

        「服食品(ふくしょくひん)」 シリーズをはじめます。

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        • 饒舌な食いしん坊
          クリハラ 他

        記事

          レバー、ハラミ、コブクロ、タンを塩で2本ずつ。

           なんにしたって「焼き鳥」が大好きだ。この文章、これだけで事足りる。なんにしたって焼き鳥が大好きなのだ。  夏。『うだるような暑さ』とはよく言ったもんで、天気予報が表示した「34℃」の文字を足りんじゃないのかと疑う。果たしてそれじゃ足りんじゃないのか。事実は48℃なんかだったりして、国を挙げてそんなこと言っちゃたまらんなんて魂胆をしめしめ隠しているんじゃないかしら。  読んで字のごとく “熱に浮かされた” 妄想話なんかどうでもいいのだ。サイファイの世界にゆらめく夢を観てし

          レバー、ハラミ、コブクロ、タンを塩で2本ずつ。

          群れない、媚びない、押し付けない。

          嫌味なまでに人と連れ添うこと、無理して誰かと肩並べ「友達だよね!」と和気藹々笑いながら存在することを、正直、美しいとは思えない。真っ赤な焼印押すがごとく、崇高な言葉をトップダウン式に発している御方。その彼や彼女を実に敬い、たまらず膝をつき、分母1。崇め奉っては不幸にも視野削られ猪突してしまう、いわゆる「ワナビー」の方々。 身勝手で情けない批評をしたいわけではないし、不要な水を差して満悦する気もさらさら無い。俺個人、そうありたくないという決意であった。たまんねえ。群れない。媚

          群れない、媚びない、押し付けない。

          「八方美人」の何がいけないんでしょうか。

          だれに対しても如才なく振る舞うこと。また、その人。非難の気持ちを込めて用いることが多い。 (どこから見ても難点のない美人の意から) だれからも悪く思われないように、如才なくふるまうこと。また、その人。八面美人。  八方美人。誰に対しても良い顔をすること。誰からも悪く思われないようにふるまうこと。もれなく全員から愛されようとし、そのための努力や行動を怠らないこと。『非難の気持ちを込めて用いることが多い』とあるが、いや、それの何が悪い。  15年も前ですか。たしかあれは夏

          「八方美人」の何がいけないんでしょうか。

          どうか、息詰まる「発信」に打ち負けないでください。

           みんな素晴らしい。みんな偉い。  SNSのタイムラインをざらっと見れば、どう考えたってまともで、感動的で、時に感傷的な詩であったり、感情的な揺さぶりであったりするような。そういう類の言葉たちが軒並み揃って並んでいるもんだ。それを現代、人は「発信」と呼んでいるらしく。非常に尊いことです。それ自体に何言うつもりもなく、掛け値なしに尊びたい。「良い仕事だ! 良い言葉だ! 良い思想だ!」と称えていたい。できれば芳しく思いつつ、両手上げて喜んでいたい。  切れる頭を持つ読者には、

          どうか、息詰まる「発信」に打ち負けないでください。

          ほじくり返した記憶をもとに

          酒を飲みすぎた。とうもろこし茶と焼酎を混ぜた酒、矢鱈、べらぼうに旨かった。あれは凄いぞ。とうもろこし茶。コーン茶。あれは本当に凄いな。飲める飲める。グイグイ飲める。「鯨飲」の概念、身を以て知った。あれはすごい酒だ。おかげで記憶が殆ど無い。その量、爪の間の塵ほどにも及びませんで。 朝方六時、千鳥足ぶら下げて退店。時間は覚えていた。紫がかった水色の空を見上げたおかげで足元ぐらつき、その辺の草むらに突っ込んだ。覚えていた。そこそこ覚えていた。 退店時間、空の色、出血する左腕にお

          ほじくり返した記憶をもとに

          「書いてりゃ上手くなる」は嘘だが、一度だけ信じてみよう。

          文筆家。ライター。エッセイスト。小説家。「文章を書く」ということを生業にする人間、自らについて、ひいてはそもそも「文章を書く」ということ自体について、どう語って良いか分からん。知れたもんじゃない。『紡ぎ人』なんていう表し方を目にした際は、なぜだか身体中が無性にむず痒くなった。面白がることがどうしてもできない。 「文章を書く」という行為は、千差万別あれど皆に許される行為であった。その輪郭らしいものは、まさに “十人十色” であって、その発散行為が「小説」であれ、「ラブレター」

          「書いてりゃ上手くなる」は嘘だが、一度だけ信じてみよう。

          夢のような生活。

           記念すべき “年明け” から三日も過ぎたとのことで、布団にくるまってばかりの生活を止めてしまおうと思った。外出と言えば、煙草を吸うためベランダに出るのみであって、世が表すような「辞書的外出」は一切無い。足元、秋の荒ぶる風を堪えられず、地に打ち付けられぶっ壊れちゃった硝子灰皿。破砕の片々が遅起きの朝日にきらめいて夢みたいだ。  インスタントな代用品として、室外機の上には缶ビールの抜け殻を置いた。労働者の匂いがする。狂いそうになった。夢うつつ、うつつにドッチラケ。興醒め。めで

          夢のような生活。

          「面白がる」から逃げない。

          2019年は「なにこれ、クソつまんねえよ」とこぼすことが多い一年だった。稼いでいる奴を見れば「いや、俺の方が絶対面白い」と強がり独り言、自分よりも目立って気持ち良さそうにしている奴を見れば「そう長くは続かねえよ」と中指立てて不貞腐れる。「嫉妬なんかダセェよな」と言いながらも自らがそうしているのだから何一つ説得力が無い。 「面白がれない一年」だったように思う。流行を気にしない一匹狼、孤高を標榜し、己の見込み能力にフルベットしてもリターンが無い。どんなに怒っても金は入ってこない

          「面白がる」から逃げない。

          日々の充足、ぶち壊すにはもったいねえなぁ。

           地獄の暑さに耐えかねて、なけなしの金を交通費に落とし込んでは山手線。クーラーを持つ恋人に会うため、へろへろ向かっている。私の家には、三年前に移り住んでからというもの、クーラーというのが無い。エアコンというのが設置されていない。家賃の安さに甘んじ、廊下側の部屋を選んでしまったが最後。最期。室外機を取り付けるには都合が悪く、ましてや知らんが、その部屋は南を向いているらしいのであった。  夏の朝の目覚めは「起きる」と呼ぶ価値も無い。「死なされかける」と言うのが最適です。毎朝毎朝

          日々の充足、ぶち壊すにはもったいねえなぁ。

          『謝るなよ』と友が言います。

           たとえば酒。生きるに満足な給料をありがたくいただきながらも、給料日の向こう一週間で酒にすべてを流してしまう習性ぬぐい切れず、残高をまるっきりゼロにしてしまう私。その期に限って、友達より連絡があります。『三浦、今日酒飲みに行こうよ』と。   その声には、もれなく「ごめん、もう酒飲み過ぎて金無くなったわ。来月なら」と返し不貞腐れる。家に残るウィスキーを水道水で割っては、「これ、店なら500円は取れるでしょう」と、満足しているんだか誇っているんだか、よくわからん感情を喉奥へぐっ

          『謝るなよ』と友が言います。

          飛んで火に入る夏の虫、俺よ。俺よ。

           夢うつつのなかに暑気のみデーンと見え、見え? 見え。覆い被ってしまわれ。午前六時にすっかり身体やられている。こうも暑いと、月並みだが、「暑い」しか考えられなくなってしまうよな。水でも飲まないとほとんど干からびちゃう。  行き着く台所には、昨晩の缶ビールが抜け殻。それと半端のハイライト。加えて、スナックから掻っ払ってきた紙マッチ。常連らしきおっさんから教示された手練れなやり方で火を点けてみた。真ん中折ります。端っこ火の点くべき部分を指で押し、グッとヤスリに擦る。行く末に親指

          飛んで火に入る夏の虫、俺よ。俺よ。

          脳溶かす熱気による、うなだれ日記。

           スチームサウナのような外気に蒸し上がった青年、わたくしは一人、冷気のひとつを求めて喫茶店を目指します。足取りは燃えるアスファルトにべたり取られたように重く、持ち前の猫背は陽を受け更に屈折、風前の稲穂に似た格好で地獄体験。灼熱地獄。閻魔が見える。幻覚か如何に。  徒歩五分の距離に立つ喫茶店、冷気を取るに最適かと思いきや、まぁ道は長いもんだ。こちとらダレた稲穂なんですから。「あちぃ~~」の声で持てるカロリーすべてを使い切り、底をつく体力とうとう下限ぶっち切り、途中のコンビニエ

          脳溶かす熱気による、うなだれ日記。