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永久ニ荘厳神聖ナル林相





今から99年前の1920年に創建された、東京都、明治神宮の境内にひろがる森です。

たった3人の学者( 日本発の林学博士で、公園の父と呼ばれる本多静六( ほんだ せいろく )さんと、その弟子の本郷 高徳( ほんごう たかのり )さん、上原 敬二( うえはら けいじ )さん )によって、どのような木を植えて、どのような森にするのか。という計画が練られた森です。

彼らが目標にしたのは、「 永久ニ荘厳神聖ナル林相( 永遠に続く荘厳で神聖な森 )」で、人が定住する前に広がっていた太古の原生林そのものでした。

昔、その場所にあった植生のことを潜在植生( せんざいしょくせい )といいますが、その構成種を見極めて植えることにしたのです。

その代表的な木は、椎木( しいのき )、樫の木( かしのき )、樟( くすのき )です。( 個人的には樟は太古の関東平野には自生していなかったとは思っていますが )

ただ、明治神宮の造成が始まった当初、この地はほとんどが原野や畑で、土が肥沃ではありませんでした。( ただ明治神宮の境内になった敷地の5分の1くらいは、彦根藩・井伊家の屋敷でした )

肥沃ではない所に椎木や樫の木を植えても、うまく育ちません。

そこで本多先生たちは、やせ地でも育つ、松、檜( ひのき )、椹( さわら

)を植える計画を立て、その下に小さめの椎木や樫の木を植えました。

もちろん木は3人で植えたわけではなく、全国から希望者を募ると、なんと11万人もの人が集まって、献木( けんぼく・献上される木のこと )は10万本も集まったらしいです。

当時の大プロジェクトで、明治天皇がいかに多くの日本人から畏敬の念を持たれていたのかが分かります。



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