見出し画像

2022年2月20日(日)HAYATO SUMINO CONCERT TOUR 2022 "CHOPIN, GERSHWIN, AND..." 東京公演

角野隼斗さんの全国ツアー東京公演(ツアーファイナル)に伺いました。
以下、自分のために書いたコンサートの備忘録です。
レポの体はまったくなしていません。
(ヘッダーはアンコールで撮影。撮影&SNSへのアップOKとのこと)

【はじめに】

感動した。
何に感動したかはすでにほとんど思い出せないけれど。感動したことだけは未来永劫忘れないくらい心の細胞全体に刻み込まれている。
2時間半の間、ずっと心が喜んでじんわりして飛び跳ねていた。

以下短いけれど、備忘録を書いていこうと思う。改めて書くが、すごく感動しているのに、まだ翌日なのに記憶がなくなって思い出せないし、ボキャブラリーもまったくない自分がほんとに悔しくて悲しいけれど、とにかくいま覚えていることと気持ちだけでも書き記しておこうと思う。

曲の感想と雑感だけ書きました。MCや会場の様子はほとんどないです。ごめんなさい。

(アーカイブを聴く前の気持ちで書きます)

【プログラム】

1. ショパン:ワルツ 第1番 変ホ長調 作品18「華麗なる大円舞曲」
2. 角野隼斗:大猫のワルツ
3. 角野隼斗/ショパン:胎動
4. ショパン/マズルカ ハ長調 作品24-2
5. ショパン:エチュード イ短調 作品25-11「木枯らし」
6. 角野隼斗/ショパン:追憶
7. ショパン:マズルカ 嬰ハ短調 作品63-3
8. ショパン:ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 作品35
 (休憩)
9. ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム
10. 角野隼斗:ティーン・ファンタジア
11. ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 へ調
 (アンコール)
12.ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11 第2楽章(ピアノソロ版)
13. ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1「子犬のワルツ」
  ※撮影・SNSアップOK
14. ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53 「英雄ポロネーズ」

【ちょっとだけ会場の様子】

とにかく会場が広い!これが5000人か!
角野さんのパネル撮影も整列して長蛇の列。
ここが満席になって演奏に酔うのだと思うと、それだけで感慨深い。
ロビーにはたくさんのスタント花が届いていた。

自分の席は1階2列30番台。舞台が低めでピアノが前寄りに置かれているのでとても近い。しかしちょうど角野さんの顔が機材(小型のカメラ?)で遮られてしまうのと、指揮者とオケがほとんど見えない(コンマスとあと数人だけ見える)のが少々残念だけど、角野さんのピアノの発する音を直接浴びられる得難い席だと思った。
会場内換気のために、常時「さああーーー」という風の音が鳴っている。

画像1

会場入り口

画像5

スタンド花(1)

画像5

スタンド花(2)

画像6

スタンド花(3)

画像7

パネル

画像3

1階上手(かみて)より。会場左右にスクリーン

画像4

自席より

そしてツアーファイナルのはじまり。

【曲の感想】

第一音からこのピアノはよく響く太いピアノ(ニュアンス表現が難しい)だと感じた。「固い」とは違う。よく伸びる。ピアノの個性もあるだろう。角野さんがピアノの個性を最大限に生かしつつキャパ5000人の東京国際フォーラムのいちばん後ろの角まで、いえ配信を見ている世界の果てまで届くように弾いているのを感じた。もちろん弱音も美しく優しくのびて宇宙の果てまで届くような。さきほど少しアーカイブを聴いたのだが、配信は自分の席よりも音が固めに聞こえるように感じた。

「華麗なる大円舞曲」は大勢の紳士淑女が集った大円舞会のようで華やか。

おしゃれなイントロアレンジの「大猫のワルツ」は洗練されたキュートな大猫を思い起こさせる粋な演奏。

打って変わって「胎動」は、新たに力強く生まれようとしている角野さんを感じた。しっかり地面を踏みしめて、嵐の中も日照りの中も、前に!進んでいく。自分も目の前のピアノからたくさん力をもらえた。

「マズルカ Op.24-2」、最高。リズミカルで朗らかでとても楽しそうだった。ときおり笑顔を見せながら弾いていた。

そしてこれも最高だと思ったのが「木枯らし」。この日400万再生回を迎えたYouTube動画の木枯らし以来、なんども角野さんの木枯らしを聴いたけれど、木枯らしの中の木枯らしと言えるほど素晴らしい演奏だった。大寒波と地吹雪と心の痛み苦しみを感じた。雪の結晶が次々と心に突き刺さるようだった。それを表現できる抜群の演奏力。

「追憶」。舞台の下手(しもて)奥のアップライトピアノで演奏。座席からアップライトは見えない位置だったので、ちらっと場内スクリーンを見て(場内スクリーンも見にくい位置だった)、あとは前を向いて目を閉じて音の世界に集中した。角野さんと自分が対話しているようだった。一音一音が心の池の中に小石が優しく投げ入れられるように響いて広がって来る。あたたかく優しい音の世界。あとで知ったのだが、配信にはエフェクトがかけられていてより世界の広がり感が増していた。

引き続きアップライトで「マズルカ Op.63-3」。自省的。自分のこれまでも振り返った。角野さんのこういう静かで心の中を照らすような演奏は大好きだ。

静岡公演ではマズルカからほぼ間を置かず「ピアノソナタ第2番」を弾いたけれど、昨日はアップライトピアノからグランドピアノへゆっくり戻ってきてピアノの前に静かに座ってから弾き始めた。これも今まで聴いた中で最高のソナタだった。3楽章の感情表現がすごかった。ショパンが聴いたら抱きしめに来たに違いない。

後半のスタートは「ティーン・ファンタジア」のはずが、「アイ・ガッタ・リズム」から。角野さんもMCで「プログラムにない曲から弾いてしまいました」と言われていた。でも、この曲からでよかったと思った。後半の導入としてほんとにふさわしい。アレンジ満載の心躍る演奏だった。ガーシュウィンもこんな風に弾いていただろうなと思いをはせた。

「ティーン・ファンタジア」。さらに心が躍る。角野さんがずっとこうやって音楽を楽しんで自分の道を進まれますようにと願う気持ちでいっぱいだ。

そして「ピアノ協奏曲 ヘ調」。高めに設定していた期待値をはるかに上回る最高の演奏だった(最高がたくさんだけど、偽りはまったくない)。藤岡マエストロと東京フィルと作っていく音楽は、終始エキサイティングで刺激的。音楽ってこんなに楽しいんだとびしびし伝わってきて、心の中がどんなに曇っていてもこれを聴くとめいっぱい晴れやかになれる。角野さんは曲中ずっと体中が音楽していた。足でリズムを刻み、膝の上に乗せた両手でオケを表現し、左手で指揮をし、からだを揺らし、目を閉じ目を開き微笑み、いきおいよくピアノが入るときには勢いがそのまま表情に現れていた。なんでこんなに弾けるんだろう。いままで聴いたどのピアノ協奏曲 へ調よりも生き生きしてわくわくしてかっこいい。即興演奏やそこここに自然に組み入れられるアレンジもかっこいい。これは絶対に角野さんの代名詞になれる曲。これからもたくさん弾いて、たくさんの人にこのわくわくと音楽の楽しさを伝えて欲しい。そこにはぜひ藤岡マエストロと東京フィルにいて欲しい。すでに1楽章の終わりでたくさんの拍手(この曲ではありがちとはいえ、自分もほんとに拍手したかった)。曲終わりでは万雷の拍手とスタンディングオベーション。

アンコール。アップライトピアノに移動した角野さん。いままでのパデレフスキではなく・・あ、「ショパコンの2楽章」だ!なんてこと!ここでも自分は目を閉じてゆったり音の世界に浸った。穏やかで優しくてあたたかさのある明るさで。ここにいる自分はしあわせだと心から思った。たぶん弾いている角野さんも、会場の聴衆も、配信の聴衆も、みんなみんなしあわせだと思ったろう。音楽の力ってすごい。

恒例の(笑)アンコール2曲目の「子犬のワルツ」。昨日も撮影OK&静止画SNS掲載OK。加えて昨日は配信のスクショもOK。いつもありがとうございます!昨日の子犬は元気いっぱいだけどアレンジは少な目。真面目な子犬だったのかな。

3曲目の「英雄ポロネーズ」。泣いた。わたしは角野さんの英ポロが大好きだ。

なんどもなんども登場してスタオベに応えてくれて、最後の去り際には舞台袖にほとんどかくれたところで両手をふってバイバイ!見える位置の観客もみんなバイバイしてた。自分も笑。

あ-いいコンサートだった!!最高!!

【雑感】

あらためて1月10日からの全国ツアー、無事に完走されておめでとうございます。コロナ禍で、日々細心の健康管理をしながら、もちろん通常のコンサートのための準備をしながら、いつ誰が陽性になりはしないかと、角野さんだけでなく関係者みなさんが心休まらない日々を過ごされていたと思います。そのことを思うだけでも無事にツアーファイナルを迎えられたことがどれほど尊いかを感じます。また、会場に来られない方のために世界14か国を含む配信をしていただきありがとうございます。だれも蚊帳の外にならずにコンサートを楽しめるように心を砕いてくださったこと、感謝しかありません。

角野さんへ。このところ角野さんの顔が、とてもしっかりして大人になられたと感じます(こんな表現しかできずすみません)。昨年からの経験、いや人生のすべての経験が角野さんの中で熟して実りになろうとしているのを感じます。いつも素敵な音楽をくださってありがとうございます。そして今日からさらに前に進まれるのですね!いまの実りが、これからのあたらしい種になって、たくさんの知りたいこと勉強したいことをインプットして、さらに美しく大きな実りになる、そのアウトプットを共有させてもらえるのがいまから楽しみでなりません。これからも健康で、ショパンとガーシュウィンを足したよりももっとずっと生きて、わたしたちに音楽の楽しさよろこびをもたらしてくださいね!!

こんな備忘録にお付き合いくださってありがとうございました。
記憶力とボキャブラリーを取り戻すべく日々訓練をがんばります!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?