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「超ひも理論」とReimagine〜時空をつなぐ音と心と愛 ~ Hayato Sumino Concert Tour 2023 in Japan "Reimagine" サントリーホール公演

【公演概要】

◆コンサートタイトル
 Hayato Sumino Concert Tour 2023 in Japan "Reimagine
◆公演日時
 2023年2月26日(日)15:00開場 16:00開演
◆会場
 サントリーホール(東京)
◆出演
 ピアノ:角野隼斗 Hayato Sumino

【プログラム】

◆J.S.バッハ:インヴェンション第1番ハ長調BWV772
◆ラモー:新クラウザン組曲第2集(第3組曲)より雌鶏、未開人
◆グルダ:プレリュードとフーガ変ホ短調
◆角野隼斗:追憶
◆J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよBWV147
◆J.S.バッハ:パルティータ第2番BWV826
 Ⅰ. Sinfonia
 Ⅱ.Allemande
 Ⅲ.Courante
 Ⅳ.Sarabande
 Ⅴ.Rondeau
 Ⅵ.Capriccio

(休憩)

◆角野隼斗:胎動
◆角野隼斗:Human Universe
◆カプースチン:8つの演奏会用エチュード 作品40/J.S.バッハ:インヴェンション
 1. カプースチン:Ⅰ.Prelude
 2. カプースチン:Ⅱ.Reverie
 3. カプースチン:Ⅲ.Toccatina
 4. J.S.バッハ:インヴェンションNo.13 in A minor
 5. カプースチン:Ⅳ.Remembrance
 6. カプースチン:Ⅴ.Raillery
 7. J.S.バッハ:インヴェンションNo.4 in D minor
 8. カプースチン:Ⅵ.Pastoral
 9. J.S.バッハ:インヴェンション No.14 in B-flat major
 10. カプースチン:Ⅶ.Intermezzo
 11. カプースチン:Ⅷ.Finale

(アンコール)
◆ショパン:華麗なる大円舞曲Op.18
◆ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番第2楽章より(arr. Hayato Sumino)
◆ガーシュウィン/角野隼斗:10 levels of "I got rhythm"

【はじめに】

すでにほとんどの記憶が忘却の彼方に行ってしまいました。

わたしは3歩歩くと忘れてしまう「たち」なので、コンサートのことももうほぼ覚えていない。たとえばどの曲をアップライトで弾いたか、どのタイミングでマフラーを変えたか、MCでなにをしゃべったか、具体的に音色やフレージングがどうだったか、など。それでも、細い細い記憶の「ひも」をたぐりよせながら、とにかく自分の為に書きます。公開するかどうかも現時点では決めていません。もし公開したらどうか生温かい目で見守ってやってください。

(結局公開することにしました。こんな感想でもどこかで琴線にふれる方がいるかもしれないから)

自分のコンサート参加の記録であり、ネタバレが多いので、まっさらな気持ちでいたい方は読まれないことをおすすめします。また、乏しい記憶で書いているので、誤りも多々あると思います。気づかれたことがあったらご指摘いただけると泣いて喜びます。

内容がほぼないのに字数は多いのでかなり散らかっています。

いまは思い出せていないことも、万一思い出したら追記すると思うので、どうかご了承ください。

なお、角野隼斗さんのことは、普段呼びなれている「かてぃんさん」と表記しております。

【グッズ先行販売】

グッズはコンサートの副次的なものとはいえいろいろ買いたかったけれど(とくに黒のトートは必ず欲しかった)、混み具合がわからなかったので、13時から先行販売開始のところ11時50分ごろにサントリーホールに到着。

サントリーホール正面

掲示を撮影して様子を見ながら噴水脇に座って待機。風邪が強いけれどとてもいい天気。

コンサート告知の電光掲示
いい天気です

この日はカラヤン広場でなにかのマーケット?市場?が開かれていて、たくさんの人が集っていました。

12時半ごろコンサートのボードがホールの外に設置されました。この日は強風で何度もボードが倒れ、そのたびにスタッフの方が重石になるものをいくつも持ってきてボードの裏面の足もとに置いていました。
その後は安定したように見えました。

全国各地を廻るボード
ボードの裏側
この後さらに多くの重石が置かれました

ボードはSNSで何度も見かけていたのですが、やはり実物で見ると素敵ですね。

思わずこんな写真を撮ってしまいました。

そっと肩に手を
フォロワーさんから「手はもう10センチ下でしょ」と指摘されました笑

なんとなくホールの前にでグッズ販売を待っていたら購入列の先頭になって、なんだか申し訳なかったです。

そして13時の開店(開店?!笑)

グッズは全種類あり、欲しかったもの(黒トート含め)をすべて購入できました。

支払時にQRコード決済に慣れてなくて、後ろの方をお待たせしてすみませんでした。

当初購入列は1列、すぐに3列になって、スムーズに進んでいるようでした。

(ちなみに黒トートは90分の先行販売を経て、開場後10分で売り切れていました)

グッズの案内
案内のデザインもかわいらしい

購入後はランチをしながらまったり開場を待ちました。

さくらソイラテとハムとマスカルポーネチーズのサンドイッチ。おいしい春の味

そして開場15分前にホール前に戻ると、すでにたくさんの聴衆が開場を待ちかまえていました。


【開場】

15時開場。サントリーホールの開場オルゴールはコンサートへの雰囲気を高めますね。

飾られていたお花はこちら。

スタンドフラワーが2台

テレ朝さんはなにかイベントに出られるのかしら?ヤマハさんは楽譜かな?←個人の空想です

座席は1階6列36番。右端から3つ目なのでもっと端っこのイメージでいたのですが、意外と真ん中寄りでいい感じです。みなさんの着席後もかてぃんさんのお顔がよく見え、からだの動きも感じられる席でした。

座席からの景色
うわさのグランドピアノを形どったバミリ
フォロワーさんによると舞台中央だけでなく上手下手にもあるとのこと
2台のピアノ
ツアー途中から加わったマイク
アップライトの音色がすこぶるよくなったと伺っています
アップライト裏のマイク達。細やかに音を拾っています
アップライトの上にはかてぃんさん自ら演奏の切れ目で交換するマフラーが載っています


【演奏の感想の前に、かてぃんさんがプログラムで触れていた「超ひも理論」や宇宙についてなど】

「超ひも理論」では、この世界のありとあらゆるものを作る最小単位(素粒子)は「点」ではなく「ひも」であるという。その「ひも」の長さは10のマイナス35乗メートル。長さのイメージは、物質の原子1個がわたしたちの住む天の川銀河の大きさだとすると、「ひも」の長さはありんこ1匹分。途方もないミクロな世界。その「ひも」はたった1種類だが、「振動の違い」で異なる性質が現れ、世界を作るすべての異なる粒子に見えるという。まるでバイオリンの弦やピアノの弦から振動の違いで異なる音が生まれるように。振動の速さはおおよそ毎秒10の42乗回。途方もない高速な動き。そしてその「ひも」が振動しているのは、「11次元」の世界(10次元の空間に時間を加えたもの)だという。3次元(時間を含めれば4次元)の世界に住んでいる(と感じている)われわれには「ひも」の揺れを見られない。そもそも現在の科学技術では「ひも」小さすぎて見ることはできない。11次元を感じることもできない。しかし世界は11次元なのだと「超ひも理論」は語っている。「超ひも理論」は現在進行形で研究が進んでいる理論である。

一方この宇宙は138億年前に誕生したという。誕生したばかりの宇宙は非常に小さく、熱く、数えきれない「ひも」でぎゅうぎゅう詰めだったという。そこからインフレーションとビッグバンを経て、たくさんの銀河を形成し、膨張しながら現在に至っている。宇宙のはじまりの時にあった「ひも」は、宇宙にあるあらゆるものの元になっている。あなたも、わたしも、かてぃんさんも、ピアノも、地球も、宇宙の星々も、すべてが原初の「ひも」を持っている。

そして宇宙と脳のネットワークは似ているという。こちらの記事を参照していただきたい。

脳も宇宙もまだまだわからないことのほうが多いけれども、相似なはたらきをしていると思うと、ロマンチックですよね(と、かてぃんさんは感じている。わたしも感じています)。

かてぃんさんご自身が「超ひも理論」による世界を意識して演奏されているのは「Human Universe」だけかもしれないけれど、今回のプログラムと演奏から「宇宙」とたくさんの「あなた」と「わたし」を感じた。「あなた」はかてぃんさんであり、バッハやラモーやグルダやカプースチンであり、聴衆のみなさんやSNSでつながるみなさんや、世界や宇宙のみなさんのこと。そんな分厚く優しく強く美しい世界を感じました。

ここから各演奏について記述します。

【バッハ:インベンション1番】

明るく透明感のあるインベンション1番。現在の音色から、300年前をノックするよう。こんにちは。バッハさんお話しませんか。装飾少なめの端正な演奏。終盤の仕掛けは空気がすーっと変わって、300年前の景色を見せてくれた気がしました。まるでバッハさんがかてぃんさんを通じてサントリーホールに景色を運んでくれたみたい。

【ラモー:雌鶏】

太めだけどコケティッシュな雌鶏が時々舞ったり息をついたりコッココッコ言いながらせわしなく動き続けてる。雌鶏の質感(羽や毛並みや肉のつき具合や重さなど)や視線、雌鶏の周囲にいるものの様子をつぶさに感じられる演奏。現代曲と言われてもまったく不思議がない。音色が新しい。

かてぃんさんのバウンスするような、心地よい重力(雌鶏らしい重力)を感じる演奏がとてもいい。好きだ。

【ラモー:未開人】

ラモーは1725年にパリの王宮で出逢った未開人(イリノイ州から来た原住民とのこと)の気高さにとても感銘を受けて3年後にこの曲を作ったそうだが、かてぃんさんの演奏も気高さや気品や美しさを感じるスタイリッシュなものだった。ラモーが出逢った未開人が纏う空気が自分にも伝わってきた。

ラモーのどちらの曲も、かてぃんさんの真摯でありながら楽しげな表情が思い出される。他の公演に行かれた方に伺うと、この日はいつにも増してノリノリでビートを感じる演奏だったとのこと。刻まれるビートが心地よかった。

【グルダ:プレリュードとフーガ】

最初からノリノリ。わたしもノリノリ。でもかてぃんさんの左足はそんなに動いていなかったと記憶。時々踏み込む足の音が響く。プレリュードのコーダのアドリブがすごくスタイリッシュでかつ熱がある(温度が高すぎない)モノクロさを感じる演奏でかっこよかった。フォルテでリズムを刻む音にグルーヴを感じて心地よかった。

フーガ。ついつい自分も指パッチンしてイェイ!と言いたくなるようなノリが最高。かてぃんさんのノリも止まらない。音が重力に引っ張られながら浮いている(浮遊感とは違う気分を感じる。音の艶、色気も感じる。引きこまれた。

ところで、よくわかっていないのですが、会場によってグランドピアノで弾く曲とアップライトで弾く曲は違っていたのでしょうか?どこかでラモー(のどちらの曲)がアップライトだったと見かけた気がするのですが、サントリーではグルダまでは(インベンションの一瞬を除いて)すべてグランドピアノだったと記憶しています。

※追記:フォロワーさんからどちらのピアノで弾くかは会場ごとに相違はなかったと教えていただきました。ありがとうございました!

【MC①(ごく一部の概略の意訳)】

全国ツアーもはや13公演目のサントリーホール。もうすぐ終わりかと思うと寂しいです。今回はアップライトピアノを連れて動いています。右にグランドピアノ、左にアップライトがあって、どちらのお席から見ても鍵盤が見える親切設計になっています。

次は「追憶」という僕のオリジナルです。アップライトを弾きながら部屋でショパンと語らっているような曲になっています。お聞きください。

【角野隼斗:追憶】

アップライトってこんな音が鳴るのかとまるではじめて聴いたような感動(実際には昨年東京国際フォーラムで生アップライトで聴いているがその時とははっきり違う)。

マフラーの変化で作られる音色が少なくとも3種類は聴こえた気がする。実際に綾なされる音は遥かに多い。ペダルを踏んで稼働させるマフラーを変えているのだろうか。

かてぃんさんの感情の凪、渦、うねり。ショパンの感情の凪、渦、うねり。ライトひとつだけの小部屋で、互いにそれらを交し合っているのを感じた。それを見ている自分はなぜかしらリラックスしている。激しいうねりを見ても痛みを感じない。これまで「追憶」を聴いた時の自分の心境からは大きな変化を感じた。

【バッハ:主よ、人の望みの喜びよ】

(まずは質問から:マフラーを数回差し替えている~2回か3回だったような~のだけど、どのタイミングだったか忘れてしまっています。このタイミングでも変えた記憶がありますが・・各会場でタイミングが違うという情報も耳にしています。どのタイミングでマフラーを差し替えたか教えていただけるとうれしいです)

ここでマフラーが変わり、それまでと違う音色になったと記憶しています。深い淵だけど澄んでいる。清濁あわせ飲んでいるけれど希望を感じる音。これがかてぃんさんの祈りの音だと感じた。サントリーホールのパイプオルガンを照らす照明の光が遠くウクライナまで届いている気がした(公演日はロシアのウクライナ侵攻から1年と2日目)。かてぃんさんは「ウクライナは(自分にとって)近い」と昨年のピアノライブで言われていたのを思い出しました。

【バッハ:パルティータ第2番】

この組曲に感情はないと、バッハは言うでしょうか。

ただただ天上に届く音色。天球全部に届く音。そして人にも届く音。

6つの楽曲がひとつひとつ独立して、でも組み合わさってわたしに届く。
ピアノの音色もひとつひとつ違う。

わたしはアルマンドが好き。とくに左手が好き。トクン、トクン、と刻まれる音。

サラバンド(アップライトだったと記憶)は落ち着く。体の重石が溶けていき、内省的になれる音。跳ねないけれど適度な大きさの重力を感じる。

このバッハはなんだか艶めかしいとさえ感じられた。

たぶん人間ってこうなんじゃないか。ひいては宇宙もこうなんじゃないか。
バッハって3世紀前に亡くなったんじゃなくて、実はわたしたちに知覚できないに過ぎない、織り込まれた次元にいまもいて、ひょいと「超ひも理論」の世界にある「ひも」を引っ張って音を紡ぎ音楽を聴かせてくれているのではないかとさえ思えた。誰よりもそれに気づいて反応しているのがかてぃんさんなのかもしれないとも思えた。

なお、同時代を生きたバッハとラモーは異なる音律を使用し主張していて、バッハはラモーのことを「嫌いだ」と言っていたそうだ(細かい音律の違いは自力では十分な理解・表現ができなかったためここでは割愛します)。

ここまでで演奏時間50分(15時50分で休憩入り)。あっという間。なんと密度の濃い時間。すでに呆然として立ち上がるのに難儀する。

後半はさらに速度を増して駆け抜けそうな予感(実際そうだった)。

(15時50分から20分間休憩をはさんだ)

ここからは後半。

【角野隼斗:胎動】

宇宙のあらゆるものが祝福されて生まれ出ているように感じた。
転調の時に照明が変わる、その効果が素晴らしい。心が晴れやかになる。

メロディーは右手と左手両方で織りなされ交差している、複数の物が混ざり合ってひとつのもの(生き物も無機物も)ができる奇跡を感じた。右手のアルペジオが命をはぐくむ母のベッドのよう。

【MC②】

宇宙と人の脳のこと(似ていることがロマンチックであること)、2進数の説明、舞台上に置かれた4つの電球でバッハとカプースチンの曲の番号が2進数で示されることなどが語られた。
MCの間、かてぃんさんは舞台上を左右(下手から上手)に、みなに姿が見えるように歩きながら語ってくれた。

【角野隼斗:Human Universe】

一昨年の6月にブルーノート東京で聴いた「Human Universe」。生まれ変わって封印が解かれて新たな命を得たように感じた。「超ひも理論」の11次元の世界に合わせて曲の大部分が11拍子とのこと(プログラム冊子より)。宇宙の中の自分は孤独だと、谷川俊太郎さんも詩にしているが、かてぃんさんも孤独を感じているだろうか。でも曲の終盤ではなにかが確実につながっているのを感じた。あなたも、わたしも、宇宙でひとりではないと、大きな声で伝えたくなった。

【カプースチン&J、S.バッハ:8つの演奏会用エチュード&インヴェンション】

カプースチン8曲、バッハ4曲が交差しながらシームレスで繋がっていて、アドリブを含んだ曲の繋ぎもとてもスムーズで、まるで1曲のように感じた。

11次元の世界は音で越えられると思えた。

生きている死んでいる近くにいる遠くにいるは問題ではなく、どこにいてもどこでもドアを開くようにひょいと次元は越えられるに違いない。かてぃんさんの音はあらゆる壁を越えてこちらにも聴こえる。音楽がReimagineされてる。バッハもカプースチンもいまこの演奏を聴いている。聴いて微笑んでいると感じられた。

すべてを越える(超える)こと。それは不穏や怖れではなくて、とても心地よくて、音が揺れるだけじゃなく体ごと気持ちよく揺れて聴こえた。みんなビートを刻み、みんなグルーヴしてる。世界中の「ひも」が喜んでゆれている。

ただただこの音楽に、この世界に浸っていて、正直どの曲がどうで・・ということはほとんど記憶していない(現地では1曲1曲感じていたのに曲が終わるごとに忘れてしまう悲しい性)。

インヴェンション4番のトリルにうっとりしたのと、インヴェンション14番とそれに続く間奏曲(の途中まで)がアップライトで、ビートが刻まれているのにふわふわな音色が心地よかったように覚えているのだけど、それすら合っているかわからない。自分は11次元の中のどこか違う時空で遠くにピアノの音を聴きながらくつろいでいたのかもしれない。

間奏曲は(とくに終盤は)スタイリッシュでうれしくてノリノリになっていた。ぜんぶの曲が有機的につながっていて、自分が世界のどこにでも行ける万能さを得たように感じた。

カプースチンもバッハもぜんぶの音が自分にフィットして、ざらつきがまったくないのがうれしい。

コンサート以来、正直ほかの方の音で同じ曲は聴けなくなっている。

かてぃんさんこの症状を手当してください。

あ、オーラス(3月10日)の配信が決まりましたね!決定ありがとうございます!!

ところで本編が全曲が終わったところでわたしは思わずスタオベしてしまったのですが、ほかに立っている人がいなくて「えっ」とひるみました。でも一度立ったら座る方がもっと変だから、立っていました。立って迷惑だったかしら?間違っていたかしら?と心配になりました。感動のあまり立てない人が多いということも聞いていたし、自分もそうなるだろうとコンサートがはじまる前は思っていたけれど、逆に感動のあまりぴょーんと立っちゃった側です。体がスタオベしたいと欲してました。

【アンコール(日替わりメニュー♪)とMC③】

ツアー各会場でのアンコール曲一覧(サントリーホール公演終了時点)

①  ショパン :華麗なる大円舞曲
ターンタカターンタカタンタカ~のオープニングからすでにうれしくなる。いままでのどのOp.18よりも祝祭感にあふれていて心が華やいだ。

②  ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番第二楽章より
うれしかった。まさかここで来るとは。しかもアップライトで。ピティナ特級決勝でのラフ2の300万再生回と関係あるのかな、サントリーだし・・と思ってたらまさにそうだった(スタッフブログ~ファンクラブ有料会員限定で閲覧可能~にかてぃんさんがサントリーでの300万回到達を喜んでいたと書かれていた)。かてぃんさんも聴衆も、じっくり思い出に浸っていたと思う。そしていまがかてぃんさんの新たな「胎動」の瞬間だとも感じた。そしてさきほど「主よ、人の望みの喜びよ」の項目でも書いた、ロシアのウクライナ侵攻のこと。ウクライナ支援のピアノライブ@東京タワーの時も、ウクライナ国歌などに続いてこの曲を弾かれていた。平和への祈りをこめて。このコンサートでも深く心に刻まれた。

そして何度かのカーテンコールを経て3回目のMCがはじまった。

<MC③>
MCの途中で「靴ひもがほどけている!」と言い出したかてぃんさん。グランドピアノの椅子に座って「ひも」を結び直す27歳男性を見つめる2,000人の聴衆。
(あ、「ひも」つながりだ!といまこれを書きながら気づくわたし笑)

最後の曲はI got rhythmです。撮影OKです。シャッター音で僕とセッションしてください。30秒ルールを設けていて、SNSへの動画アップを推奨しています。みなさんが撮影していると、終わった時拍手がないのが寂しいので、曲が終わったら拍手してくださいね。今日はありがとうございました!・・といった内容でした。この時3月10日公演の配信の告知もありました。

③  ガーシュウィン/角野隼斗:10 levels of "I got rhythm"
普段よりは左足の動きが少な目、でも指パッチン含めノリノリでした。わたしの好きな喜び一杯の音がホールに響き渡ってしあわせでした!

【コンサートが終わって】

今日の演奏では、かてぃんさんの音は宇宙に響いて、バッハもカプースチンもラモーもグルダもかてぃんさんも音楽も世界もみんな今日の演奏を通じてReimagine(再構築)されて、歴史もジャンルもいろんなギャップも次元も超えて、「ひも」のように共振するのを感じました。Reimagineに挑んで成し遂げたかてぃんさんがとてもかっこいい。かてぃんさんと共に旅するアップライトも、各会場にあるグランドピアノも、そこから奏でられる音楽も、「ひも(弦)」の振るえでできている。わたしの心の「ひも」も感動で振るえた。そしてすべての「ひも」を動かす力は「愛」だと思う!

コンサートの後、自分の心の空間が広く風通しよく豊かになったように感じています。あいかわらず記憶力はどうしようもなくて、中身のある感想はちっとも書けないけれど、卑屈にならずこれが自分だと受け止めるところからはじめようと、前向きな気持ちになっています。自分に与えられた自分だけの「ひも」(「ひも」の種類は無限にあると言われています)を、これからも音楽とともに、楽しく振らせていけたらいいなと思います。

さあ、次は3月10日のオーラス配信コンサート。さらに進化したかてぃんさんの演奏を自宅で楽しみにしています。世界中の聴衆とともに!

【Twitterリンク集】


全国ツアーに臨むかてぃんさんの決意


かてぃんさんが取り上げたインヴェンションの秘密?
(バッハの数字へのこだわりと関係があるのだろうか)


この日の公演前半を終えてのわたしの気持ち


コンサート終了後の想い


こちらの動画をTwitterに貼りました
世間的にnoteはSNSの扱いとのことなので、今回のルール(指定曲の30秒以内の動画をSNSに貼ってよい)に則ってnoteにも貼りつけします


サントリーホール公演を終えてかてぃんさんの決意


「サントリーホール」がトレンド入りしました。


【おまけ】(わたしにとって大切なおまけ)


全国ツアーがはじまった1月19日、見かけた感想つぶやきの中に「超ひも理論」というワードを見つけました。はじめて聞く言葉でした。「これはいったいなんだろう。今回の裏テーマ(2進数など)とも関係がありそうなので詳しく知りたいと思い、複数の入門書を読んだところ、その理論、世界観に引き寄せられました。気がつけば超ひも理論だけでなく、相対性理論や量子論、指数・対数や宇宙や脳や音楽と数学の関係などのコンサートと関係ありそうな様々な本を読み漁っていました。目が弱いことも、気力が続かないこともあり、本をなかなか読めないでいた自分からは信じられないことでした。読んだ内容の3%くらいしか身についていませんが、かてぃんさんは新しい世界を開いてくれると、改めて感じた時間でした。まだまだ読みたい本があるので、これからも読み進めていこうと思っています。

読んだ本のうちいま手元にあるもの
図書館に返却した本も同じくらいあります
「超弦理論」は専門家が使う呼び名です


【追記】カプースチンと超ひも理論

コンサートの2日後、聴衆の一人であった川上昌裕氏(ピアニスト、日本におけるカプースチン研究の第一人者)のブログに、コンサートの感想の追記として、カプースチンと超ひも理論の関わりについての記事が上掲された。

カプースチンは数学・物理・言語学が大好きであること、カプースチンの息子のアントン氏は超ひも理論の分野で先駆的な研究を行っている著名な物理学者であることなどが書かれ、興味を惹かれた。

もしかしたらカプースチンは自作曲にこうした理論に基づいたなにかを忍び込ませたかも・・深い謎ですが笑。

カプースチンは2020年7月2日にこの世を去りました。かてぃんさんはそのことを2日後に知り、その日はYouTubeの「7 levels of "Twinkle Twinkle Little Star」を収録予定だったのですがこのショックで収録することができず、しかし夜に予定されていたYouTubeチャンネルの有料会員向け配信では、冒頭でカプースチンへの思いを語り、「いつかお会い出来たらいいなと思っていた」と言っている。

カプースチンとかてぃんさん、もし会えたならどんな刺激的な会話やコラボがされたか・・。早く戦争が終わり、安らかに眠られますように(カプースチンはウクライナ出身のロシアの音楽家)。

以上です。長い自分語りになりましたが、読んでくださってありがとうございました!

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