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都七福神2

2回目は紅一点の弁財天をご紹介しましょう。

都七福神の弁財天は、空也上人くうやしょうにん立像で有名な六波羅蜜寺ろくはらみつじに入ってすぐにある、本堂より少し小振りな六波羅弁財天護摩堂に祀られています。


六波羅蜜寺と空也上人

まずは、少し六波羅蜜寺と空也上人のお話しをしましょう。

六波羅蜜寺のご本尊は十一面観音立像ですが、秘仏とされ12年に1度、辰年に開帳されます。

いつも閉まっている正門と本堂

空也上人とは、六波羅蜜寺のHPには第60代醍醐天皇の皇子とされていますが、真偽のほどは定かではありません。
南無阿弥陀仏と唱えた声が、阿弥陀如来の形となって口から六体の小さな仏像を出されているお姿を見られた方も多いのではないでしょうか。

口から飛び出ているのは極小の阿弥陀如来


弁財天とは

弁財天は琵琶を持つ七福神唯一の女神で、インド神話の水神で、ヒンドゥー教では梵天ぼんてんきさきになります。
琵琶を奏でる絶世の美女であり、水と芸術・学問を司る女神サラスヴァティ―が仏教に取り込まれ、呼び名を「弁才天」としました。
弁才天が弁財天になった理由は、『金光明最勝王経こんこうみょうさいしょうおうきょう』に弁才天は『財を求むるなら財を与える』仏であると記されており、この経文に基づき弁才天が弁財天と表記されるようになりました。


弁財天には2つのタイプ

日本三大弁財天は、鎌倉の江ノ島、琵琶湖の竹生島、秋の厳島といわれ、財宝・芸術・学業成就・諸芸上達・恋愛成就などで信仰されています。

実は弁財天には二つのタイプがあります。

  • 宗像三女神の末娘、市杵島姫命や吉祥天と弁財天が習合した二本腕で琵琶を抱えているお姿

  • 宇賀神を頭に載せ八本腕にそれぞれ武器を持ち戦闘神としてあるお姿

もっとも何度かの集合と分離を繰り返している様子で、完璧にこの二つのタイプに分かれているわけではないようです。

宇賀神も簡単に説明しておきましょうか。
宇賀は宇迦之御魂神うかのみたまのかみに由来すると考えられており、人頭蛇身じんとうじゃしんでとぐろを巻き、人頭も老翁や女性であったりします。
しかもこれが弁財天の姿ではなく、この宇賀神を頭に載せている弁財天がいらっしゃるのです。

お近くの弁財天がどちらの弁財天なのか確かめてみるのも面白そうですね。

さて、都七福神の弁財天は二本腕で琵琶を持つタイプで、巳成金弁財天と仰るそうです。名は体を表すというべきか金ピカです。

金ピカの弁天様 華やかでしょ?

弁財天だけではなく、堂内は煌びやかで華やかな印象です。

境内奥の売店内には銭洗弁財天も祀られていますが、メインはあくまで六波羅弁財天護摩堂の金ピカ弁財天です。

近辺には有名寺社がひしめいています。
直接七福神と関係あるのは京都ゑびす神社だけですが、寺社巡りをするにはいいと思いますよ。

さて次の七福神はどちらへ伺いましょうか?
五山の送り火も近いことですから、妙法の麓に位置する大黒天でもお尋ねしますか。
三羽 烏

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