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桜祭り【毎週ショートショートnote】

私は祭りの取材のために現地を訪れた

今では年中行事として桜回線の名を冠した祭りとなっている。
その昔は宗教的な伝統行事であったらしいが文献など資料も残されてないし、昔を知る方ももう誰もいない

不思議なのは山間部の過疎地で限界集落のような土地柄なのに、お年寄りの数が異様に少ないことだ
この村はみんな短命なのだろうか


祭りは地味で、桜の枝を刺した神輿が村中を練り歩き、村の端を流れる川に桜の花びらを流すだけのものだ
しかし神輿の前を犬や猫が横切るとその年は決まって大凶作になると言い伝えられ、現に近年にもそんな年があったらしい

もう一つの川に花びらを流す行為は、強く望めばすでに亡くなった方と会えると言い、お盆の迎え火と同等の役目も担っているらしい

私も参加できるのかを聞くと大丈夫だという返事をもらった
実は昨年妻を亡くしたばかり、もう一度会いたいと思う気持ちに噓偽りはないから祭りに参加させてもらうことにした

妻は会いに来てくれるだろうか
(410文字)

今週も参加させていただきます
たらはかにさま よろしくお願いいたします

魅力的な台詞ではじまるお話にはなりませんでした
通信技術を盛り込んだショートショートにもなりませんでした


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