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途上国における人口増加を、課題ではなく希望にする方法

先日e-Educationの新プロジェクト「LAMP」のゲスト講師として、一橋大学名誉教授の米倉先生にご登壇いただきました。

"Education is the Key for Success(教育は成功の鍵だ) "

第二次大戦後、敗戦国となった日本が急激な経済成長を遂げたのは、決して天然資源が豊富だったからではありません。

島国で資源も恵まれない日本の最大の資産は「人」であり、その土台となる「教育」だったのです。

世界が絶賛する日本の教育

「授業研究」という言葉をご存知でしょうか?

学校の先生が、他の先生に授業をを公開して意見を交換し合い、より良い授業のあり方について研究する手法です。教育関係者であれば誰でも知っているような言葉ですが、そうでない方には耳馴染みのない言葉かもしれません。

そして、「授業研究」が国際的にも有名な方はご存知ない方も多いはず。英語ではLesson studyと呼ばれており、海外の教育関係者からもかなり前から注目されています。

「どうして、日本の先生たちは昇給やボーナスものないのに、授業研究を頑張るんですか?」

前職JICAで働いていた時、アジアやアフリカの教育省関係者からこのような質問をもらったことがありました。私は答えに詰まってしまったのですが、一緒にいらっしゃった先生が「生徒のために、できることは何でもやりたいんです」と即答されて、胸が熱くなりました。

「従業研究」の歴史は決して短くありません。明治から始まったという学説もあれば、大正から始まったという学説もありますが、少なくとも100年近い歴史があるのは間違いなく、100年以上かけて先生たちが自ら授業研鑽を重ねて今の教育があると思うと、目頭まで熱くなります。

他にも、先生たちが少しでも授業をしやすいように教科書だけでなく指導書作成に力を入れてきた教科書会社も数十年という歴史があり、そういった史実を知る度に、日本がここまで発展したのは決して偶然ではなく、教育に関わってきた様々な人たちのおかげなんだと思うようになりました。

人口増加を希望に変える方法

少子化が進む日本とは対照的に、どんどん人口が増えている続く途上国。

「人口増加」は途上国の大きな課題の一つとして取り上げられますが、果たして本当に課題なのでしょうか?

確かに、食料の問題は大きいでしょう。国土が限られている中で、人口が増え続ければ自然と食料は足りなくなっていきます。

また、失業率の問題もあります。毎年何百万人という人が高校や大学を卒業して働き手となるには、十分な雇用先があるとは言えません。

でも、見方を変えればチャンスでもあります。いかに少ない土地で大量の食料を生産できるのか。雇用先を見つけるのではなく雇用を作る、つまり、事業を作って起業できる人が増えれば、雇用先はどんどん増えます。

こういった変化を生み出すために必要なのは、やはり「教育」だと思うのはきっと私だけではないでしょう。

天然資源は少なく、国土も広くない日本がここまで成長できた理由の一つが「教育」であるならば、途上国が同じように発展できる可能性だって十分にあるはずです。

「資源もない島国の日本が、ここまで成長したのは"教育"の力だ」

米倉先生がおっしゃった言葉は、きっと途上国の若者たちに希望として伝わったと思います。

最後に

今回「LAMP」に参加したバングラデシュやミャンマーの若者たちは間違いなく「希望」ですが、途上国で暮らす他の若者たちだって「希望」のはずです。

路上で暮らしている子どもたちにも無限の可能性はありますし、彼らが私たち日本の社会課題を解決してくれる可能性だって否定はできないでしょう。

教育は成功の鍵であり、未来を作るための投資です。

私たちe-Educationは途上国で教育支援の活動をしていますが、決して「かわいそうだから」だけではなく、彼らが私たち日本人の抱える社会課題を解決できるくらい可能性を秘めているからこその先行投資だと考えています。

昨日『よそ者たちの一歩が、きっと世界を変えていく』という記事を書きましたが、「LAMP」の活動を通じて、改めて途上国の若者たちが秘める可能性を感じると共に、もっともっと彼らの挑戦を応援していこうと自身に誓いました。

良かったら、ぜひご一緒に。


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