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エネルギーが降り注ぐフラワープリント/自分自身に届けたいデザイン

布・生地の通販サイトnunocotofabricさんより発売中の「dandelion」は、
たんぽぽをモチーフとした春にぴったりのフラワープリントです。
コンセプトは「太陽の光のような活力あるエネルギーが降り注ぐテキスタイルデザイン」。アクリルガッシュで描いた筆触感のある花びらを、おおらかにのびのびと構成しました。

dandelion(ホワイト)

たんぽぽ柄、制作の出発点は「マーケットイン」という定義でした。
必要とされるものを提供していく姿勢のことを指します。
nunocotoさんのトップページに【季節のおすすめ布(デザイン)/商品】があるように、日本は四季があります。季節や行事、特に3、4月は入園・入学が控えてますから、確実にニーズのあるデザインをご提案しようと制作を始めました。

ニーズ優先の考え方でつまらない印象を受けられる方もいらっしゃるとは思いますが、これまで私は散々油絵や日本画といった絵画制作で自分の内面世界に埋没していたため、敢えて意識を外に向けています。周囲を観察することで得た視点、思考プロセスを通して、自分の価値観や強み、好奇心を見出し、最終的に自分らしさ、ブランドを掴むつもりでいます。

さて、構想を始めて間もない頃に、PLAY! MUSEUM(東京・立川)での「鹿児島睦 まいにち」展(巡回中)を鑑賞しました。
鹿児島さんが表現される草花たちの、無垢で愛くるしい造形に感銘を受け、次のデザインは「春の草花でわかりやすいものが良いな(私が無知なので)」「そしたらたんぽぽ?」という安直な自己対話でモチーフが決まりました。

「鹿児島睦 まいにち」展 会場にて、ちょこっと撮影

ではそのたんぽぽ柄を誰に向けてデザインしようか?
これまでは自分が素敵だなと思うBEAMSの店員さんや、親しい友人、生地のエンドユーザーであるハンドメイド作家さんをペルソナに考案してまいりました。その方はいったいどんなデザインを好むのだろうか?SNSや書籍、直接のヒアリングを通してパーソナリティを探り、その方にご提案したい柄を制作してきました。

気持ちに余裕がある時は、人のために考えることができるように思います。丈夫な身体、丈夫な歯を授かった私はおかげさまで今日も元気です。
とはいえ、人間の意識レベルは一定ではなく、上がったり下がったり。
そして私は5人に1人のHSP、いわゆる繊細さんのため、これまで気疲れしたりお腹を下すことが往々にしてありました。

私のHSP診断テスト結果(こちらのサイトでテストできます)

悩み多きかつての私は、数多の文献を通して、脳科学やマインドフルネス、冷え取り健康法、認知行動療法などなど、様々な観点から物事の捉え方を学び、受け流す力を身につけてきました。しかしながらまだまだ道半ば、表に出さない技術は定着しましたが、やっぱり凹むことがあるわけです。

あれ、でもこの凹みはなんだか使えそうだなと、
今回はそんな凹んだ私をペルソナに、
自分が喜ぶような柄を制作しようと思い立ちました。
そんなことを考えていたら、いつの間にか元気になっていました(笑)

アクリルガッシュで個別にたんぽぽを描きました
Adobe Photoshop上で線を抜き、茎の部分はリソグラフの質感に変えました

たんぽぽの花びらは応援チアのポンポンのような、
応援しているようなイメージで描きました。

パターンのできあがり

こうしてテキスタイルデザインの制作に入ります。柄の大きさは北欧デザインブランド「マリメッコ」の「ミニウニッコ」を手本にしました。
以前もさくらんぼ柄「blooming」でミニウニッコを参照したのですが、
シリーズで一番売上が伸びました。やはり使いやすいサイズなのだと思います。さくらんぼ柄はこちらの記事でご紹介しています。

「dandelion」は背景色が白と桜色の全2種類です

今回は「マーケットイン」から構想を始めましたが、最終的には弱っている自分に見せてあげたい、元気が補給できるような、情緒的な価値に重きを置いた柄へと着地させました。

「dandelion」のデザインが、先日の私と同じように、ちょっと落ち込んだり凹んだりした方の心にも、エネルギーが注げられるようなデザインであったらと願ってます。
また、今後も自分以外の他者に活力をもたらせるような、明るいイラスト、元気なデザインを制作していきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!


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