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ノーリミット2-7シングルドローストラテジー(パート1): 基本編

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原文はこちらからどうぞ。https://flopturnriver.com/poker-strategy/no-limit-2-7-single-draw-strategy-part-1-basics-21681/

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FTR Poker Admin | Jan 12, 2024 | Cash Game Strategies, Featured Poker Strategy Articles


2-7シングルドローは、近年オンラインカジノにおいて以前にも増して広がりを見せつつあり、ポーカーの流行とNLHで普段から慣れ親しんでいるノーリミットべッティング構造とが相まって、かなりの人気を博している。皆さんが2-7シングルドローの成功に必要な基礎に既に慣れ親しんだ状態でこのゲームに取り掛かれるよう、我々はこのコラムで幾つかの基本概念をお示ししたい。今回は、頻出のマッチアップ(ヘッズアップ)と一般的戦略等の基本事項をカバーする予定である。次回以降ではハンドの頻度や、レンジがどのようにブレイクダウン(※)するか等の項目について、少し深掘りしてみる予定である。それでは始めよう。

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(※)訳者注釈
ブレイクダウンとは、文脈的にここではおそらく「分類分け・内訳」のような意味合いで用いられていると思われる。
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■2-7ローボールの仕組み

2-7ローボールの基本は、できるだけ最も弱いポーカーの役を作ることであるが、Aは常にハイカード(強いカード)として扱われる。したがって、あなたが86542(フラッシュなし)を持っていて相手が87432の場合、86ハイの方が87ハイより弱いポーカーの役であるため、あなたの勝ちとなる。これらに基づくと、2-7ローボールのベストハンドは75432(フラッシュなし)である。65432ではないことに注意して頂きたい、何故なら65432はストレートになってしまうからだ。また同様に、Aは常にハイカードとして扱われるため、7542Aが7ハイではない(Aハイである)ことにも注意して頂きたい。

さらに付け加えると、5432Aは2-7ローボールではストレートではない、何故ならAは決して“1”として扱われないからであり、単なるA5ハイにすぎず、このゲームにおいて極めて弱いハンドとなる。

このゲームは、6人ないし7人テーブルでプレイすることが多く、(NLHでいうところの)プリフロップではNLHと同様に(SBとBBの)2つのブラインドがあり、プリフロップの進行もNLHと同じである。プリフロップ後はカードを捨てカードを引く(ドロー)ラウンドが一度だけあり、ショーダウンの前にもう一度だけベットラウンドがある。この2つのストリートを(本コラムでは)“pre”および”post”と呼ぶこととし、「プリドロー」と「ポストドロー」の意味である。

■プリドローでのオールイン

2-7シングルドローにおいて、個々のハンドがどのようにマッチアップするかを理解するために、まずドローハンドとメイドハンドの良くあるマッチアップ(の例)をいくつか見てみよう。ここで取り上げているハンドは、但書がない限りすべてフラッシュにはなっていないことを前提にして欲しい。また、括弧で括られているカードは、ドローで捨てられるものとする。

・Q8432vs(A)8432は、約60/40でドローハンドが有利である。
・上記のQ8432をQ7432に変えると、メイドハンドの勝率は少しだけ改善するが、55/45で依然としてメイドハンドの方が不利である。
・J9432vs(A)8432は、52/48でドローハンド有利である。
・上記J9432をJ7432に変えると、55/45でJハイの方が有利になる。
・9ハイ以上のドローハンドの多くは、パット10ハイに対して不利であり、およそ勝率は1:2(約33%)である。

上記の例は、プリドローでのメイドハンドvsドローハンドのオールイン対決(マッチアップ)を知る上で重要な手掛かりとなる。厳密なエクイティは個々のハンドがどのキッカーを持つかによって若干変わりうるが、上記のシナリオを元にすれば我々は大凡の概略を掴むことができる。


■弱いドロー

2-7シングルドローにおける重要な考え方の一つに、inferior draw(弱いドロー)というものがある。これは基本的には、(アウツが時として非常に弱いローボールハンドを完成させてしまうせいで)見た目ほど良くはないハンドをドローする場合のことである。例えば、あなたが7543を持っている場合、7542を持っている場合と比較したら、到底その足元にも及ばないであろう。7543では、2を引けばナッツだが、6を引いたらプレイを続行できないハンド(ストレート)になってしまうからだ。

一方、あなたが7542を持っている場合、3か6のいずれかを引けば非常に強いハンドになるため、あなたのドローにはより一層の価値がある。上記の例を元に考えると、2345や6以下のカード4枚(2346、2456,etc)はいずれも当初思っていた程には強くはないドローハンドだということも理解できる。同様に考えると、同一スート4枚からなるフラッシュになりかねないドローハンドも、ドローの価値に深刻なダメージを与えてしまう。

オマハで例えると、同一スート3枚or4枚のハンドを過大評価してしまうようなものだ。同一スートが3枚or4枚あると、それらのハンドは多くのボードに対して巨力なブロッカーとして作用してしまい、もしそうでなければ(同一スートが2枚だけなら)あなたは(フラッシュを完成して)大きなバリューを得ることができたはずだからだ。

■お勧めなプリドローでの基本プレイ

7人テーブルの場合、各ポジションをUTG・MP・HJ・CO・BU・SB・BBと呼ぶことにしよう。プリフロップで自らゲームに参加する場合、常に3倍レイズすることを個人的にはお勧めする。UTGとMPからの場合、真っ当な初心者であれば、オープンレイズのレンジはTハイ以上のパットハンドと8ハイ以上のドローハンドである。HJとCOからの場合は、Jハイ以上のパットハンドと9ハイ以上のドローハンドにまでレンジを広げて良いだろう。BUとSBからの場合は、Qハイ以上のパットハンドと10ハイ以上のドローハンドとなる。

プリフロップでレイズされたら、非常に強いドローハンドと非常に強いメイドハンドを持っていればほとんどの場合3BETすべきである。そして、たまに非常に強いメイドハンドでジャストコールし、平凡で弱いメイドハンドでコールした時のレンジを守るようにする。そうすることによって、今度は9ハイ以上や10ハイの下限あたりの弱いドローハンドでもジャストコールできるようになってくる。しかしながら、標準的なオープンレンジからのレイズに対してJハイやQハイ(メイドハンド)でコールするのはちょっとやりすぎだろうし、同様にT8ハイ以下のドローハンドでコールするのも、多くの場合非常に難しいスポットになってしまうであろう。

■次回以降について

このようにプリドローをプレイすれば、このゲームをきっと有利に進めることができるはずだ。次回以降では、このゲームにおいてレンジがどうブレイクダウンするか(プリドローレンジの内訳はどのようになっているのか)について見ていく予定である。そうすることで、ドロー後にプリドローのレンジがどのようにブレイクダウンするかを始め、ドロー後にブラフパットハンドをどう扱うべきかなどのもう一歩踏み込んだ項目についてより深く理解するために必要な知識を得ることができるはずだ。

(第1回 完)

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