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悔しくて泣く

あけましておめでとうございます。
と言いながら、さっき別の記事を挙げた。
挨拶が遅れてしまった。
誰が読んでいるのか、読んでいる人なんてほとんどいないだろうけれど。

皆さん、大丈夫ですか?
年始から心苦しいニュースが続いている。
情報を追っていると、どうしても苦しくなってしまい、
ただ、祈ること、想いを馳せることしかできないでいる。
早く、安心して生活できる状況になればいいな、と思う。
かく言うわたしも、今帰省中であるが、北陸に戻った際に
自分の部屋がどうなっているのかは分からない。
近くに住む友達から、写真が送られてきたが、食器は割れ、物が落ち、足の踏み場もないような状況であった。
自分の部屋も、と思うと恐ろしい。
けれど、それ以上につらい想いをしている人が数え切れないほどいるだろう。
1日でも早く、状況が落ち着き、心に隙が生まれれば良いなと思う。

そんな中ではあるが、私は去年のクリスマスイブに行われたMー1に、
未だ心を囚われている。
さすがにもうネタバレの心配はないだろう。
おめでとうございます、令和ロマン。
公開されたPV、日食なつこさんの「ログマロープ」、
令和ロマンの為だけの曲であるようにさえ思える。

断崖絶壁 切り立った崖のその切っ先に立ってんだ

次から次へと頭角を現し、消費されていく芸能界、及び芸人さんたちが表現されているようでならない

矢印ばっかの世界を生意気に歩けばいい
鋼の心臓 生意気に歩こうぜ

トップバッターで優勝を果たした令和ロマン、
まさに「鋼の心臓」
分析好きで知られるくるまさんが、あるラジオにて今回のMー1で大切になるのは「主人公感」ではないか、と分析していた。
まさに「主人公」
堂々として、観客を捉えた「一緒に考えたい」と始まった漫才
生意気に写る姿はまさに、この曲のサビと重なる。

令和ロマンだけでなく、

一歩進んで二歩戻って三回転んでもう満身創痍 不可能が牙をむく

の歌詞と共に映し出されるオズワルドは、
何度も敗者復活に挑戦している姿と重なり、胸が苦しくなるし

無事でなどいたくない

の歌詞と共に映し出される芸人さん達の姿は、
たった「4分」に人を笑わせることだけを賭けた、
力強さや、想い、かっこよさ、まさに人生が見える気がする。

あと、曲とは関係ないがヤーレンズの名前が呼ばれた瞬間ガッツポーズする後ろの令和ロマンがなんとも言えないくらい良い。

というわけで、それだけでもかなり涙を誘うのだが、
私の場合は、もはや悔しくて泣いている。

というのも、とにかく万物に対して悔しいと思う私であるが、
令和ロマンの優勝が悔しすぎる。

令和ロマンのネタはすごく面白かったし、昨年の敗者復活戦で惜しまれていたからこそ、優勝しそうだな、とも思っていた。
他に「この組!」と推している芸人さんがいるわけでもない。

自分でも初め、この感情のわけが分からなかった。

順番に言語化してみるが、嫌な気持ちにさせたら申し訳ない。
完全にわたしの勝手な感情であるということだけ抑えておく。

おそらく、「お金持ちである」ことが悔しい。
芸人さんといえば、苦労して、お金がなくて、そういったイメージがどうしてもある。
この大会で一発逆転を狙うような、人生を賭けているような感じ。
それがもともとお金持ちのコンビ、非常に面白くない。
(もちろん令和ロマンの二人が売れるために、この大会に賭けている想いは私には想像もつかないものであるし、「苦労」などは勝手な視聴者としてエンタメ精度を高めるためのわがままでしかないのは承知の上で)

さらに、分析力。わたしも分析することが好きであるが、「教養(知識)の幅広さ」「対象が好きであること」「言語化能力」、それら全てが彼らより劣っていて悔しい。本当に悔しい。

そして、主人公を演じられる余裕。その裏にもちろん努力があるのだろうが、納得がいかない。なんだあの余裕感。心からではなくても、醸し出せることがもう羨ましい。

というわけで、自分にないものを持っている令和ロマンが羨ましくて、悔しいのである。コンプレックスを刺激されすぎてつらい。
しかし、羨ましいは憧れと表裏一体であり、番組やYouTubeを見ては好きになり、嫌いにもなる。

これは私だけだろうか。
私がもし芸人ならあまりにもコンプレックスを刺激されて死んでしまう気がする。

長々ときたが、今年のMー1は私にとって、いつも以上に濃く、残っている。
来年も楽しみだ。


エンタメは心を救う
だけど、生活ができる上で、隙が生まれてこそ楽しめる物でもあると思う。
今は、楽しめない、そんな人もいるだろう。
もし、隙が生まれた時、ちょっと腰を上げてみようか、そんな時に、このM-1のPVを観てほしいと思う。
決して回し者ではない。

どうか、早く、生活が戻りますように。

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