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おっさんずラブリターンズが終わった

ファン待望の?おっさんずラブ続編、リターンズが先日最終回を迎えた。

感想が非常にむずかしい。

うーん。せっかく全員戻ってきたのに、ほんのちょっとの違いで全然違うものになっただろうに。
惜しいなと感じるところがたくさんあった。
俳優さんは素晴らしかった。春田さんも牧くんもお互い大好きを思いっきり表現してくれて、幸せなふたりを見せてもらえて幸せだった。現場が愛を持って作ってるのも伝わってきた。
圭さん鋼太郎さん遣都くん、この3人がそろうと、懐かしいな楽しかったなという思いもよみがえる。

でもねー、薄々気づいてたけど、良くも悪くもおっさんずラブクオリティだったなー。

リターンズが決まる前「続編はもういいや」って言ってたつぶやきもあながち間違えてもいなかった気もする。

https://note.com/miya120690/n/n2a787ae9cc4a

内容的に細かい配慮がどうこうはあるけども、それよりもやっぱり一番は圭さんに2役やらせて、がっつりキスシーン流しまくったっていうの大きいと思う。しかも序盤でそれやって最後までひっぱった。

シリーズ化と同じ理屈というか。それを同じ作品の中でやるって。

この設定で行こうと決めた時点で役者さんたちがどう頑張ろうが、現場の士気がどれだけ上がろうが、内容の良し悪し以前にファンの分裂は想像できるだろう。
2018の奇跡は俳優、視聴者、何もかものバランスがガッチリとハマったことで起こった。この時点でもう奇跡は起こらないの決定してしまった。

自分が大好きなラブストーリーのドラマで想像してほしい。
紆余曲折あって、感動の渦に包まれながらようやく結ばれてのその後、次は新婚生活を描くという続編ドラマで新居のお隣さんの元彼がその彼にそっくりで…と2役やりだしたらどうよ。
似てたから間違えただとか、過去の回想だとか、
そっちのキスシーン何度も流して、SNSではメイキング流してその俳優さん個人のSNSでもそのシーンにたくさん触れて。
俳優ファンが「別人!すごい!」と言ったところで中の人は同一人物。髪型と口調が違うだけで同じ顔してる。
ましてやそっちの役作りなんて時間かけてやってないだろう。
私は遣都くんファンだから、遣都くんが若ベキみたいなキャラで別人だからとお隣さんと元彼設定でキスとかしだしたらとりあえずはきゃーきゃー言ってたかもしれない。(もちろんおラブの中でそんなことやってほしくないけど、推しの頑張りを悪く言われないように、無理やり楽しんでる風を装って、というのもあるかもしれない)
でもそれによって作品の評価は上がらない。ただそのキャラがかっこいい。それだけだ。

結果、早い段階でまずざっくりとその組み合わせを楽しんでる人と、楽しんでない人に分かれた。
同じ作品を愛してるはずの人たちの、流れてくる感想の方向性が真逆だ。
感想を読む気にならない。自分の感想も逆の人の目にふれないようにタグをつけない。検索にもひっかからないように伏字にする。
争いたくないので、好きじゃない部分には触れない。なかったことにしながら静かに進んでいく。
結果盛り上がらない。

その組み合わせを楽しんでる人もたくさんいただろうから、それは別作品でやってくれてたらよかったのに。
なんでファンの分裂を予想できないかなという不満と、そっかこの人たちこうだったわという諦めの気持ち。

その分裂を抱えながら、根本的なストーリーでも頻繁に不満の声が上がっていた。
個人的にはそこまで細かく自分の理想を押し付けなくてもという類の不満もあったけど、でも理解できるものもあった。

製作陣がこの作品が愛された理由を本当の意味で理解した上で作っていたなら、大筋はこの流れであっても、もっと受け入れられるものになっていただろうに。
牧に対しての揺るぎない愛情を表現しながら部長への過剰な執着。
圭さんバランス取るのが大変だっただろうなと想像してしまう。

社会現象にまでなった理由を冷静に分析することもなく、ただ前作がウケたからと、次も自分が面白いと感じる感覚をみんなにも面白いと思ってもらいたいという純粋な好意。(純粋なのがタチ悪い)
今回はその気持ちに欲を含んだ、みんなこういうの見たかったんだろ要素を盛り込んだ結果の作品な気もする。

作品を愛するみんなが一体となって同じ方向いて応援してた2018と違って、それぞれがそれぞれの好きなシーンのみを楽しむ。
私はここを楽しんでるんだから邪魔するなと文句を言いあう。

色んな角度のこういうの見たかったんだろを盛り込んでるから、それぞれに楽しめるシーンはあったはず。
大好きな俳優さんの出てる作品に対して文句を言いたくない。
だからその好きなところだけを享受しながら楽しむ。
そんな作品だった。
場外乱闘を眺めてると心が疲れた。

シリーズ化の時に思った
「公式を勝手に美化しすぎた」
今回もこれにつきると思う。

ほんとはわかってるけど、一度奇跡を目にしてるものだから、おっさんずラブになると見たいもの見せてくれるんではないかという勝手な期待を持ってしまう。

自分の見たいものが見れなかったからって文句言うなという人がいる。
面白くないというなら見るなと言う人がいる。

でも、見たいものと見たくないもの混ぜるんだもの。
セット販売しかしてないんだもの。
セットで頼むしかないじゃないか。

前回にはなかった、見たかったふたりの仲良しシーン盛り込んで、メイキングやスピンオフまでたっぷり見せてくれて、サービスは前作より明らかによかった。
始まる前から25万ほどのフォロワーを従えて、前回以上に盛り上がる可能性は十分にあった。
にもかかわらず前回のような盛り上がりにならなかったのは事実だろう。
一部の過激派が文句言ってるって話ではないと思う。

それでもやっぱりリターンズをつくってくれて、諦めや喜び、色んな形ではあるものの、多くの人を成仏させてくれてありがとうとは伝えておきたい。

そして圭さん、いっぱい背負って、ここまでたどりついてくれてありがとう。遣都くん、こちらの想像以上に牧くんを魅力的な人物に成長させててくれてありがとう。
ふたりだからこそ生み出された空気は最高でした。

終わりよければ…で潔くきれいに終わってくれたおかげで心の整理もついたし、色んな意味で、ほんとに色んな意味で最終的に私的にはプラマイプラスでした。

シーズン2、unknownを経てきた製作陣、俳優陣、視聴者と、そこを通ってない俳優陣、視聴者で、心の中に積み上げてきたものが、リターンズのスタート地点が、違ったのかもしれない。

そして仕上げにシナリオ本を読みながら、倍速で見返している。
これまでの歴史を心に刻んでいってると言うより、自分自身を納得させるための確認作業のような、事務作業のような、そんな気分。
圭さんと遣都くんだったから、春田と牧を魅力的な人物にしてくれたのは伝わった。

後は前を向いて進んでいきたい。

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