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【忘れられない言葉】言葉が人生をつくっていく~日本講演新聞

日本講演新聞は「感動の共感を世界中に」「読者の人生をより豊かなものに」をモットーに、全国の講演会を取材し「感動した!ためになった!元気になった!」そんな心を揺るがす話だけを記事にし、毎週月曜日(月4回)、全国に発行しています。
noteでは特に人気が高く、にもなっている社説をご紹介します。
忘れらない言葉はありますか?今日はとあるハンバーガーショップでの話。アルバイトの子はお客の言葉に傷つき励まされました。できれば人を元気にする言葉を掛けてあげたいですね。

ー言葉が人生をつくっていくー

 1冊2万円という手帳がある。見た目はデカイ。バックに入れると重い。値段も高い。こんなの買う人がいるんだろうか、と誰もがそう思うが、これがなんと馬鹿みたいに売れている。というか、馬鹿みたいな人たちが買っている。

 買った人はたいがい家族や友人から「あんた、馬鹿じゃないの?」と言われるそうだが、その瞬間、何とも言えない喜びを感じるのがその手帳を買った人たちだ。

 「一発で元気とやる気と勇気があふれ出し、人生が劇的に変わる下川式成功手帳」というふれこみのこの手帳を偶然ネットで見つけたとき、「おもしろい」と思って、つい注文してしまったのは4年前だ。その後、この手帳の発案者である「しもやん」こと、下川浩二さんと仲良しになった。手帳の使い方を教えてくれるセミナーにも参加し、そのときの講演内容を本紙で連載したこともあった。

 そのしもやんから「対談CDを作ろう」と持ちかけられ、先月、上京したときに彼の事務所で収録してきた。

 これまで約200人の人と対談してきたそうだ。対談したものはCDに焼いて、メルマガで宣伝する。希望者には無料で送っている。一回につき1000人以上の人から申し込みが殺到するというから、ダビングする手間暇、送料代などを考えと、とんでもない時間と経費を要する。誰も真似できないスゴ技だ。

 彼自身が「あんた、アホじゃないの?」と言われてVサインをする男だった。

 しもやんからもらったCDの中に、『涙の数だけ大きくなれる!』の著者・木下晴弘さんとの対談CDがあった。その中に木下さんが、とあるハンバーガーショップに入ったときの話があった。

 その日は結構混んでいて、三つのレジに列が出来ていた。木下さんは前から3番目に並んでいた。バイトの女の子が「店内でお召し上がりですか? お持ち帰りですか?」とお客さんに聞いている。どこのハンバーガーショップでも見られる光景である。 

 何を食べようかと考えていた木下さん、ふと前のほうが騒がしいことに気がついた。一番前の男性の声が怒鳴り声になったからだ。どうも注文した商品の一つを入れ忘れたようだ。

 男性は「何しとんねん。トロイんじゃ、お前。もうエエわ」と怒りをあらわにし、商品が入った紙袋を奪い取るようにして店を出ていった。その後ろ姿に向かって、バイトの子は「申し訳ありませんでした。すみませんでした」と何度も頭を下げていた。一瞬にして店内の空気が刺々しくなった

 2番目に並んでいたのは70歳くらいのおじいちゃんだった。バイトの子は、今にも泣きそうな顔だったが、無理やり作った笑顔で、「いらっしゃいませ。こちらでお召し上がりですか?」と、何事もなかったかのように接客した。

 おじいちゃんは静かな声で言った。

 「お姉ちゃん、エラいなぁ。世の中にはさっきの人みたいに自分の思い通りにならんかったら怒鳴り散らす人がいる。あの人もなんか急いどったんやろう。あんなこと言われてあんたの心はもうズタズタのはずや。にもかかわらず次に並んどるわしに笑顔で接客してくれた。わしにはあんたくらいの孫がおる。あんたの笑顔を見て、その孫を思い出した。これから孫に連絡を取ろうと思う。いや、ありがとう。あ、コーヒーを一杯」

 その言葉を聞いた途端、堰を切ったようにバイトの子の目から涙が溢れ出した。ワンワン声を上げて泣き出した。しばらく涙が止まらなかった。横のレジに並んでいた中年の女性が声を掛けた。「あんた、本当にいいお仕事してるわよ

 刺々しかった店の雰囲気が、一瞬にして和らいだ

 言葉なんだなぁと思った。何の関係もない間柄でも、たった一言で、一生忘れられない人になる言葉には、言語としてだけではない、何かすごい力があるんだと思う。そんな言葉を発する人になりたいものである。
  (日本講演新聞 魂の編集長 水谷もりひと 2012/02/13号社説より)

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