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2023/08/28 barca vs villarreal

優位を作り、使う


ALINEACION

バルサは最終ラインはマルコス・アロンソが戻ってきたので、左からアロンソ、クリステンセン、クンデ、セルジ・ロベルト。その代わりデ・ヨングがピボーテの位置に戻りロメウとタッグを組み、その一列前には左からガビ、ギュンドアン、ヤマル。最前線にレヴァンドフスキという布陣に。
対してビジャレアルはボール保持時は4-3-3、非保持では4-5-1というシステムを採用しました。

バルサの狙い

バルサボール保持時、バルサは前節同様3-2-5の形を取り、レヴァンドフスキを含めた中盤5人でショートパスを繋ぎ相手を集めて、大外のアロンソかヤマルへ展開。特にヤマルは1vs1の質が高い選手なので、頻繁にボールを集めました。

前半12分、CKからこぼれを拾ったヤマルの素晴らしい左足のクロスからファーサイドで待っていたガビのヘッドで先制。
前半のこの時間帯からあのクロスが炸裂するということは、彼の好調具合が伺えます。

そして直後の15分。相手のクリアを拾ったデ・ヨングがターンで1人を剥がし、狭いスペースに顔を出したギュンドアンからすぐさま裏へ走ったレヴァンドフスキへ、そしてノールックのヒールパスで落とした先には起点となったデ・ヨングが走りこみ、キーパーと1vs1。
勿論デ・ヨングが最後にあのスペースに走りこんでいる事は素晴らしいのですが、何より、ギュンドアンの3人を集めたポジション取りと、トラップからのレヴァンドフスキへのパスの移行がスムーズなのが彼らしいワザでした。

ビジャレアルの用意した優位性

前半15分で2-0とスコア的には非常に良い試合展開を作れたバルサでしたが、内容的には第1節や第2節のように、永遠とバルサの攻撃のターンの流れを作れない状況でした。
GKからビジャレアルはロングキックで直接前線にパスする場面もありましたが、バルサの4-3-3のハイプレスを打開するために、左WGのバエナが中盤に降りてくることで中盤は4vs3と一時的に数的有利を作れます。
そのタイミングでしっかり中盤にボールを送り込むことが出来ていた事、降りてきたバエナに続いてセルロートが裏へ走りだし、しっかり高さを作り出す事をビジャレアルは準備してきていました。
また、ペドラサを高い位置に置き、ロベルトに走力勝負を仕掛ける場面も多くありました。この日のペドラサはスピードを落とさないトラップがほとんど完璧でバルサのハイラインに対して非常に有効でした。
ビジャレアル1得点目のCKの獲得にも繋がりました。

中盤の瞬間的数的有利を作り出すシーンは8:24にもあり、デ・ヨング、ロメウ、ガビ、ギュンドアンの中央に降りてきたバエナに誰も付いていけず、右サイドのモレノへ一発で通されシュートを打たれました。

また28:00のビジャレアルのシュートまでいったシーンでも、ラモンにギュンドアンとロメウの間をカプエに。その後ロメウとデ・ヨングの間を降りてきたバエナにと繋がれ、大外を回ったペドラサを使われペナルティエリアに侵入されました。

ただ数的有利を作られるだけでは、バルサもその分人数をかけたりマークの受け渡しをすれば良いのですが、ダイレクトパスで2,3本繋いでくる質、敵の選手の間に立つポジショニングを掛け合わされると、手出しが出来なくなります。

バルサの欠点を突いた

また、ビジャレアルが淡々と狙っていたのはバルサのハイラインによる裏のスペースでした。バルサの戦術特徴的に、奪われたら即時奪還があります。
すぐに奪い返し、もう一度完全に自分たちのボールにして再度攻撃を繰り出す。
ですがこれを繰り出すためには最終ラインも含めかなり高いライン設定が必要になります。となると最終ラインと自軍ゴールには大きなスペースが生まれます。もちろんバルサの最終ラインは理解していたと思いますが、防ぎきれず2失点目。2-2の同点となりました。

前半を2-2で折り返し、ハーフタイムでバルサはクリステンセンを下げ、エリック・ガルシアを投入。
守備の改善を図ったのか、怪我などのアクシデントなのかわかりませんが、特に戦術的な修正はなく50分にビジャレアルに逆転されました。
その起点になったのはまたもやバルサが捕まえきれないペドラサとバエナです。
GKからのフライパスでペドラサへ。完璧なトラップからの勢いに乗ったドリブル、バエナが大外を走り、そのバエナへ。コントロールカーブで綺麗に、簡単に決め切りました。

63分にバルサはロメウを下げ、フェラントーレスを投入し、攻撃力全開。
なんと68分にデ・ヨングを起点に狭いスペースでボールを貰ったフェラントーレスが、ペナルティエリアでガビとぐちゃぐちゃした結果、ボールがこぼれてきて3点目。
71分に、テアからデ・ヨング→ギュンドアン→ヤマルと中央の縦パスで一気に繋ぎ、ヤマルのシュート。ポストに弾かれましたが、ボールはレヴァンドフスキへ。4点目。

最後に

ビジャレアルは組織として上手く守れて、上手くバルサの弱点を突いて試合を運びましたが、なんやかんやで選手の個人の質で勝てず、『ああ…』という感じとなってしまいました。
一方バルサは、90分間ずっと同じようなやられ方をしており、これはシャビ監督がベンチにいないからなのか、もはや許容なのかわかりませんが、難しい試合ではあったと思います。
それでも最後は勝ち切るんですから。4点目、なんでレヴァンドフスキはあそこにいたのでしょう。センスなのかな。強い。

La Liga Jornada3
Villarreal CF vs FC Barcelona
  3    -   4
FOYTH       26  12 GAVI
SORLOTH  40     15 F.DE JONG
BAENA      50   68 FERRAN TORRES
           72 LEWANDOWSKI

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