PVマフィア アートワーク
はじめに
6月のある日、マフィアを名乗る男からDMが届きました。
「自分をベースにイラストを作成してほしい。」
まだ仕事の募集もしていなければ、ツイッターアカウントを開設してから日も浅い。ツイッターには女の子のイラストしか載せていない状態です。
……私で大丈夫かな!?とかなりドキドキでしたがこれも経験と思い描かせていただくことにしました。
まわるお寿司を旦那と奪い合いながら熱く熱く「マフィアっぽくてかっこいい中年男性像」について議論しました。男も惚れる男ってやっぱり誰から見てもかっこいいよね。
そんなこんなで多少の不安はありつつも制作を進めていました。完成後、ツイッターアカウント開設しましたとのご連絡が。
_____2週間後、、
フォロワー1万人をゆうに超えている!!!!
正直、腰が抜けました……笑
アツい想いと綿密な戦略のもと、あっという間に「PVマフィア」というキャラクターを築き上げたのです。
今回はそんなPVマフィアさんと私の出会いやウラのお話、イラストができるまでの流れにボツイラスト、新たなキャラクター、現在進行中のプロジェクトなど、イラスト中心にご紹介していきます!
□□□もくじ□□□
第一章.PVマフィアができるまで
1-1.マフィア像の確立
1-2.アイコン
1-3.仕上げ
第二章.ファミリー紹介
2-1.ボスの右腕 ボブ
2-2.PVマフィアの愛人
2-3.諜報員 しずく
第三章.コンテンツ制作の裏側
3-1.サイト内イラスト
3-2.スタンプ風イラスト
3-3.派生マフィア
第四章.メイキング
4-1.構成
4-2.仕上げ
第五章.インタビュー
5-1.インタビュー
第六章.おわりに
6-1.あいさつ
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第一章.PVマフィアができるまで
今ではデフォルメされミニキャラおじさんとしてお馴染みのマフィアさんですが、当初は普通頭身のデカくてゴツい男性として描かれる予定でした。
イケメンすぎず、渋すぎず、マフィアなのにダークじゃない。
取っ付きやすくて、部下から熱烈に支持されるマフィア像って一体どんなだろう。
マフィアという肩書きを持ちながらも人として愛されるようなキャラクターを自分は描ききれるのだろうか。
そんな不安にかられながらPVマフィアのキャラクターデザインはスタートしました。
✧1-1.マフィア像の確立✧
PVマフィアは最初「Webマーケティングについて部下に教育する」という設定のキャラクターでした。
・ギャングスタ
・沈黙のWebマーケティング
・アメコミ的なポップ感
そんなワードが打ち合わせで出てきたので、依頼者さんはすでにイメージが固まっているのだろうと思い、たたき台は依頼者さんのイメージを削り出す方向とあえて違う方向と2通り提出してみることに。
イメージとは違うアプローチで何か発見できないかと試みた方のラフ画です。
マフィアって結構ゴリゴリの武闘派なイメージがあるので、Webマーケティングを教えるというインテリ要素とのギャップを上手くイラストに落とし込めないかと四苦八苦した記憶があります。
こちらはイメージをそのまま描き出した感じですね。
個人的に「理想の父親像」を意識していました。教育者という立場でありながら、少し野性的な要素を含み、さらにはみんなから慕われる人柄。それらをどう表現するかという問に対しての自分なりの答えだったのかもしれません。
また、設定では教育の対象は「部下」となっていますが、このキャラクターを使ってメディアを運営する手前、「部下」というのは見に来てくださる方々を指すのかなと。それならばやはり父性は必要不可欠だろうと考えていたのを覚えています。
ラフ画2枚を提出したところ、ガハハなおじさん(2枚目)の方向で進むことになりました。
今ではククク……。ですけどね。
ガハハなおじさんは低身長で描きましたが、方向性はそのままにデカさをプラスすることになりました。
このときビジネスマンっぽさとマフィアっぽさをそれぞれ洗い出しながら、イメージをさらに探ろうとしていました。
ちょうど「アイコンはミニキャラで」との指示が加わり、ゴツいミニキャラをどう描くか悩んだ形跡がありますね。目を開いてるマフィアさんはなかなかレアですが、このときはまだ目を開いているのがデフォルトとして描かれています。
デザインはこれで決定に。
私の描き忘れにより今はもうないですが、顔の真ん中に傷を描く予定でした。
✧1-2.アイコン✧
おおむねイメージが固まったところでアイコン制作スタートです。
"ゴツいのに可愛さもあって取っ掛かりやすいミニキャラのおじさん"というのを目指していたんですが、趣味で描くのは女の子ばかりだったので、だいぶ頭を抱えながらラフ画に取り組んでいました。
今のアイコンの原型ですね。
こんなお茶目なポーズのマフィアさんですが、拳銃と迷ってギリギリこちらになりました。
お花がとんでいますね。
ご機嫌そうです。
ちょっと悪い顔しながら何かを教えているような顔のマフィアさん。
この前髪が地味に難しくて毎度苦労しています。
✧1-3.仕上げ✧
手をなくしたり、ジャケットを着せたり、口の形を変えたりと色々試行錯誤しながら、アイコンは完成となります。
どうにか荒々しさを表現出来ないかと、CLIP STUDIOのフラットマーカーという少し変わった描き味のペンで線画をおこしています。
完成です。
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