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【SDG's】嘉美心酒造株式会社(岡山県・環境巡回型社会)

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【SDG's】嘉美心酒造株式会社(岡山県・環境巡回型社会)

岡山・寄島町に嘉美心という酒蔵があります。
甘口でもなく、辛口でもなく米旨口の日本酒を醸す蔵元さんです。

先代の社長さんには可愛がっていただきました。
現社長さんからは飲み会の度に諭されます。
今回、久しぶりにお目にかかって
「20代の頃の私は怖いもの知らずで、思い上がって、相手が誰であろうと道理にかなっていなければ、ガンガン意見して。
思い出すのもお恥ずかしい…」
と言ったら
「過去の自分も、今の自分も否定してはいけません。」
藤井社長さん、お変わりない。

『嘉美心』名前の由来

瀬戸内海の海辺の小さな町、岡山県寄島町にある嘉美心酒造は
1913年、初代藤井長十郎によって創業されました。
二代目松三郎は、酒造りに並波々ならぬ情熱を傾け、彼の
「身も心も清らかにして御酒を醸したい」
との願いから、銘酒『嘉美心』は「神心」(かみこころ)と
同じ音を持つ言葉を選んだものと伝えられています。
~嘉美心パンフレットより~

嘉美心の経営哲学
現在の酒造業界では当たり前の冷房設備が整った環境での酒造り、日本酒の低温貯蔵を1970年から行っています。
藤井社長さんが小学校に入学する前のことです。
さらに1982年には日本酒の凍結システムを導入し、地元のみならず遠方へも日本酒を劣化させることなく配送できる状況を整えました。
藤井社長さんが高校生の頃のことです。
業界の常識にとらわれず、日本酒の品質を向上させられることならば、時代に先んじて新たな技術も取り入れる、そんな蔵元さんです。
そうかと思えば、洗米は手作業にこだわり、蒸米は連続式蒸米機の使用をやめて甑に変更。
酵母も2002年に岡山県工業技術センターさんと共同で研究、清水白桃から酵母を分離して商品化された白桃酵母を使用しています。
原料処理に手間ひまかければ、日本酒の品質が向上する、と内倉杜氏さんはじめ蔵人さんたちの苦労の結果を受け入れる。
淡麗辛口ブーム、吟醸酒ブーム、世の流れに振り回されることなく、とことん米旨口の酒造りにこだわっています。
そして、今
「今ね、環境循環型SDG'sに重点を置いてるの」
とおっしゃる。
年の1/3は国内外で自ら足を運び、Sustainable Development Goalsがいかに重要か、次世代に向けて酒蔵としての在り方を考えています。

よいお酒はよいお米から
安定した品質の日本酒を醸すために、酒米の契約栽培にも取り組まれています。
その延長線上にあるのが、里海米(さとうみまい)です。

よいお米はよい土壌から
これ、お話しちゃっていいのかな?と思いつつ…
藤井社長さんの経歴に書かれていない職歴がひとつ。
農大を卒業されて家業を継ぐための修行の前に、実は植木屋さんにいらしたことがあると、ずーっと前に伺いました。
だからきっと、植物にとって土壌が大事ということを実感されていらっしゃるのだと思います。
この変わった経歴を話すと、話題がそこに向いてしまって本当に伝えたいことが伝わらなくなることがあったのかもしれません。
でも、里海米の土壌に関連することだから。
いいかな?いいですよね。

里海米については、嘉美心さんが作成されたリーフレットをご覧ください。

試飲してみて
私が知っている嘉美心の大島杜氏さん(前々杜氏)が醸していたお酒と、初めての内倉杜氏さん(現杜氏)が醸すお酒。
酒質が変わった、と思いました。
もちろんそれぞれの良さがあります。
純粋に内倉杜氏さんが醸すお酒、美味しいです。
写真の右下に小さく写っている『桃に恋する22:00』
我が家のベランダで蟠桃を育てるくらい桃好きの私には嬉しい桃リキュール。
清水白桃を中心に岡山産の白桃を使った手作り仕込みの香り高い上品な味です。

中央下が里海米に使用される牡蛎がらと、その粉末
右下が桃リキュール

嘉美心酒造株式会社
岡山県浅口市寄島町7500-2