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これから長い戦いに挑む新社会人に贈る言葉

初陣の新社会人に贈る言葉です。

野生の王国と心得よ

まず、ビジネス社会というものは野生の王国と心得てください。職場にも、取引先にも、お客様にもいろいろな人がいます。
キツネのような嘘つき先輩、ヘビのようにジワジワ締め上げてくる取引先、心配してくれる優しい犬のような顧客、噂をまき散らす九官鳥のような年下の同僚、命がけで子熊を守る母熊のように強くて慈愛ある上司、上の言いなりになるクラゲのような骨抜き上司、こうやって挙げていくときりがないくらい、いろいろな人がいます。ちょっと恐い世界です。
でも、キツネとヘビと九官鳥と母熊とクラゲがいる会社だと自分に言い聞かせて、まず最初の1年は働いてみてください。気持ちが楽になります。

基礎的な力を身につけることが大事

最初に変なクセをつけてしまうと、後々困ることになります。「三つ子の魂百までも」の諺は「仕事人」にも当てはまります。
最初が肝心です。

基礎的な力とは、仕事を最後までこなせる力、人を見抜く目や良い人脈を作る力、適切な判断力と行動力です。このような基礎力を養い身につけるには次のように、ごく普通のことを確実に実践して習慣化することです。こうすることで、安定感や信頼を得て、結果的に良い仕事へと繋がるはずです。

1.ルールと約束を守る。
遅刻をしない、会社の規則を守る、一般常識を守る。

会社の規則に明示されていなくても、仕事関連の情報をSNS等で漏らすのは絶対にしていけません。会社内の情報だけでなく、顧客名、取引先名なども漏らしてはだめです。まして、顧客や取引先の情報を漏らしたら、まず一発アウトです。
ゆるい気持ちが取り返しのつかない結果を招きます。

挨拶をする、敬語や丁寧語を使うなども社会人として大切なことです。

約束は守りましょう。仕事でも、飲み会でも。
軽い気持ちで守れない約束をするのは社会人として御法度です。
約束を守らない人は信用されません。

2.悪口を絶対に言わない、秘密の話は漏らさない。
いったん口から出た悪口は必ず相手の耳に届きます。そういうものです。
誰と誰がどういう関係でつながっているか分からないのです。
悪口は自分の身を滅ぼします。

秘密の話も漏らしてはいけません。
日本を代表するような某メーカーでは、例えば部下(側近)を試すためにワザと秘密を教えて、それが漏れるかどうか観測するということが行われているという噂(あくまでも)を聞いたことがあります。
そんなことは例外だとは思いますが、秘密の漏洩も必ず広がってバレます。

「口は禍の元」覚えておきましょう。

3.上司や先輩や同僚を馬鹿にしない。
馬鹿にしていることは必ず相手に気付かれます。それは百害あって一利もありません。特に自己評価の高い幼児性傾向のある人は周囲の人を馬鹿にしがちです。注意しましょう。

4.分からないことは素直に教えてもらう。
1年目は何でも聞ける期間です。分からないことがあったら臆せず質問しましょう。聞くことは先輩や上司がどんな人か見えてくる、先輩や上司とコミュニケーションがとれるなど、良い副作用もあります。

5.失敗を隠さない。
失敗を隠したり他の人のせいにするのは、後々、大きなダメージになって自分に跳ね返ってきます。失敗は早めに正直に報告して、対処を仰ぐことが大切です。

逆に、他人の失敗をなすりつけられる場合もありますが、そうしたときは勇気を出して「自分の失敗ではない」ことを言いましょう。それは自分のためだけでなく、職場やプロジェクトにおいて、「同じ失敗」を繰り返して損失を大きくすることを防ぐためです。失敗をきちんと検証して対策をすることが生産性や効率を上げることにつながるからです。

6.与えられた仕事は完璧を目指す。
新人に与えられるのは自尊心を砕かれるような簡単な仕事だったりします。
でも、たとえ会議資料コピーのように簡単な仕事でも完璧にやりこなしましょう。
「こんな仕事、フン」とバカにしていい加減にやったとします。1ページ欠落していたりすれば、仕事を与えた上司の「あいつはこんな簡単な事もできないのか」という低く悪い第一印象がそのまま定着します。その後、よい仕事を与えてもらえません。

完璧のコツは、「よし、終わった!」と思って終わるのではなく、最後にもう一度チェックすることです。たいてい何かミスが見つかります。

7.日記を書く
心の健康を保ち、頭の中を整理する方法です。

できればスマホやPCではなくアナログ的に、筆記用具をつかってノートに手書きしましょう。褒められたこと、叱られたこと、悔しかったこと、情けなかったこと、怒りに震えたこと、涙が出たこと。そういうことを、手を動かして時間をかけて書くことで気持ちの整理がつき、思考も整理整頓できます。

また、1年後、5年後、20年後に読み返す楽しみもあります。
日記は人生の財産です。

8.栄養とカロリーを考えて食事をとる。
良い仕事をするには栄養とカロリーが絶対に必要です。「痩せたい」とか言って食事制限をするなどもってのほかです。
ヒョロヒョロで真に仕事のできるビジネスマンはいません。

9.毎日少しでも運動をする。
運動は仕事のストレス発散、体力をつける、健康的な思考をする、集中力と気力を維持することに役立ちます。
運動する習慣をつけましょう。
健康でなければ良い仕事はできません。

おまけ:酒を飲み過ぎない。
二日酔いは時間の無駄使いです。

10.「学び」を習慣化して継続する。
忙しくても自分のための「学び」の時間は定期的に確保しましょう。
毎日1時間とか、土曜日は「学び」の日に決めるとか。
自分のための「学び」を継続することは、何年何十年と時が経つにつれて大きな力となって表れてきます。

世界的な大企業の役員だった方も、朝早く起きて「学び」の時間を作っておられました。四捨五入すると90歳になる筆者のお師匠様は、今なお先端テクノロジーの会社をアメリカで経営し、先端技術をフォローされています。
「学び」の蓄積は底力となります。

出陣式はもう終わりました。さあ、気を引き締めて参りましょう。