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僕とまり子の思いつき旅、最終日

3日前に出発した思いつき旅。

行く先を決めずに車を走らせ、高速道路に乗る手前の信号で決めた。
目標は500キロ先の別府市。大阪から一気に九州へ走り続けた。

初日に目的を無事に達成して温泉に入ることができた。

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今日は旅の最終日。あとはのんびりと帰るだけ。
帰り道はどう帰ろう。
遠回りでもいい。家につく時間が真夜中になってもいい。行きたい所はふらっと立ち寄ってみよう。

思いつくまま感性に従って帰ろう。
(欲望に従って明日も有給にして休んでしまいたい)


最終日は寝起きから

前夜はキャンプ場に来たものの雷の伴う大雨。
車内で待機していたらいつの間にか寝てしまって、起きた頃には朝になっていた。

まり子は助手席で寝てる。車のドアを開けたら起こしてしまった。

窓を閉めていたのでかなり結露していた。車のドアを全開にして乾かす。

外は雨がやんでからかなり経ったみたいだ。

外は青空だった。
昨日の雨雲を残らず連れ去ってしまったようだ。
360度の満点の青空だった。

海に帰る

空を見ていたら昨日の海へ行きたくなった。海に帰ろう。
こんなに晴れている朝は海。僕達の進路は海へ決まった。水と光のある風景は楽しいに決まっている。

空は青空。夏な気分でシャボン玉が吹きたくなった。
まり子はシャボン玉が好きで旅中はよく持ち歩いている。

シャボン玉を風に乗せる。
カメラのレンズにぶつかりそうになって焦る。

まり子は海ガラスを拾ったみたいだ。

僕とまり子は浜松の海沿いにも住んでいて、よく一緒に近所の砂浜を散歩した。よくガラスを拾って集めた。

海に行くと決まって浜松で散歩した記憶を思い出す。

遠景なのにレンズの絞りは開放で撮る。だってF1.4のレンズを付けたらF1.4で撮りたくなる。僕は頑なに絞らない。

開放は周辺減光がある。そうなると日の丸構図が映えるから楽しくなってくる。

僕はどんな時も日の丸構図が好きだ。
三分割も意識はするけど飽きて、日の丸構図に戻る。日の丸構図はDNAに刷り込まれた人類が安心する定番構図だ。

飛んでもらったりした。水面に映るまり子を撮るのが楽しいから。


飛びすぎてまり子のテンションがおかしくなってきた。くるくる回る。竹とんぼかってクルクル回ってる。
(このストイックな思いつき旅も原因な気がする…)

もう1時間はこの海で遊んでる。
風が出てきた。

まり子はシャボン玉を吹き出した。

風に流されるシャボン玉。

それを追いかけるまり子

追いかけだした時からわかっていた、まり子はシャボン玉には追いつけない。
シャボン玉は重力に逆らって風に舞い上げられてゆく。

昨日の四国カルストを思い出す気持ちいい風が吹いていた。

朝っぱらから遊び疲れてきた。
そろそろ腹が減った。うどんが食べたい。うどんを探そう。

僕たちは足洗い場を探した。

うどんを食べる

うどんを探す。朝早くから営業しているうどんを探した。
この「かなくま餅」といううどん屋は朝8時から営業していた。

店名通り、うどんにお餅が入っているらしい。

早速注文してみた。いかにも金運が上がりそうな うどんが出てきた。

いただきます(僕を かねもち にしてください…)

お餅の種類は
・あんこの有無
・餅か揚げ餅
が選べる。

僕はあん入り揚げ餅。
これが美味い。あんと出汁の甘味と塩味が癖になる。
小倉トーストやはちみつチーズピザとかと同じ感動を味わった。

麺の材料の麦も香川県産100%らしい。

麦といえばビール。次回はクラフトビールも探してみたい。

お腹は満たされた。
美味しいうどんが食べることができた。

明日は仕事。とにかく家の方角へ走らなくては。
せっかく四国に来たんだからお遍路のお寺も少し回ってみたい。

その途中に大きな公園を見つけた。
やたらと滑り台の多い。これは滑りたい。
だって公園に人っ子一人も居ない。子供が来るまで独り占めしたくなった。
小学生の頃、お尻が摩擦熱で火傷しそうになる程滑り台が好きだった。

滑り台へ辿り着くにはミッションインポッシブル並みのセキュリティだった。まり子にはこんなのチョチョイのチョイ。

僕が先に滑り台を降りた。この滑り台はローラー式。ローラーに滴っていた前日の雨が僕のパンツに染み込んだ。
いやー完全に油断してた。ローラー式の滑り台の特性を忘れてた。めっちゃお尻冷たい。楽しかったけど。お猿さん並に僕のお尻は強調された。

まり子はお尻にシートを敷いて滑った。

まり子と僕は笑うのが下手くそで、笑顔写真家のこんちゃんに撮ってもらった時かなり苦労させた。ごめん。今はめっちゃ笑ってる。

滑り台へ向かうには様々なアスレチックが待ち構えている。僕は高所恐怖症。かなりの難所だった。まり子にはチョチョイのチョイ。

こんな高いところで寝そべるなんてムリ。

僕はへっぴり腰で何度も転びそうになり、悲鳴を上げる。

ついに子供が遊びに来た。こんな大人がキャッキャ遊んでたら怖がられてしまう。そろそろ次へ進もう。

気がつけば1時間以上は遊んでた。楽しかった。

この後、道の駅へ行った。室内に入ろうとしたら猫がついてきた。
この猫はこの道の駅で愛されながら飼われてるのかなーって思っていたら施設の人が慌てて追い出そうとしだした。

理解するのには時間が必要だった。だって、この猫は住み慣れた我が家のような振る舞いで道の駅に入ろうとしていた。
職員の様子を見るとこの猫は野良猫だ。

まり子が慣れた手つきで猫を抱え上げる。
まり子笑顔。

猫、連行中。
猫「降ろせ。」
まり子「カワイイ。連れて帰りたい。」
僕「ペット禁止だからダメ。」

猫暴れ出し、まり子、深傷を刻まれる。道の駅で絆創膏とマキロンを処方してもらう。

しかし、この猫はかなり人懐っこい。甘え上手な猫にまり子の足を引き留める。

まり子と猫を残酷にも引き剥がし、次へ向かう。

この後は弥谷寺へ

帰り道、さっきの道の駅を通り過ぎたら、道の駅の職員にさっきの猫が連行されていた。さっきよりも遠い所へドナドナされていた。

おじさんが抱えて、お姉さんが横から見守り、猫を連行中。なんだか平和でいい光景だった。

そして次もお寺。出釈迦寺。
令和初の出社となりました。

まり子キーボードを叩くポーズ。

無事に家に帰れるようにお祈りをしました。

公園と猫とお寺でかなり時間が経っていた。
にしても濃厚な時間だった。また腹が減った。

うどんラッシュ

うどんを目指す。
うどんを食べる前に映画「UDON」の聖地へ立ち寄った。
ここは主人公のうどん屋「松井製麺所」の跡地。

家の基礎だけが残っていた。

映画UDONの監督は踊る大捜査線の本広克行。主演はユースケサンタマリア。
本広克行監督の実家は香川でうどん店「松井うどん」を営んでいたらしい。今では東京に移転しているとのこと東京に行ったら是非食べてみたい。

そして「松井うどん」の跡地は別のうどん店になっているとのこと。そこもいつか立ち寄ってみたい。今回の旅ではお預け。

このとんがり山は香川県のシンボルとも言って良いであろう。讃岐富士という。本当に綺麗な山。水面に映る山も良い。

聖地の後はうどんを食べる。

お昼ご飯は山越うどんへ向かった。

ここは定番中の定番。超名店のうどん店だ。
僕たちはトレーを持って、うどんを注文するラインを歩きながら、おばちゃんに注文を言う。すぐにうどんが出てくる。そして揚げや天ぷらなど食べたかったらセルフで盛り付ける。お会計の後は自分で出汁を入れて完成だ。

山芋と卵の入ったうどんを注文した。付け合わせに揚げ。甘くて美味しい。山芋と卵でつるりと喉に通った。

美味しかった。

時刻は13:30。大抵のうどん屋は14時閉店。
次を急がないと。まだ行きたいうどん屋がある。

うどんおかわり移動中。

次は製麺所だ。
うち製麺所だから。うどん店じゃないからっていう店構えが素晴らしい。一見さんお断りな雰囲気だが、店員さんは優しい。

看板は無いからこの自販機が目印。

ほぼ全てセルフ。はじめは戸惑うかも。
麺の水をきるまり子。うどん屋の店員気分で楽しい。

ツバメがたくさん居た。

ここは製麺所。メニューは麺の量のみ。

出汁と一緒に煮込まれた野菜が美味い。
「しっぽくうどん」という郷土料理らしいです。
旬の野菜がゴロゴロ入ったうどん。
今までは出汁や醤油でシンプルに食べるうどんを食べてきた。
これも格別に美味い。冬にも食べたくなる。優しくて素朴な具沢山うどん。

外にでたら「ホーホー↓ホッホー↑」という鳥の鳴き声。よく朝にどこからか聞こえる鳥の鳴き声。子供の頃はフクロウだと思ってた。大人になってからあれは鳩だよって聞いた。半信半疑だったけど確信に変わった。
めちゃくちゃ鳩だった。

中央左の屋根の上にいる鳥が鳩。キジバトというらしい。35mmで撮ったからわかりにくいけど…

「お前がフクロウっぽい鳴き声のキジバトかーッ!!!」ってまり子とアハ体験に似た喜びを分かち合った。

店の周りは麦畑だった。これがうどんになるのだ。

麦畑ってあんまり馴染みないから楽しい。麦って綺麗。

この後は温泉へ入ってのんびりしてた。
写真も撮らない。かなりのんびりした。
旅中の温泉って幸せの時間。

気がついたら夕日が傾いてきた。のんびりしすぎた。

ちょっと寄り道もする。よくわからない場所。
現役の施設らしいけど遺跡みたいで楽しかった。

今日は一日中青空だった。夕日が見たい。
こんな日は絶対に綺麗だろう。運が良ければ水平線に太陽が沈む瞬間を観れる。

家に帰る途中で丁度いい場所があったら海に寄ろうと思って高速道路に乗った。
日没まであと2時間ぐらい。淡路島で見る夕日もいいと思ってこのまま四国を出ることにした。

バイバイ四国。
最後はあっさりしてたけど、思いつき旅はこんなもん。
今目指してるのは夕日。夕日を追いかける。

日没が近づき、高速道路を降りる。砂浜へ向かう。

どこかのインターチェンジで降りた。瓦が有名なのか橋が瓦だらけだった。

砂浜に到着した。
雲も何も遮るものが無い夕焼けだった。こんな夕日は中々見れない。絶景だった。

実は昨日は雨が降ったのでコンビニで傘を買っていた。
結局一度も使うことがなかったけど、せっかく買った傘を使ってみた。

夕日が透き通るビニール傘は綺麗。
僕は何気にビニール傘が好きだ。景色が沢山見えるから。雨を散歩するならビニール傘が楽しい。

太陽が沈んだ。ちらほら見える人影も少なくなる。
夕日というのは沈んでからも美しいのだ。特にこんなに晴れた日はもっと焼けていく。

またまり子に飛んでもらった。傘が飛んでいきそうだった。

月が見える。三日月。地球照も見える。

海岸を散歩するのが楽しい。ここは波の音だけが聴こえる。座ると石が転がる音が聴こえる。

太陽が沈んでしばらく経った。30分ぐらいは経った。
そろそろ帰らないと家につく頃には4日目に突入してしまいそうだ。

家に帰ろう。

これで旅の最後の写真。
ピントがズレた。でもお気に入りの写真。

僕とまり子の思いつき旅は日が暮れるほど楽しんだ。

いきあたりばったり、思いつき旅。

楽しかった。次回の旅はどこへ行こうかな。


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