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朝ドラ『スカーレット』を見るのがキツくなってきた(ドラマは相変わらず素晴らしい)

3月に入って、そろそろエンジンをかけて連載準備と書き下ろし準備を本格的にスタートしないといけないのだが、コロナの影響で娘の幼稚園もストップしてしまい、毎日娘が家にいるのでなかなか気持ちが戦闘モードに切り替わらない。なので、とりあえずほっこりする細かい仕事から先に片付けながら一週間が始まった。

3〜4日は健康漫画の取材で大阪へ。
大阪は東京よりもガラン…としていて、タクシーの運転手さんが「大阪の経済はもう終わりですわ」と嘆いていた。担当のS木さんとも最後の取材なので、終始寂しい空気を吸う取材旅行だった。寂しさの中に何か希望を見つけるような漫画にしようとは思っている。画像1

ティラミス10巻のあとがきに手こずる。
打ち合わせで決めた通り、真面目な文体の中にジョークをちりばめた文章を書き始めたのだが、それが水と油みたいに混ざり合わなくて、書いても書いても上滑りしてるみたいな寒い文章にしかならない。
〆切はとっくに過ぎていたが、大阪の往復の新幹線の時間を使ってもまだ完成しない状況で参ってしまった。妻が「とことん真面目な文体で書いてみたらどう?」と言ってくれて、それに従ったら今までにない厚みのある文章が書けた。デザインの竹内さんが「文筆家みたいな文章で驚いた」とわざわざLINEをくれた。読者さんに届くといいな、文筆家臭が。

朝ドラ『スカーレット』を見るのがしんどくなってきた。
映画『火火』を観ているので今の白血病展開はわかってはいたが…病名告知のシーンは予想以上にきつかった。どうしても亡くなったウチの母親のことが頭に浮かぶ。俺が白血病と診断されて余命宣告された時、やっぱりあんな感じだったんだろうか。「なんでうちの子が」と、怒りの混じった涙を流して泣き崩れるような気持ちだったのかな。
俺も余命4ヶ月と聞かされても急なことすぎて他人事みたいだったし、母も「そんなもん大丈夫やろ〜」と、ハツラツとしてたからさほど気にもしてなかったが…。まぁ、そんなわけはないよな。
今となっては当時の状況を兄か父に語ってもらうしかないんだけど、それももう水分の抜けた思い出話にしかならないだろうから、あえて掘り返すこともない。本当のところはわからないままになってしまった。

医師役の稲垣吾郎さんの口から「染色体異常」というワードも出てきてドキッとした。自分も七番染色体が欠けているタイプの血液癌で、医師からここがネックだと言われていた。
うちの奥さんも白血病で母親を亡くしている。見送った人間とたまたま助かった人間で「スカーレット」を観て、二人で朝からぐったりしている。外はコロナの影響でいつも利用している喫茶店もやってないし…こういう気分の時にしかできない仕事に切り替えることにする。(生き残った以上、精一杯続けるしかないよな…。)


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