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②「おまえには沖縄人の心はわからない」と言われたらどうすればいいのか?

沖縄に移住してきた人は一度以上言われた経験があるかもしれません。

 特に、沖縄が好きで、沖縄をもっといい所にしたいという気持ちが強い人ほど。

 沖縄が大好きで、なんどもやって来て、沖縄の歴史も文化もある程度わかってきて、沖縄の友人も増えた。だから、「沖縄はもう少しこうなった方が良いんじゃないかなあ」とうい「本音」を少しだけ出したとたんに、「沖縄人の心がわからない」と言われる。そんな経験が。

 特に、お酒の席で基地とか平和とか政治的な問題関して「本音」を語ると、ガツンとやられることが多いようです。

 それが全く論理的ではなく、何故なのかも示されず、突然怒り出すというパターン。まさに、

「地雷を踏んでしまった」

と思ってしまいます。

 地雷を踏んでしまって萎縮してしまった人を私もたくさん見てきました。

 地雷を踏んでしまった後の言動は二つに分かれるような気がします。多くの人は、黙ってしまいます。少なくとも沖縄の人の前では、基地とか平和とかの話は絶対にしない。
 もう一つのパターンは、積極的に「平和運動」に関わるようにする。辺野古に行って座り込みするとか。

 では、「沖縄人の気持ちはわからない」と言われたら、どう答えればいいのでしょうか。

実は、答えは簡単です。

 「そうかもしれませんね」

 と言えばいいのです。身も蓋もない言い方ですが、それでいいのです。

 もし、あなたの言葉が客観的に見てあきらかに沖縄の人を見下しているのなら話は別です。その場合は話になりません。

しかし、単純に「意見の相違」レベルで「沖縄の心がわからない」などというのは、多くの場合、論理的に行き詰った時です。そして、かなりイデオロギー色の強い人です。だから、理解できないような文脈で相手が怒りだしたら、とにかく、その場を何とかごまかして去ることがベストだと私は思います。

なぜなら、そういう人はこれからも、何かあるたびに、「沖縄の心がわからない」という葵の紋章が入った印籠をだしてくるからです。

簡単に言えば、マウンティングする人なのです。

こういう人とは、沖縄人であろうが、薩摩人であろうが、付き合わない方がいい。

「普通」の沖縄人(うちなーんちゅ)は、意見の違いだけで怒ったりはしません。すなわち、そういうことで怒りだす人は、結局そういう人なのです。

だから、怒られた人が、萎縮する必要はありません。

むしろ私は、「沖縄人の心がわからない」と言われて納得したり萎縮してしまう人の方が、沖縄人を差別してしまうことになると思います。いや、差別は言いすぎですね。見くだしてしまっている。

ひとつは、ほんとうに対等な関係ならば、「どうしてそんなこと言いうのですか?」ということから「議論」になるからです。お互いに「分かり合いたい」というのは、お互いに「違うものだ」という前提が必用です。

「沖縄の心がわからない」という人は、「どうせわからないだろう」と結論をだしてしまっているので、会話が成り立ちません。萎縮してしまう人も、「本音を言ってはいけないんだ」と心をシャットアウトします。それは、お互いを「見下」さないとできないことです。

だから、納得しても萎縮してもいけないのです。

ただし、時々、気になることがあります。

沖縄が大好きで、沖縄に移住してきて、沖縄で活躍している人の中には、どうしても「沖縄のことを上から見ている」としか思えない人も少なくないのです。

横柄な態度をとっているわけではありません(そういう人も少なからずいますが)。腰が低くて言葉づかいも丁寧な人に実は多いような気がします。
逆に、言葉が丁寧すぎる。腰が低すぎる。

要するに、慇懃無礼なのです。

そういう人は、沖縄の人から話を聞くだけ聞いて、自分のことは話しません。話したとしても強烈なバリアかかっています。だから、一緒にお酒を飲んでも、なぜか面白くない。自分を出してくれないからです。

そして、これはマスコミ関係者や研究者など、いわゆるインテリに多いのですが、やたらと沖縄をほめちぎる人。

沖縄のいいところだけを見て、テレビや新聞や講演でほめちぎる。

私はそういう話を聞くと身体が痒くなってしまいます。アレルギー反応。

そういう人こそ、沖縄人を見下ろしているなあとしか感じないのです。

 沖縄に限らず、いいあれば悪い所もある。いい人もいれば悪い人もいる。

 それだけの話です。

たまたま「いいところ」が自分に合っているから沖縄が好き。
それだけのことです。

私は、勝手に「うちなーんちゅ認定」を行っています。

私が勝手に、この人は「うちなんちゅ」として認定する、などとやっているのです(笑)。出身地は関係ありません。沖縄に住んでいる年月も関係ありません。沖縄に移住してきてたった一日で、「うちなーんちゅ認定」をあげた人もいます(笑)。

基準は、簡単です。
「そういえば、出身は〇〇県でしたよね」と思わせる人。つまり、過剰に沖縄を意識せず、自然体で沖縄で生活し仕事している人です。

その時に重要なのが、

腹を割って話せるか?

ということです。
沖縄の魅力ってなんでしょうか?

一般的には、自然の豊かさや人々の温かさだといいますが、それは「原因」だと思います。
自然が豊かで、人々が温かいから、「自分が出せる」。

それこそ、沖縄らしいところではないでしょうか。それができないようであれば、沖縄との相性が悪いということ。

だから、自分を出せばいいのです。それを受け止めてくれる「うちなーんちゅ」は必ずいます。そういうあなたを「沖縄人の心がわからない」といって排除しようとする人とはつきあわなければいい。ただ、それだけのことだと思います。

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