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005|丸ノコ3 安全に使うために| #DIYとか工作とか #展示技術講座

とりいそぎ授業の流れが作れる文章を沢山作成するため、記事内には多数の準備できてない画像があります。ご了承ください。

こんにちは、普段は美術館などで展覧会の技術的な仕事をしている宮路です。色々な大学でちょっとした講座なんかもやってます。講座用の教材として、なおかつDIYerにも使えるちょっとした記事を書いていきます。工具や材料、方法や基礎知識なんかについて書いていこうと思います。
本記事を何かのワークショップや授業でお使いになりたい方はご自由に(出典、URLの共有お願いいたします)。
今回は「丸ノコ3」です。前回の記事は以下のリンクからお読みください。

今回は丸ノコを安全に使う上で重要な点をいくつか紹介します。

あくまで、この記事はオススメの方法や著者の考え方を紹介するにとどまります。世の中には色々な方法論があるので参考までにとどめておいてください。

もし何か補足や間違いなどあれば教えていただけると嬉しいです。多くの人の参考になりやすい記事を目指して書いていきますのでよろしくお願いいたします。


回転系工具の危険性

まず最初に回転系工具の危険性からお伝えします。全ての回転系工具に言えることですが、髪の毛や服装の一部が巻き込まれる危険があります。

安全な服装の画像(後日追加)

髪はまとめて、必要に応じて帽子などをかぶって作業をすると良いと思います。帽子は作業で発生する粉が頭皮や髪についたりするのも防げます。フードなどを調整するための紐などがついている服は注意が必要です。できればそういった服は避けましょう。

紐の多い服やスタッフカードなどを首からぶら下げている画像(後日追加)

たまに美術館の設営現場で見かけますが、入館証などを首からぶら下げての作業も危険です。作業時は外しておくのが良いと思います。

加えて、軍手が意外と危険です。一部が引っかかると編み込まれた手袋全部が巻き込まれます。丸ノコもそうですが砥石のついたグラインダーなどは特に危険です。個人的には丸ノコは素手で使うことが多いです。作業と適切なグローブについては諸説あるので後日追記します。

皮手(左) 一般的な作業用グローブ(上) 軍手(右)

海外DIYerがイヤープラグ(耳栓)とメガネをかけて作業しているのを見たことあります。気になる場合は利用しても良いかもしれません。自分は最近インパクトドライバを使う時に耳栓したりします(ストレスが軽減される気がします)。ちゃんと切れる刃を使っていれば日本の丸ノコは結構静かだと思いますので、音がひどい場合は修理や刃の交換も考えてよいかもです。メガネもつける意味があると思います。

誤動作防止のために

手渡しせずに置いてわたそう

丸ノコは通電している状態やバッテリーがついている状態だとスイッチを押し込めばすぐに刃が回転してしまいます。複数人で作業する時は誰かに丸ノコを渡すという動作が発生する時があります。そういった時は直接手渡しするのは避けましょう。上下の画像のような作業台などに置いて、相手に取ってもらうのが良いと思います。刃がフリーになるように隙間があってベースプレートが安定するように置けるのがポイントです(ここまで高くなくても良いかも)。

丸ノコ1の記事でもお伝えした通り精密機械でもあります。置くときは安定した置き方をして落下させたりしないよう気を付けましょう。丸ノコを置く台(上の画像)などを簡単に作るのも良いと思います。置き方は流派が分かれますが自分がよくやる置き方は以下の画像のような感じです。

丸ノコの調整はコンセント(バッテリー)を抜いてから

丸ノコは深さ調整をよく使います。角度の調整の時もそうなのですが、丸ノコの調整作業も、誤作動防止のためにバッテリーやコンセントを抜いてから行うようにしましょう。

切り場を整えよう

丸ノコで材料を切り終わった瞬間に支えがなくなり材料や丸ノコを落下する危険があります。本当に危険な行為なのですが、以下の図のように切ると切り終わったあとに太ももの大動脈をきってしまい死亡するという事故もありえます(素人DIYerがしているのを見たことがあります)。

ソーホースの真ん中で棒材を切っている図(後日追加)

基本は、下の画像のようにベースプレートの下にしっかりと支えを入れましょう(丸ノコの重心の下に支えが入っています)。切り終わった後もベースプレートの荷重を支えがしっかりと受けてくれる位置関係が重要です。また、切り終わった材料を受け止めてくれる台座も必要です。気持ち低いくらいがオススメです。

上の画像のように、切ったあと丸ノコと反対側にこけて行く方が良いと思います。下の画像のように丸ノコ側に傾くと材料の大きさによっては刃に干渉して丸ノコ側に負荷がかかり危険な場合があります。

もしくは、スタイロフォームという建築資材を買って下敷きにするのもオススメです。使い捨てですが、深さ調整の難易度が下がります。深さ調整に慣れてくると下敷きは板一枚でも大丈夫です。

キックバックに気を付けよう

丸ノコには巻き込まれる以外にもキックバックという危険な挙動をすることがあります。こちらはグラインダーやトリマー(動き的には少し違いますが)などの回転系工具でおこる現象です。刃がまわるということは車と一緒で回転方向に本体が動く(走る)ことがあります。本体にも矢印がありますが、丸ノコの場合は前に走り出さないように下の図のように回転します。

丸ノコの刃は、後ろ向きに走る(本体が沈み込む)方向に回転します。つまり、切った後の木の動きで刃が引っかかり丸ノコが後ろに飛んでくることがあります。これをキックバックと言います。丸ノコの後ろには立たたずに作業しましょう。下の画像でいうと黄色いエリアに立つイメージです。

木の動き

木は複雑な繊維の塊のため切った直後から形が変わることがあります。また、切る時の材料の置き方が非常に重要です。切る作業に入る前に、材料の置き方と切ったあとの動きを想像するよう心がけましょう。

そった木とスタイロフォームの画像(後日追加

上の図は下敷としてスタイロフォームを使っている場合です。作業台は水平ですが、木材のほう曲がっていたとします。切った直後から木が刃を挟み込んでいくのでキックバックがおこります。上記の例は木を切った後の動きの一例です。色々なパターンがあるので経験をつむことが大事かと思います。

縦挽きは少しずつ

横引きが繊維を切る方向に切ること、縦引きが繊維にそって切ることを言います。太い材料の縦引きは丸ノコにものかなり負担がかかります。例えば、柱材の背割りという作業がそれにあたります。105mm角の柱材に30mmの背割りをいきなり入れるのは有線165mmの丸ノコでも大変でした。

背割の画像(後日追加

縦引きしてみるとわかるのですが、切った直後に切り目が狭まっていくのがわかります。いきなり深く切らずに、数回に分けて少しずつ切るなどして対応しましょう。下手すると途中で丸ノコが止まって刃が抜けなくなります。

角度切りで挟み込む事例

T字の定規を使って材料を角度をつけて切る時の注意点です。定規と刃で材料を挟みこまないように注意しましょう。実はこの危険例は丸ノコの説明書にのっているのです。

説明書のがぞう(後日追加

終わりに

丸ノコは死亡事故もありえる工具ですが、安全に使えば凄く便利な工具です。私個人は周りにきちんと使える仕事仲間ばかりですので、丸ノコで指などを切った人は見たことがありません。カッターやインパクトドライバのが怪我率は高いです……。次回は丸ノコを使う時に使用するガイドの種類などを紹介する予定です。



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