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2023.11.28 ヒト・コト・トーク#14@Kitchen&drink yuba

宮島口の沿線で活躍する方々をゲストにお招きするトークイベント「ヒト・コト・トーク」。
前回は、行政横断会と題して、西区の前さん、佐伯区の玉田さん、廿日市市の師井さんにお話いただきました。(第13回レポートはコチラ)
14回目(2023年11月28日)となる今回は、「kitchen&drink yuba」のオーナーシェフ 弓場井さんと、ゲストハウス「-神の島を望む-阿品邸」を営む大一グループの代表取締役社長 田中さんをゲストにお招きして開催しました。

〈ゲスト自己紹介〉
弓場井 孝平さん
広島県広島市出身。イタリアンやフレンチを中心に10年以上かけて経験を積み、独立。2020年6月に阿品東駅徒歩5分の場所にkitchen&drink yubaをオープンし、一年でリピーターが定着する人気店となっている。海を見渡すことができる店内で、魚介を中心にしたランチとディナーを提供している。
 
田中 陽子さん
山口県岩国市出身。冷蔵・冷凍食品の保管、流通加工、輸配送など、総合物流サービスを提供する大一グループの代表取締役に2017年に就任。新たなプロジェクトとして、同グループで運営管理を行う「-神の島を望む-阿品邸」、「八幡高原 山の家」など、遊休不動産のリノベーションにも力を注ぐ。就任以前より、フラワーアレンジメントの講師としても活躍。

ー 今の事業のきっかけを教えてください。

(弓場井)本当はアパレルがやりたかったんですが、アパレル時代の飲食のバイトがきっかけで、飲食系で東京行ったりとかしていました。最初は16歳で居酒屋の厨房に入ったんで、カープ鳥のおさないさんの次男と同級生で、オープンのタイミングで入ったことがきっかけで、そこからまかないを作ることが多くて、余った食材で作るんですけど、はまったっすね。そこからですかね。尊敬してる師匠が独立するタイミングで僕もできたらなと考えていて、35歳ぐらいで考えてたんですけど、ちょっと早くなって、勢いでやっちゃおう、と。そしたらコロナにぶつかっちゃって。そのタイミングで、満点ママが取材に来て、広テレやRCCが来て…ぐいぐいと知名度が上がって。コロナ禍のテレワーク等でテレビを見る機会も多かったみたいで、呉や山口、遠いところや県外の人も来てくれてましたね。コロナ禍のオープンで最初はちょっと不安があったんで、2020年5月の予定を遅らせて6月にしました。広島市内が休業で閉まってたんで、逆にこっちの郊外の方が意外にお客さんは入ってくれました。世の中の需要とベストマッチして、良いスタートダッシュが切れたかなと思います。

(田中)阿品邸は2020年7月にオープンしました。昭和40年ぐらいから所有していた会社の遊休不動産で、先代が亡くなって世代交代して、あちこち残ってるものを整理することから始めたんですが、見に来た時は草もぼうぼうだし、家もひっくり返っちゃってるし、これはもうどうしたものかと…。ただ、ロケーションがとても良かったので、このまま何か活かせないかと、レストランなどにお貸しするのは難しいなと思って、色々考えた末、当時宮島には海外のお客様が多く来られていたので、海外の人を対象に、古民家風のところに長く連泊する一棟貸の宿泊施設が狙いだったんですけれども、コロナ禍になり…。2年ぐらいかけて計画してたので、社外でスタッフを集めて、毎月のようにミーティングしながら、それも楽しい時間だったんですけれども、それで出来上がってオープンさせたという感じです。阿品邸の運営は、お掃除の方、お客様とやり取りをする方、インスタ担当の方等で行っています。ゲストハウスですので、ご予約いただいた方と接触しないのも、本業と一緒に事業ができる理由だと思います。1日1組だからというのもあるかもしれないですね。インスタは、宮島が今こんな感じです、阿品邸からはこんな風に見えます等を発信しています。本当に素晴らしいご馳走になるようなロケーションで、海を見渡せるので、それがお客様に伝わればいいなと思って発信しています。

-弓場井さんがこのお店を選ばれたのもロケーションが決め手ですか。

(弓場井) そうですね。ランチが入るなと。ランチの仕事が長かったんで、ランチは広告なんで、広告をしっかり打てばディナーも入ってくれます。この場所を見つけたのも、前職の常連のお客さんが、この建物のオーナー兼1階のバイク屋の木村さんと同級生で、紹介してもらって、実際にこの景色を見ることになり、これはランチが入るなとなりました。お店の内装は、その場その場で決めました。何もない状態から、床剥いで、天井に壁紙貼って、厨房の垂れ壁を黒板にしてもらって、メニューが変わったら書き直してます。

ー なかなかこのロケーションはないですよね。弊社も阿品東駅のロケーションを活かしてリノベーションしようと動いています。山の家や阿品邸もリノベーションされているんですよね。

(田中)北広島町にたくさんの人に泊まっていただける大きいログハウス「山の家」があるんですけれども、特に大きなリノベーションはせず、古くなったところを修復しています。冬は雪が深く管理が難しいのでクローズにしていますが、夏は山の中なので非常に過ごしやすいです。建物の前に広場もあるので、そこでバーベキュー等で、お子さんとか何家族かで行かれて、楽しむこともできる、そういうところですね。

阿品邸のターゲットは逆に、定員を6人までに設定して、少人数で家族やお友達とくつろいでいただくスペースにしています。デイユース利用で、お泊まりにならなくても、お昼間にイベントをするとか、ちょっとしたお食事も可能です。建物の中は、宮島を臨むことも考えて設計して、完全にリノベーションしましたが、外観は当時の建物そのままの古民家みたいな感じですね。宮島が対岸にあるロケーションが一番の決め手ですが、宮島を臨む同線に大きな桜がありまして、私が見に行った時も桜が満開でとても綺麗でしたので、桜、宮島、ここってなると、外せないなっていうのもありましたね。季節のいい時には、お知り合いのお茶の先生の発案でデイユースのお茶会イベントもありました。阿品邸としても、 季節を変えて食やお花など、何回かイベントをしてきました。

ー 弓場井さんは、ご出身ではない阿品東ですが、この地域に感じることや魅力はありますか。

(弓場井)周りに飲食店がないところでやりたかった。あそこは入って、ここは入ってないを気にするのが嫌だったので。暇でも、忙しくてもいいから。その魅力が強かったですね。一人でやっているので、買い出し等も含めると手が回らないので、ランチとディナーだけやっています。日曜日は固定休で、それ以外は不定休で、イベントなんかがあったら休んで、でやっています。

ー 阿品東駅のリノベーションの参考に伺いたいのですが、阿品邸やyubaをつくる中で、どういった空間づくりを意識されていましたか。

(田中)阿品邸は、宮島でのアクティビティと組み合わせることも考えたんですけれども、のんびり非日常な時間を過ごしていただくことがコンセプトだったので、景色をごちそうにゆっくり過ごしてもらいたいと思っていました。お食事も、ご自分でお料理もできるんですけれども、ケータリングや、お店の方に出張いただいてお料理していただくプランもあるので、そういう贅沢な使い方もできます。

(弓場井)湘南っぽい感じ。お客さんにもよく言われるんですが、湘南っぽくしたらかっこいいかなと思っています。やっぱり海が見える方がいいですよね。けっこう陸橋からカメラ持って写真を撮っている人も多いので、スケルトンで海が見える方がいいのかなと思います。
ー 阿品東駅の担当がすごいメモしています笑

ー お二方ともイベントに参加されたり、イベントを実施されていますね。

(弓場井)この前、山口のワイルドバンチのアーティスト側のケータリングで出店させてもらいました。お客さんはほぼ全員アー ティストでめちゃくちゃ距離が近かったです。中四国で1番でかいフェスで、広島の店舗で5店舗しか行ってなくて、たまたま友達が企画系やってたつながりで出れました。

ー また予約が取れなくなりそうですね。

(田中)阿品邸ではiroriというテーマで、囲炉裏を囲む感じでその日を楽しんでいただくイベントを何度かやりました。お寿司やアフタヌーンティーをやったり、今年の1月の花火に合わせて有名な若手のシェフに来ていただいて花火を見ましょうの会をやったりだとか。近々だと、お花のイベントで、フラワーアーティストの高野さんにフラワーパフォーマンスをしていただきました。このイベントの発案はiroriチームでやってもらっています。iroriチームは社外のプロフェッショナルが、経営者的な人が集まって下さっているんですが、高野さんをはじめ、グラフィックデザイナー、フードコーディネーターとチームで一緒にやっています。阿品邸はiroriもそうですし、立ち上げの時も、 建築家やインテリアコーディネーターや、そういった方々と意見を出し合って作ってきたので、非常にプロセスにも思い入れがありますので、ばーって盛り上がるよりも、じわじわと広がって、しっかり定着してもらえたらなと思ってます。

ー 今後どういった展望を考えていらっしゃいますか。

(弓場井)今の場所主体で動きたいなと。店舗を広げれば広げるほど目が届かなくなるんで、他への展開はあまり考えていなくて。あとは人を育ててその人にあげるぐらいでいいかなと思っています。ここは常連のリピーターの方が多くてお客さんとの関係性もあるんで、僕じゃないと任せられないんで。

(田中)阿品邸は使い方の選択肢がたくさんあることを周知できるといいなと思います。本業をしっかりやっていきたいのもあるので、宿泊施設を広げることはあまり思ってないですね。私の心の癒し的な、サイドビジネスと言いますか。作る間、社外から集まった皆さんが協力してくれて、良いものが作り上げられたので、これはこれで大切にしていきますけれども、事業を広げることはあまり考えていないです。また違うビジネスをするかもしれないですし。今はまだこれをしっかりしていきたいなと思ってます。

ー それぞれの活動の源を伺いたいです。

(弓場井)秘密基地みたいな感じでお店を作ったので、いろいろ物も増えてきて、お酒なんかもどんどん増えてきて、みんなに要望されて買ったり、作ったりも結構あって。和食とかおでんとか。けっこうみんな旅行行ったときにご当地のお酒なんかをお土産でくれたりして。俺んち遊びに来たぐらいの感覚でやってます。あとは喋る、一緒に飲みながらやるスタイルが好きだったのでそのスタイルを維持しながらできたらと思います。
日本酒やレモンサワーは広島県産レモン使ってるんで、結構リピーターが多いです。隣のゲストハウスが素泊まりで、最近特に外国のお客さんがよく来られます。10時の門限があって施錠されるらしいですよ。

(田中)会社の仕事をする前から、自宅でフラワーアレンジメントを教えていまして、長い間身内のような感じで生徒さんと楽しくレッスンさせてもらっています。就任当初はあまりに生活が一変したので、自分の中で整理するのがしんどかったんです。性格的に楽天的で切り替えやすい性格だったので、なんとかやってますけれども、その時に、お花の皆さんとの時間を継続させてもらったことで、生活の切り替えができたのはあるので、生徒さんには非常に感謝しています。元気の源は、大変なことが多い中でも自分がやりたいことは諦めずにやることですね。やりたいことがたくさんある中で、どこまでできるかは不明だけれども、我慢はせず、そのためにどうしたらできるか考えて、できる環境づくりを目指しているのが源かもしれないですね。自分と考えが違う方とお仕事したり、お付き合いしたりは絶対必須なことで、そういう方たちを認めることができるように、自分自身も成長しなきゃなっていうこともあります。でも、日々楽しく生きることが一番の源ではないかと思っております。

ー弓場井さんは毎日この素晴らしい景色を見ていらっしゃいますが、毎日見ても良いものですか。

(弓場井)そうですね。天候で変わったりもあるんですけど、雨が降った後、海から虹が出たりだとか。電車みて、宮島行く人多いなとか、満車だなとか、眺めてるんで飽きないかな。1番おすすめの時間帯は季節によって違うんですけど、やっぱり徹夜したときに思ったのは、朝日。めちゃめちゃきれいですね。海にもうバーッて反射してすごいきれいですね。夜は夜で月が海に光のトンネルみたいなのができて。周りに何もないから真っ暗になるんで。

ー 阿品東の周辺でこんな土地の使われ方がされたら良いな等あったら伺いたいです。

(弓場井) サップヨガとか。サップならここから宮島まで行けるんで。LZBN レイジーボーンズさんでよくされているんですけど、それがここでも見れたらいいなと思います。

(田中)先ほどの、湘南っぽさであれば、マリンスポーツ的な、夏場を充実させる、海をテーマにした施設であったりとか。遊泳は難しいだろうから、海を眺めるスペースもできたら良いですね。

ー 宮島線の思い出を伺いたいです。

(田中) 以前、高須に住んでいたので、西広島駅からちょっとだけ割と利用していましたね。宮島の花火大会の時に電車に乗った記憶は何度かあるんですけれども、すごい混雑で帰りが大変だったですね。阿品邸のお客様へは阿品東駅が一番の最寄りとご案内させていただいております。

(弓場井)見る側ですね。朝の9時ぐらいは宮島口行きが数人しか乗っていないときもあったりして。

―最後に、宮島線についてヒトコトください。

(弓場井) 「海」
阿品東からいきなり見えるってところで、うちも見えるんで、「海」です。

(田中) 「癒し」
この宮島線が古くからあって、住宅街があったりだとか、景色が西広島から宮島に行く間変わっていくんですけれども、乗っている間に海が近くなって、気持ちが癒されていく、そういう沿線じゃないのかなと思うので、ぜひ癒されてくださいっていう意味を込めて。

―弓場井さん、田中さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
ヒト・コト・トークは、宮島線の沿線で場所を変えながら開催していく予定です。
次回は2024年1月23日(火)、会場は○○○○です!
詳しくは、コチラをご覧ください!

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