本日気分_insta2

初の店外展示企画

7月13日-28日の約2週間。
きのねは初の店外での展示企画に打って出ました。
場所はなんとメガネ屋さん。古本屋や飲食店ではなく、かなり特殊な場所とのご縁でした。

きっかけは仕入れ先のカフェ

きのねでは、中崎町の商店街にあるHAIKU COFFEE ROASTERSというカフェから主にコーヒー豆を仕入れています。そのHAIKUさんがポップアップで出店した場所こそ、きのねが7月にグループ展を開催させていただくことになったg.g.WAREHOUSE(以下gg)さんというメガネ屋さんでした。
HAIKUさんがポップアップを行ったのが3月。ちょうど別件で心斎橋の方まで来ていたこともあり、顔を出そうと伺ったのが事の発端です。
簡単にggさんについて説明すると、従来のメガネ屋さんのような商品をただ陳列しているだけのお店ではありません。一見して見ると「家具屋か雑貨屋」。非常にレイアウトや家具に凝っており、お洒落な空間が広がっています。「どんな人がメガネをかけているか」モデルを設定し、そのモデルが築いた部屋というイメージで小スペースが8種類設けられています。

ggさんの当時の店長様とご挨拶を交わし「また何かアートを絡めて企画できたらいいですね」なんてお話をするとぜひやってほしい!と興味を持っていただき、後日のメールでのご挨拶でも「先日の件、いつやりましょうか!?」と非常に前のめりな姿勢でいてくださったことを今でも覚えています。そこまで期待されては、こちらも「またいつか」なんて言えません。さっそくカタチにできるよう企画を練ることにしました。せっかくの素敵な空間だったので、各スペースにマッチしたテイストを持つ作家さんたちでグループ展を開こうと企画することにしました。

メガネ屋で、g.g.WAREHOUSEで開催するということ

最初に考えたことが「メガネ屋さんでやる意味」です。ただggさんが「お洒落な空間だから」ではコンセプトとして弱く、何も残らない気がしていました。g.g.WAREHOUSEで行う意味を見出すためには、g.g.WAREHOUSEのコンセプトを尊重したテーマで企画を行うべきだと考えました。
スタッフさんの言葉の中で心に残っているものの中に「メガネ屋さんは本来楽しみにして行く場所ではない」というもの。メガネを日頃活用されている方からすれば「必要に応じて仕方なく」という意識があると思います。
メガネ屋さんにいくことが楽しくなる、服や靴を選ぶように、生活の一つの「楽しむための(ファッションとしての)」アイテムとして見てほしい。
ggさんのコンセプトとして強く感じるのは「メガネは日常の中で生活を楽しむためのもの」であるということ。ここからヒントを得て考えた展示名が『本日、そんな気分。』でした。
つまりは「メガネと生活(日常)」。この趣旨を説明した上でお誘いさせていただき、結果11名の作家さんに集まっていただきました。

前例がない!

g.g.WAREHOUSEは大元が「メガネの田中」であり、大手チェーンが新しい風を吹かせるべく試みた前例のない店舗です。つまり全国でここだけ。
まだオープンして1年未満というきのねとも開店が近いお店で、これまでメガネ屋さんがやったことのない「新しいこと」の創造がミッションです。
そこで3月にHAIKUさんがポップアップをしたように、外部とのコラボ企画を展開されていました。しかし、今回のようなアート企画は一度もやったことがなく、まったく想像がつかない中でのスタート。きのねとしても外部で展示企画を行った前例がなく、すべてがはじめての企画でした。
場所の個性が強く、どのように作品を展開するかなどを打ち合わせするも情報量があまりにも多く、こちらも作家さんに説明をするのが難儀でした。そこで「百聞は一見に如かず」、2度にわたって下見会を開催することに。(というより、見てもらった方が一番早いという判断)
一度来てもらえれば、きっとこのお店を好きになってくれるという期待も込めての下見会でしたが、スタッフさんの懸命なご説明もあり非常に好感触な時間を共有できたと思っています。

作家のみなさんには8つある小スペースの中から希望スペースをあげてもらい、そこから抽選で割振りをさせていただきました。きのねとしては「この場所はこの作家さんがいいな」と事前に期待していた組み合わせがあったのですが、ほぼ9割型その通りの配置になったことは非常に嬉しかったです(すごく個人的な話)。作家とその作家が展示する空間が決まり、いよいよ各自制作に入っていただきます。

展示会を通じて

企画者としてこの展示にはいくつか狙いがあります。
まずは何と言ってもggさんのファンを増やすこと、そしてggさんが作家さんを、作家さんがggさんを好きになってくれることです。互いのリスペクトあってこそ企画は成功すると考えているので、このバランスは慎重に見ます。だからこそお声がけする作家さんは作品だけでなくお人柄も重要な点になってきます。
そしてggさんの知名度アップ、新しい客層の開拓。その逆で従来のggさんの顧客に作家さんたちを知っていただくこと。場所と作家と互いに新たなファンを生むこと。g.g.WAREHOUSEの可能性の提示。
もっと欲を言えば「きのねってやっぱり面白いことやってるな」というご評価です!(これ大事!)
個人的にはこの企画で終わってほしくない、いろんな人がg.g.WAREHOUSEで企画できることの面白さを知ってほしい、そうすればこれが終わってからもg.g.WAREHOUSEが一つのアートスポットとして盛り上がるだろうと期待しているからです。実際、会期中に数名「場所を使ってみたい」「こんな企画があるなら参加したい」というお声があったと聞いております。(8月はポートレートのグループ展で、写真の間でも今後貴重な展示スポットになるかも)
いろんな企画が持ち込まれるということは、それだけ新しい人に場所を知ってもらえる可能性があるということです。ggさんにとって飛躍の糧になればと勝手ながら願っています。
今回参加いただいた作家さんにとっても、これまでにない空間での展示で良い刺激があればと思っております。空間に溶け込ませ調和を図るか、コントラストを強めて魅せるか、展示の魅せ方として実験的に捉えていただけたら幸いです。ggさんならではの楽しみ方ができたならそれが一番嬉しいです。

いろいろあった嬉しいこと

企画発足から準備期間約4ヶ月。初めてばかりで大変ではありましたが本当に楽しい期間で、不思議なくらい苦ではありませんでした。
ggのスタッフさん全員がこの企画を楽しみにしていてくださったこと、参加してくださった作家さんがggさんを好きになってくれたこと。事前に展示情報を話していた他の作家さんやきのねに来るお客さんも一緒になってこの企画を楽しみにしてくださっていたことが大きなモチベーションになりました。
たくさんの方がDM配布や設置にも協力してくださり、初期に印刷した部数がすぐになくなってしまったこと。またA1のポスターを作っていただたり、HAIKUさんが初日だけでしたがポップアップで一緒に出店してくださったり、ggさんの店舗コンセプトを設計された方が非常に感動してくださった話だったり、展示目的で来られた方がメガネを実際に購入された話だったり、名古屋からこの展示が見たいと作家さんがはるばる大阪に来てくださったり、中でもggスタッフさんの方でA1ポスターを8枚用意し、壁装飾のように一面飾っていただいたのは本当に嬉しかったです。搬入の時まで知らなかったので、本当に素敵なサプライズでした。
企画者一人で盛り上がっていたわけではなく、いろんな人が期待してくださり、楽しんでくださった企画だと伝わったことが何より嬉しかったです。
企画をする身としてはどんな企画でも、「終わってからも消えない跡」を残すことを心がけています。それが人と人の新しい繋がりだったり、今回であればg.g.WAREHOUSEという空間の可能性の魅力をきのねなりに発信することだったりします。「こんなお店があるなんて知らなかった」「また来たい」「次にまた展示企画があるなら見たい」と言っていただけることこそが、求めていた企画の「消えない跡」になります。

次回もやるぞ!『本日、そんな気分。#2』

今回、大変ご好評いただいたということで次回もこのタイトルで#2として開催できればと思います。タイトル統一により一種企画としてのブランドを図りたいという想いと、「ggさんでの企画」として記憶してもらいやすくするため(これも要はブランド化ですね)です。
人が代わり、あるいは同じ人でも場所が変わり。とにかくggさんを好きになってくれそうな方に参加していただけたらと思っております。
会期はまだ未定ですが、来年上半期に開催できればと(勝手に考え中)。
今後ともよろしくお願いします!

最後に、g.g.WAREHOUSEのスタッフのみなさま、および出展参加者のみなさま、至らぬ点の多い中長期にわたりご協力いただき誠にありがとうございました。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。

お疲れ様でした!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?