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売上のために利用するデイサービス

都内は過去類を見ないほどの「雨の日」が続いています。
日照時間が10分なんて日もありました。
寒いです。ものすごい寒いです。
日中の気温は20度ちょっとです。
5月上旬から半袖生活の僕にはとても寒い日が続いています。
若い僕でもこんな感覚です。

高齢者にとっては一溜まりもありません。
体調不良になる方はまだマシで、入院までする方もいらっしゃいます。
肺炎になった知り合いのおじいちゃんもいます。

うちのデイサービスでも例外はなく、今月、特にお休みや入院が多く、リアルな話、「稼働率」が落ちています。
先月から比べると5パーセント前後落ちています。
5パーセントというとどれくらいかというと、一日の定員が20名のデイサービスにおいては、「毎日必ず1人休む」という事です。
かなりのインパクトがあります。

もちろん大前提として、休みたくて休むケースはほとんどないので、なんとか解決策を探るのは「僕たち」の役割なのですが、
今回書くのは、そういう”浅い”ことではなく、デイサービスを「コミュニティ」として機能させていく”ヒント”になるようなエピソードについて考えていきたいと思います。

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「私が来ないと困るかなって・・・」

今日、都内は大雨でした。
日中何度もネットのニュース速報が何度も入ってくる有様で、現場で送迎していた僕にとっては憂鬱というか陰鬱というか、そんな1日でした。

デイの近所に住んでいる80代女性Aさん。
長い間東京の下町で暮らしていたAさんは、いつも僕たちに優しいです。
お褒めの言葉を頂くのが日常になっているくらい、温かい言葉を掛けて頂きます。

今日も例外ではありませんでした。

ーこんにちはー!

雨の中、玄関先で娘さんと一緒に身を乗り出して待っていてくれました。

「今日もすごい雨ねえ〜」
「大変でしょ?」

ーイヤイヤ!こちらこそ足元の悪い中ありがとうございます!

今年の梅雨は長い、梅雨らしい、いつまで続くのか、来週には梅雨明けなのか。

そんな話をしながら束の間のドライブを楽しみました。

施設に到着。

ー(スタッフの皆んな):こんにちはー!すごい雨ですね〜!

「そうねえ、多分今日お休み多いでしょ?だから来たのよw」

ー皆んな:???

「もしお客さんゼロだと、売上ないでしょ?商売なんだし。」
「私は来ないと困るかなって・・・」

ー皆んな:ありがとうございますーーー!!!!

あんまりデイサービスで聞いたことがないやりとりです。

自分の居場所

理由はどうあれ、Aさんがココを「自分の居場所」だと思ってくれています。
自分がいなければココはなくなる、
自分が何とかしなくちゃ、
助けてあげなくちゃ。

居場所やコミュニティは「一つ」ではありません。
Aさんにとってウチのデイサービスが数ある居場所の中の一つに入っていることが嬉しいですね。

利用者さんに支えてもらう場所

もう、デイサービスは「サービス」を提供できるということを卒業し始めているのかもしれません。

デイサービスを維持するのは、スタッフでも会社でも税金でもなく、「利用する人」そのものです。
綺麗事とか、趣味の悪い例え話ではなく、フィジカルに「利用者さんが支える」時代になるかもしれません。

ただお金を払って利用するだけでなく、自分が影響を与え、自分で経営していることを実感してもらえれば、
「稼働率は下がる」とかを気にしなくて良くなります。

介護周りでは、「地域」とか「包括」とか言うわりに、利用者と提供者を分断する構造を維持し続けています。

本質的な意味での地域包括は、「利用者と提供者」の分断を溶かすことにあると思います。
時に利用者っぽく振る舞い、時に提供者っぽく振る舞える。
そんな施設にしたいなあと思ったので、近々みんなに話してみます。


<終わり>




シニアの方々が、主体的に・楽しく生活し続けられるよう、頑張ります!少しでもご協力頂けると幸いです。