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宮古の若者はどこへ?高校卒業後の進路調査結果まとめ

こんにちは!みやっこベース広報の島越です。

今回は、活動報告でもなく、人紹介でもなく、ちょっと真面目な「高校生意向調査結果」について。

人口減少・少子高齢化が進み、小学校の閉校や高校の合併などが相次ぐ宮古市。高校卒業後の生徒の宮古地域への就職率は年々低下しており、将来を担う人材の確保が課題になっています。

そのため、宮古地域雇用対策協議会では、卒業を控えた高校生を対象にアンケートを実施。関係機関と連携した宮古地域への就職促進や定着に向けた取り組みを行うことを目的とし、ホームページ上で「令和2年度 宮古地域高校生意向調査結果」を公開しています。

▼令和2年度 宮古地域高校生意向調査結果
https://www.miyako-vts.ac.jp/~kotaikyou/?page_id=1340

小学校〜若手社会人向けの事業を展開しているみやっこベースとしても、宮古の若者がどのような考えを持って進路選択しているのか、大変興味深い内容です。今回、調査結果の要点をいくつかピックアップし、みやっこベースの視点からご紹介します。


<調査概要>
調査機関:宮古地域雇用対策協議会
調査対象:令和3年3月卒業予定の高校3年生
調査期間:令和3年1月〜2月
調査方法:各高等学校を通じて依頼
回答数 :555人


1. 高校卒業後の進路は、6割が進学、4割が就職

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高校卒業後の進路は、進学率(大学・短大・専門学校)が約6割、就職率が約4割という結果に。進学する生徒の方が多いことが分かりました。

また、男女別で見ると、男子の進学率は約6割に留まるのに対し、女子の進学率は約7割でした。このことから、女子の方が進学を選択する傾向にあることが伺えます。


2. 就職する生徒のうち、約5割が市外・県外へ

就職する地域

上記で就職を選択した生徒のうち、宮古管内に残って就職する割合は約5割。

管外で就職する場合は「盛岡市(回答数:27)」が、県外で就職する場合は「宮城県(回答数:22)」「東京都(回答数:18)」が大多数を占めていました。

「就職する地域を決める上で重視すること」に対する回答は、それぞれ下記が最も票を集めました。
・管内に就職する場合:「住み慣れているから安心(回答数:29)」
・管外に就職する場合:「希望する会社がある(回答数:23)」
・県外に就職する場合:「希望する会社がある(回答数:19)」

このことから、生徒にとって宮古管内での就職は「住み慣れているから安心」というメリットがある一方、「希望する会社がない」と読み取ることができるかもしれません。


3. 進学する生徒のうち、9割以上が市外・県外へ

進学する地域

進学で宮古管内に残る生徒は、わずか1割未満に留まりました。

宮古市に存在する進学先は、岩手県立大学宮古短期大学部、岩手県立宮古高等看護学院、国立宮古海上技術短期大学校の3校のみ。4年制大学が存在しないため、上記の結果になっていることが推測されます。

また、管外への進学先は「盛岡市(回答数:83)」「滝沢市(回答数:17)が、県外の進学先は「宮城県(回答数:63)」「北海道(回答数:29)」「東京都(回答数:16)」「青森県(回答数:12)」が高い割合を占めています。


4. 就職先を決める上で、約5割の生徒が「親・家族」の意見を参考にしている

誰の意見を参考にしたか

「親・家族」の意見を参考にしているという生徒が約5割に上った一方、自分のみで決めたという生徒は1割にとどまりました。

さらに、就職する地域別の調査結果を比較すると顕著に差が出ました。
管内に就職する場合:「親・家族(61%)」「自分のみ(14%)」
管外に就職する場合:「親・家族(56%)」「自分のみ(10%)」
県外に就職する場合:「親・家族(40%)」「自分のみ(22%)」

上記のことから、全体的に自分の意志以上に「親・家族」の考えを優先している生徒が多いことがうかがえます。さらに、管内に就職する生徒ほど「親・家族」の影響をより受けているのに対し県外に就職する生徒ほど自分の意志で進路選択している割合が高いことが分かりました。


5. 就職を考える上で最も役立つのは「職場見学・体験・インターンシップ」だが、実際は機会が足りていない

役に立ったもの

就職を考える上で役に立ったこととして、最も票を集めたのは「職場見学・体験・インターンシップ(回答数:417)」。

しかし、「就職を考える上で、行政や学校にして欲しいこと」という質問に対しては、下記のような回答が多く挙げられました。
・「インターンシップで選べる企業を増やしてほしい」
・「インターンシップ等の活動を増やしてもらいたかった」
・「もっと職場体験をしてほしい」
・「たくさんの職種の人達の話を聞ける機会を増やしてほしい」
・「個人の能力や特徴を生かす事の出来る仕事を提案したり、もっと多くの時間を使い、地元の職業体験などしてほしい」

このことから、職種の幅や働くことについてまだイメージが深まっていない生徒が多い印象を受けます。「職場見学・体験・インターンシップ」の回数を増やし、自分で見聞きし判断する機会が求められているのではないでしょうか。


いかがでしたか?
「令和2年度 宮古地域高校生意向調査結果」から一部抜粋して、高校生の意向調査結果についてご紹介しました。

今回の調査結果から「自らの意志がある生徒は県外を選択する傾向が強いこと」「職場見学・体験・インターンシップの機会が足りていないこと」が分かりました。

みやっこベースでは、若者たちの可能性を広げるために「市外・県外に出る」という選択も応援したいと思っています。

しかし、宮古市を持続的に発展させるため、地元企業や地元の暮らしの魅力を知ってもらい、自らの意思を持って宮古に残る・関わる選択をする若者を増やしていくことが重要だと考えます。

そのため、みやっこベースでは小学生〜若手社会人を対象とした事業を通して、下記の機会を提供しています。
・宮古市の魅力を体験し愛着を深める機会
・職業体験をはじめとする自身のキャリアを検討する機会
・地域の同世代・大人たちとつながる機会 など

大人の話を聞く会

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宮古の子ども・若者たちが自ら未来を創ることが当たり前の地域にすることを目指し、今後も事業を行ってまいります。


※より詳しいアンケート結果は下記からご覧いただけます。

▼令和2年度 宮古地域高校生意向調査結果
https://www.miyako-vts.ac.jp/~kotaikyou/?page_id=1340


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