無題

第2章 なぜみやこやをつくったのか_・地域包括、在宅支援という考え方そして課題②

私は高校時代から「高齢者に関する仕組を作りたい」とずっと思い続けていました。

施設支援ではなくて、在宅支援の仕組が作りたかったんですね。そして、その思いは福祉施設に勤務をしたことにより更に強くなります。

まず、一番最初に勤務したのは重度身体障害者授産施設(就労型)。ここで学んだことが今の私の礎になっています。

さて、こちらでは週末は酒OK、夜の町に遊びに行くのもOK。当時の施設ではありえないくらいに自由のある施設でした。この感覚が今とても役に立っています。

さて、地域包括、在宅支援について施設にいたからこそ感じた一番の理由は「性」の問題でした。施設にはまだ若い利用者も多くいましたので、彼らの性的な欲求はどのように解消するのかが大きな疑問でした。

結論からいくと、基本的には施設内での性行為は禁止。当たり前といえば当たり前ですが、ここでふと思ったんです。

施設にいたらNGで、自分の家だったらOK?

一番、青春の時期に施設にいたがために、好きな人とセックスできないという事はあっていいのだろうか?

ある研修を通して「障がいと性」というテーマの講義があり、私は目から鱗でした。外国には障がい者向けのヘルスがあるということで、それが国家資格として認められているというのです。これは非常に衝撃的であり、この衝撃は私の生活を一変させてしまいます。

まだ事業団解体という言葉が出始めていた時期で、障がい者は施設。在宅はありえない。という時代の勤務でしたので、障がいを持つ人が外で生活をするという発想が殆どない時期に、私は「障がい者が在宅で生活するにはどうしたらいいのか?」と日々考える毎日。

今でいう、在宅支援ですね。

どうやったら、障がいを持っていても一人暮らしができるかと毎日考えていました。でも、思い浮かばない。当時の私には、思い浮かぶための情報量が圧倒的に少なかったのです。

私はこのモヤモヤをどう解決したらいいか悩み続けました。

「障がいを持っているからという理由で、施設で生活なんてありえない!これからは在宅だ」

こんな思いが膨れ上がり、ついに私はそれまでお世話になっていた施設を辞めて、社会福祉事業団というところに転職したのでした。

理由は、とにかく福祉に関する情報がダイレクトに入るところに行きたかったんですね。今の最先端の福祉の情報を、その職場にいるだけで入ってくるような環境に身を起きたくなったのです。

思いは叶って、事業団へ。

ここでまた更に転機が訪れます。

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