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問題の原因は個人?環境?〜原因帰属 その後ろに隠れているもの

今日は原因帰属について書いていこうと思います。
・Aさん・・・問題を起こした人、問題を抱えている人
・Bさん・・・Aさんの問題に関わろうとしている人
とします。
例えばAさんが仕事でミスをしてしまい、上司のBさんがその原因を推測する時にまずAさんのパーソナリティ、能力、感情などの内的要因が原因と考え(内的帰属)、その次にAさんの周囲の環境や状況=外的要因が原因ではないかと推測(外的帰属)します。
これが出来事や行動の原因を推測する課程=原因帰属 です。


ただ、人は他者の行動の原因を内的要因に求めやすく、自分の行動の行動は外的要因に求めやすいものです。
これを行為者-観察者バイアス(思考の偏り)といいます。

《行為者-観察者バイアスの例》
・他者「Cくんのテストの成績が悪かったのは、本人の努力が足りなかったからだ」  
・Cくん「自分のテストの成績が悪かったのは、体調が良くなかったからだ」

前述した『他者の行動は内的要因に求めること』を基本的な帰属のエラー、または対応バイアスと言います。


基本的な帰属のエラーがある上に、上司のBさんがAさんの外的要因を推測するにはいろんな情報を収集しなければならず、労力や時間が必要になります。
Bさんが忙しくそんな労力も時間もない場合や、Aさんのことを重要と考えておらず労力と時間を使ってまで正確な認知をする必要がない、と考えた場合、Bさんの中ではミスの原因はAさんの内的要因だ、と推測した段階で終了してしまいます。

Aさんの職場環境、例えば過重労働やメンバー間の連携の問題などがあったとしても、Bさんが忙しかったりAさんを重要視していなければ「AさんのミスはAさんの能力に問題があったからだ」と決めつけて終わりになってしまいます。

BさんはAさん自身の要因が原因と考え、Aさんは環境が原因だと考えてしまっていれば、その差が人間関係の溝を深くしてしまう場合もあります。

『その問題の原因は外的要因ではないか』と考えない人=相手を大切に考えていない人 なのかもしれません。
これは職場だけではなくて、家庭でもプライベートでも同じことです。
個人の原因と決めつけられる…大切に考えられていない、と思うことはとても辛いことです。

誰しも基本的な帰属のエラーに陥るということをふまえて、Bさんは視界を広く持って、冷静にAさんから話を聴き、次に向けて正しい改善ができるよう、客観的に問題の要因に関わっていただきたいと思います。

また、情報を収集する労力と時間を惜しまず問題に対応しようという姿勢を持っている組織であれば、従業員側も仕事に対して前向きになることができます。そうすることが生産性向上、業務レベル向上、そして信頼関係の構築につながるのではないでしょうか。








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