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「ゆっくり書く」をコンセプトに更新中です。93年所沢市生まれ都内在住。編集関係で働きつつ、講談、大喜利、小説執筆等してます。このnoteではスポーツを中心にいろんなことを書きます。

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    みやまるが書いた「スポーツ関係の作品以外」のレビュー集になります

  • みやまる・フェリーニ映画エッセイ

    「8 1/2」「道」「甘い世界」「魂のジュリエッタ」「フェリーニのローマ」について書いてます。

最近の記事

札幌ドームが「夢のスタジアム」だったあのころ

 これを書いている2024年現在、札幌ドームをめぐる環境は「夢」という言葉からは遠く離れた状態にあるし、そうなってしまった過程で違和感を覚えたり、時には野球ファンとして腹を立てたこともあるのだが、今回はその話ではない。むしろ正反対の評価だった時期もあったのに、という話だ。  2001年に開場した札幌ドームはまさに「夢のドーム」だった。北海道、札幌というインパクトに加え、芝を入れ替えることでなんとサッカーも野球も出来る”二刀流”のスタジアムだった。  翌年の日韓W杯でも3試合

    • 西武ファンの夢の同窓会:「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」

       まさに「夢の試合」という感じの試合に行ってきた。  友人に誘われ、16日にベルーナドームで行われた「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」に足を運んだ。西武球団初のOBが集結する一戦である。自分がリアルタイムで知らない選手もユニフォームを着こんでプレーするということもあり、ずいぶん前から楽しみにしていた。  入場の前に、今回の試合を記念した展示ブースへ。  工藤公康・秋山幸二・伊東勤と、他のパ球団で監督を勤めた選手がライオン

      • 砂埃の向こうにある、野球をする幸せ:加藤弘士『砂まみれの名将 野村克也の1140日』

        ノムラの空白期間  この箇所を読んだ際、少しドキリとした。高校時代に『野村ノート』を読んで以来、”ノムラ本”を結構な冊数読んでいたが、たしかにシダックス時代については知らない部分が多い。そして結論から話すと、読了後「なんでこんなに面白いテーマの本が、いままでなかったんだろう」という感想を持った。名将の社会人野球での知られざる日々を、緻密に書き表していた一冊になっている。  野村のシダックス監督就任直後、当時報知新聞のアマチュア担当記者だった著者が、東京・調布市関東村のシダ

        • 初代プレステの「筋肉番付」のプレイキャラ 2024年でいえば誰なのか

           初代プレイステーションに「筋肉番付vol1 俺が最強の男だ」というソフトがあった。TBSで当時放送されていたスポーツバラエティ「筋肉番付」をゲームにした作品で、番組でお馴染みのストラックアウトやキックターゲットなどのアトラクションが収録されていた。  1999年末に発売され、兄がクリスマスプレゼントで入手したのをきっかけに、もともと番組のファンだった私もかなりハマった。  実在のスポーツ選手・タレント(と番組キャラクターの金剛くん。またエディットモードでキャラ自作も可能)

        札幌ドームが「夢のスタジアム」だったあのころ

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          note執筆時 自分が意識してることメモ

           1回自分の中で、「noteをどう書いてるか」を言語化して整理しようと思い、書いてみました。  あくまでも「note(を含めた個人ブログ)」の書き方であって、商業メディアの文章を書きたい人向けの方法論ではありませんが、すこしでも参考になれば幸いです。 テーマを羅列  まずは書きたいテーマをどんどん出します。めっちゃ小さいことでも、反対にものすごい時間がかかりそうな内容でも、片っ端から「こういう文章が書きたい」を羅列していきます。スマホのメモ帳に「noteテーマ集」みたいな

          note執筆時 自分が意識してることメモ

          2023年 読んで面白かった本

          ⚠️ネタバレ注意⚠️ こちらは昨年の記事です。 📖小説G.オーウェル「一九八四年」  エンターテイメントとしても面白い一冊でしたが、「言論」や「国家」について考えもさせられる小説でした。  現在進行形で、オーウェルが書いた世界と同じような国家があるということに、この小説の真の意味があるかと思います……。 村上春樹「女のいない男たち」  映画「ドライブ・マイ・カー」の原作も収録された短編集です。『イエスタデイ』の木樽はなかなか味わいのあるキャラクターでした。  『木

          2023年 読んで面白かった本

          イチローの「フィールド・オブ・ドリームス」:高校野球女子選抜 VS イチロー選抜 KOBE CHIBEN

           21日、東京ドームで行われた高校野球女子選抜 VS イチロー選抜 KOBE CHIBENを観戦に行った。オリックス時代のイチローを西武球場で観た記憶が頭の片隅にあるのだが、幼稚園児のころなので、もう25年以上昔の話だ。  水道橋からドームに向かう道中、ドキドキが止まらなかった。我々平成一桁生まれ世代にとって、イチローこそ「野球」そのものであり、そんなスーパースターと自分が場を共有してもよいのだろうかという感情になった。ここまでくると、もはや野球観戦というより「恋」である。

          イチローの「フィールド・オブ・ドリームス」:高校野球女子選抜 VS イチロー選抜 KOBE CHIBEN

          主人公は「永遠の都」:『フェリーニのローマ』

          ※注意 この文章を読む際はネタバレ等、核心部分への言及があります。個別に判断したうえで、読んでください 主人公は「永遠の都」  『フェリーニのローマ』に明確な主人公は存在しない。強いて言えばアウグストゥス以来、悠久の時を経てもなお、宗教的にも文化的にも重要な地位をもつ、ローマという都市そのものが主人公と言えるかもしれない。  フェリーニは1968年に『サテリコン』を監督すると、劇映画から少し離れ、『フェリーニの道化師』、『フェリーニのローマ』、『フェリーニのアマルコルド

          主人公は「永遠の都」:『フェリーニのローマ』

          猪木の粋な息づかい:アントニオ猪木「猪木詩集『馬鹿になれ』」

          「そのまんま」の猪木  昨年10月1日、アントニオ猪木の訃報に接した際、「あの猪木さんでも、最期にはやっぱり天国へ行ってまうんだ」という風に感じた。一度生で目にしたことがあるにも関わらず、どこかマンガのキャラクターのような、我々一般人とは明確に一線を画す存在のように感じていたのだ。あの「猪木」に「死」なんて似合わない。心のどこかでそんな風に思ってしまっていた。  私が大学生だった10年前、西武新宿線の久米川駅前に選挙応援に来ていたアントニオ猪木は、「イメージの通りの猪木」

          猪木の粋な息づかい:アントニオ猪木「猪木詩集『馬鹿になれ』」

          作風から遠ざかり、観客と一番近い位置へいく妻:『魂のジュリエッタ』

          ※注意 この文章を読む際はネタバレ等、核心部分への言及があります。個別に判断したうえで、読んでください 混沌の中の「生け贄」  フェリーニ映画の男性は女性を追いかけ、その俗っぽい欲さえも映画芸術に落とし込んでいたが、作中の女性は『8 1/2』のサラギーナをはじめ、豊満な肉体と強い主張を持つ、我の強い女性を描いてきた。  一方で『道』でジェルソミーナを演じ、実生活でフェリーニに妻であったジュリエッタ・マシーナはそうしたフェリーニ的な女性とは対照的な存在である。童顔かつ小柄

          作風から遠ざかり、観客と一番近い位置へいく妻:『魂のジュリエッタ』

          杜の都のボールパーク:楽天モバイルパーク宮城へ(と仙台旅行)

           31日・1日は遅めの夏休みでした。この2日間を利用して、仙台に行ってきました。  旅の目的は楽天の本拠地球場、楽天モバイルパーク宮城。仙台くらいならいつでも行けるだろうと思いつつ、なかなか行けていませんでした。  試合は隅田知一郎、藤井聖両先発の好投もあり、序盤はかなり速いペースで展開。2巡目以降の西武打線はペースをつかみ、楽勝ムードかと思いきや、7回の浅村栄斗の「恩返し2ラン」を皮切りに、あっさり楽天が逆転。 万事休すかと思いきや、中村剛也が特大アーチと、楽天の守備のミ

          杜の都のボールパーク:楽天モバイルパーク宮城へ(と仙台旅行)

          29歳の夏に『風の歌を聴け』(村上春樹)を読む

          ※注意 この文章を読む際はネタバレ等、核心部分への言及があります。個別に判断したうえで、読んでください  確か『風の歌を聴け』をはじめて読んだのは、中3か高1だったと記憶しているのですが、それ以来6回くらい読んだ小説です。  この作品は、29歳の主人公が大学時代の自分を振り返る形の小説なのですが、とうとう自分も29歳の夏を迎えました。 「8月」の小説  と、いつについて書かかれた小説か明確な描写があるので、29歳のそのタイミングで読みたいと昔から読みたいと思っていました

          29歳の夏に『風の歌を聴け』(村上春樹)を読む

          影を追う人間の、不器用な影:『甘い生活』

          ※注意 この文章を読む際はネタバレ等、核心部分への言及があります。個別に判断したうえで、読んでください 影を追う人間の影  華やかな世界にいる人間の、その光の裏側にある醜聞を報道することで耳目を集めるイエロージャーナリズムに辟易としている人も、私を含め多いのではないか(現にこの文章を書いている今、とある俳優のそうした報道が出ている……)。そうした醜聞を追いかける人間をパパラッチとも呼ぶが、この『甘い生活』の登場人物、パパラッツォが転じたものである。  セレブリティに囲ま

          影を追う人間の、不器用な影:『甘い生活』

          新国立競技場へJ2天王山を観にいく

           Jリーグ公式が企画していた抽選企画(5,000組1万名様に当たる)に当選したので、東京Vサポーターの先輩と9日に国立競技場へ町田-東京V戦に行ってきました。  このカード、J2史上初の国立開催であり、個人的にも初の(旧国立含めて)国立観戦だったので、試合前からかなりワクワクしていました。もしかしてABEMAでの中継で、昨年のW杯を大いに盛り上げたサイバーエージェントが経営する町田ならではの演出とかもあるかも? なんて思っていたら……。  まさか試合の3日前にこのクラブ間

          新国立競技場へJ2天王山を観にいく

          その映画、やっぱり凶暴につき:新文芸坐に『その男、凶暴につき』を観にいく

          ※注意 この文章を読む際はネタバレ等、核心部分への言及があります。個別に判断したうえで、読んでください。特に今回は『その男、凶暴につき』を見たことがある人向けに書きました  19日、仕事がたまたま休みだったので、池袋の新文芸坐に行ってきました。『その男、凶暴につき』をスクリーンで観てきました。  この映画については、大学の卒業論文(『アキレスと亀』と『その男』の比較でした)で書いた作品ですし、その卒論を少しバージョンアップしてnoteに書いたこともあるくらいなのですが、

          その映画、やっぱり凶暴につき:新文芸坐に『その男、凶暴につき』を観にいく

          石ころが全てを肯定する“おとぎ話”:『道』(1954)

          ※注意 この文章を読む際はネタバレ等、核心部分への言及があります。個別に判断したうえで、読んでください オート三輪が登場する“おとぎ話”  この作品の象徴の一つに、旅芸人のザンパノ(アンソニー・クイン)のオート三輪がある。公開された1954年当時から、大きく乖離した過去の物語ではないことがわかるのアイテムなのだが、なぜかこの『道』には、「むかしむかしあるところに」という“おとぎ話”のような雰囲気に満ちている。  ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)は「口減らし」のた

          石ころが全てを肯定する“おとぎ話”:『道』(1954)