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神宮に佐々木朗希を観に行く:そして初めての高校野球&大学野球

学生時代には「やきゅまる」と呼ばれていたくらい、いつも野球の話をしているのだが、実はアマ野球に詳しくない。プロ野球やMLBと違って応援してる選手や球団が無いせいだろう。甲子園もせいぜい東洋大姫路高校にいたグェン・ティン・フォク・アン(在日ベトナム人球児で、プロには行かず東芝へ行った)をちょっと応援してたことがある程度で、あまり思いいれはない。みやまるは「プロ野球好き」であって「野球好き」とはちょっと違う…のだが、 昼に予告先発を見て、これは行かねば、ということになった。

侍ジャパン壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表
高校:佐々木朗希(大船渡高校)
大学:森下暢仁(明大)

アマ野球を見ない自分でも知ってる、というか、2投手とも「間違いなくドラフト1位指名、かつ競合間違いなし」という評判の2人だ。この2人をプロ入り前に"予習"して損はないはずだと、行くことにした。外野席以外はもう完売で、14時発売の当日券に長蛇の列という情報も出ていたので、慌てて都バスに乗車する。

そばには新国立!

ビル群を向こうに臨むなか、歌舞伎町と同じ新宿区とは思えないほど、静かで瀟洒な空気のなか神宮球場は、屋外球場ならではの気持ちいい風を運んでくれる。村上春樹が神宮でヤクルト戦を見ながら小説を書くことを思いついたのは有名なエピソードだが、そりゃこんな素敵な球場なら『風の歌を聴け』みたいな、爽やかでお洒落な小説が生まれるよなあ…とにかく、僕は頭のなかで、こんなにハイネケン・ビールを飲んで、女の子のことを考えるには絶好の日はないよ…でも君は下戸だろう…なんて頭ん中でハルキごっこしていたらプレイボールが近づいてきた。

スタジアムで食べるご飯はどうしてあんなに美味しいのか…

 そして1回の裏、マウンドに登った佐々木である。「令和の怪物」なんて持て囃されかたをされているが、まだ令和ちょっとしかやってないのに、気が早くね?と思っていたが、結論から言えば、「こりゃ"怪物"って言いたくなるワ〜」という感じだった。190cmある長〜い脚を、天高く伸ばし、飄々と150キロ台中盤でストライクを稼いでいく。しかも「いや、自分はまだまだ速いボール投げれるんだけどね〜」という"軽さ"すら感じる。どこの球団でプレーするか今から楽しみだが、そんな彼に1つだけ提案を。佐々木の"美脚"をアピールすべく、ストッキングをたくしあげる、いわゆる「クラシックスタイル」でマウンドに上がって欲しいのだ。どちらかと言うと野手の「作法」で、プロ野球に入るとやめてしまう投手が多いが、佐々木は是非やってほしい。

 佐々木、森下暢以外にもダイビングキャッチを見せた遠藤成(東海大相模)や俊足の森敬斗(桐蔭学園)など、目に留まる選手は多かった。なかでも目を引いたのは大学ジャパンの4番、牧秀悟(中大)だ。6回のソロアーチを始め、パンチ力が光った。ドラフトの予想サイトなどで名前を目にしてなかったが、それはまだ3年だからで、ドラフトにかかるのは来年だという。さらに磨きをかけられるか今後に注目だ。

 グラウンドの外にも注目すべき点はいっぱい。今日は3塁側には、"美爆音"と形容されることもある習志野高校のブラスバンドと、同じく千葉の名門、拓大紅陵のブラスバンドが来ていた。対する大学側、3塁側には東京・早稲田・慶応各大学の混合応援団が来ていた。

『狙い撃ち』などのお馴染みのナンバーで盛り上げる高校野球吹奏楽スタイルと、学ランとチアが鼓舞していく大学野球応援スタイル両方がいっぺんに楽しめた。思えば出てくる選手が違えば、応援スタイルだって変わってくる。少年野球、2軍、女子野球、都市対抗と様々な野球を生で見てきたが、同じ応援は2つとしてない。そして「食わず嫌い」だった学校野球も、両方とも良いな〜としみじみ感じた。かつてここ神宮、ヤクルトでプレーしたボブ・ホーナーは「地球の裏側にもうひとつの違う野球があった」という言葉を残したそうだが、「その日本野球の中にも、さらに様々な野球があるのだ」という風に改めて思いつつ、神宮外苑を後にした。

外周のアーチも美しい神宮球場。ここでプロポーズをした大学野球の元選手もいるとか。

あと最後にちょっとドキッとしたこと。それは出てる選手がみんな「自分より年下」なんである。そりゃ、1浪した大学を卒業してからもう数年経つんだから当然ちゃー当然なんだけど、高校ジャパンなんて全員「21世紀生まれ」だ。…いやいや、いつまでもグラウンドに立つ野球選手とは"お兄さん"に見えます…しかし、ワシもオジサンになるワケじゃ…

#野球 #高校野球 #大学野球 #侍ジャパン #観戦記

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