松本山雅ものがたり-J1をめざすアルプスの風
(初出:旧ブログ2015/11/16)
今年等々力で初めて山雅のサポーターを生で見た感想は「……噂には聴いてたけどスゲェなぁ……」。昇格1年目なのに浦和・F東・新潟・柏と勝るとも劣らない深緑の大群の盛り上がりにびっくり。
松本駅前の喫茶店の常連客で作った草サッカークラブがJ2に昇格するまでの50年近くに及ぶリアル「サカつく」。そもそもサッカーより登山が好きなお客さんが多い店で山に登らない時期に、みんなで体を動かせないかと始めたチームだった。創設時のメンバーでサッカー経験者は1人かつ11人揃わない状態からのスタート。そのまま一度も試合どころか練習もしないまま解散してもおかしく無いような状況から国内最高峰のリーグへ成長する。
選手以外にもサポーターやJクラブ化へ奔走した有志が一人一人細かく書かれている。クラブもサポーターも自分たちで作って行こうというそれぞれ意識が強いからこそ、山雅はあそこまで盛り上がってるんだと実感した一冊。樽募金で市民が球団を支えたカープとチームとしての姿が被って見えた。来季山雅はまたJ2だけど、深いサッカー愛を持つサポと共に今後も「雷鳥は頂を目指す」のだ。あの横断幕、万博の「勝て勝て勝て勝てホームやぞ」と並んで好き。
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