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クラッシュくんとの邂逅と『ふねのだいばくはつ』

(初出:旧ブログ2018/06/02)

 友人からプレイステーション4を安価で譲り受けた。みやまるのゲーム事情プレイステーション2を最後にレトロゲームに興味が移り、ずっとファミコンやスーパーファミコンのゲームばかりしていたので、グラフィックの進化に大いに驚いた。『実況パワフルプロ野球2018』、『ウイニングイレブン2018』、『クラッシュバンディクー ブッとび3段盛り』といったみやまるが初代プレイステーション時代から遊んでいたタイトルの最新作やリマスターを購入したが、いずれも画面描写の進化に心躍らせた。

 なかでも『クラッシュ…』がとても良い。この作品は『クラッシュバンディクー』、『クラッシュバンディクー2 コルテックスの逆襲』、『クラッシュバンディクー3 ブッとび世界一周』というプレステ時代の3作をリマスターしたモノだが、石井輝男監督の映画『ねじ式』くらい元ネタに忠実なんである。良いところはそのまま進化し、川沿いのステージの水流は美しく、敵モンスターの毛並みは雄々しく、グラフィックに気を取られてやられてしまうこともしばしばだ。クラッシュがディズニーのピクサー映画として製作されたらこんな感じだろうか(なんか映画のたとえが多い回だな)と思った。

 そして10才にも満たないうちに遊んでいたゲームのリマスターなので、いろんな記憶が蘇る。このステージは友達の兄ちゃんにクリアしてもらったなとか、このステージは兄貴が血眼になってタイムアタックをしてたなとか、幼少期の記憶の扉をクラッシュくんが心地よく開けてくれる。なかでも一番のエピソードは『ふねのだいばくはつ』だ。
 幼稚園児のころ週一で絵画教室に通っていた。そこで描いた絵が展覧会に出展する作品に選ばられ、池袋まで展示を見に行った。僕が描いた作品は『しろくま だいジャンプ』。内容もタイトルも『クラッシュ2』からとったモノだった。自分の描いた絵が褒められてうれしい反面、「元ネタありき」の作品が出展されてしまい、がっかりというか、他人のふんどしでとった相撲という感じに思ってしまった。もしかしたらオリジナリティというものを初めて意識した瞬間かもしれない。
 そして「こいつには勝てねえ!」と思うような作品が僕の絵と一緒に展示されていた。それが『ふねのだいばくはつ』だった。虹色の爆風(!)とともに帆やら舵やらが四方八方に飛び散る幼稚園児らしい力強いタッチかつ、大人が描かないちょっと不謹慎なテーマで、まさに芸術は爆発であった。自分は虎、いやバンディクーの威を借る絵で展示される一方、かたや『ふねのだいばくはつ』…。創作で敗北感を味わうことも初めてだった。
 出来る事ならもう一度この目で『ふねのだいばくはつ』を見てみたい。ナイトスクープに送ろうかな…

#ゲーム #思い出

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