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いきるあなたはそれだけで

えがおがひらひらとんでゆく
かなしいことをみとおして
うれしいことをこころにひめて
あおくまばゆいそらのひかり

ふわふわとどこへでもとんでゆく
じつざいするいきものとしてのわたし
やさしいあなたのいのちを
すきとおるはなびらでそっとすくう

せかいのみんながうたっているので
わたしはげんざいにいきている

にんげんは
あのふかいそらにだってなれるから
かのうせいは
あなたのなかにいつもある
そしていまいきているこのいのちをもらった
それだけでわたしは
じゅうぶんにしあわせ

はるかこころがうちよせて
かけあがるつよいちからで
あなたのまなざしはわたしをつうかして
いつかみたせかいへむかっているから

いきているあなたはそれだけで
せかいをあいしているとかたりだす
みつめるめをもったひとりとして
みいだせるうちゅうはあなたから
あなたからはじまる


大阪芸術大学詩誌「別冊・詩の発見」第17号
寄稿作品

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