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鑑賞記録201811

今年も残るところ一ヵ月ですね。
ここ数年、年末に「映画マイベスト10」を出してます。以前は「選べない!」とか思ってたのですが、ある監督に「考えるの、楽しいよ。俺は音楽も毎年順位を出すよ」といわれ、安直なので「そっか!」と即座に考えを変えました。やってみたら楽しかった。他の人のベストを見るのも好き。みんなやってほしい。年末に楽しく悩めます。

●『search / サーチ』
「全編PC画面」の意欲作。背景を説明するオープニングが素晴らしくてオオッとなった。前回も書いたけど、白人黒人アジア人、多様な人種がフツーに出てきて楽しい。これが長編デビュー作なら次作はどんなかな。

●『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』
アルゼンチンタンゴの概念を変えたカリスマ、アストル・ピアソラのドキュメンタリー。映画『ブエノスアイレス』の曲の人です。劇的なノスタルジーと希望を伝える楽曲が好き。生涯については全然知らなかった。

●『通りすがりのAV女優11 巨乳・堅気・出来心編』
「漁師から直接魚を仕入れに行く気分」と電話で地方女子大生と待ち合わせる梁井監督が新鮮。様子見で距離を詰めてく感じは松尾監督の素人シリーズともまた違う。昭和アイドル風な八重歯の女子大生とOL女優さんが同じ話をしていて、女性の悩みは同じだなと思う。よくわかる。響くジッポの音、フレームインする本人。毎回ラストカットが「通りすがり感」を醸し出してる。

●『いもうと りん』
これもAVなんですが…、登場人物はお兄ちゃんと人形のみ、という変わったAV。死んだ妹が人形(ラブドール)に憑依する話。トーンは真面目。女の子の声はアフレコ。「不思議で切ない夏の物語」はアリだけど、人形相手に延々一人芝居を続けるお兄ちゃんに「男優さんて大変だな~」と思ってしまった。見えない位置で人形の手足を動かすスタッフも想像。切ない…。

●『世界で一番ゴッホを描いた男』
中国でゴッホの複製画を描き続ける男性のドキュメンタリー。商品か作品か、職人かアーティストか。ものづくりする人には他人ごとではない揺らぎ。テレビ放送の劇場版だそうで、少々テレビっぽさもあるけど面白かった。必要な出来事やカットが全部押さえられてる感じ。

●『モダンライフ・イズ・ラビッシュ』
ツッコミつつ大笑いしてしまった音楽青春ラブストーリー。夢を追うバンドマンの恋。「アナログこそ正義」とスマホを否定し(でも聴くのはCD)、社会へ羽ばたく彼女を否定し(人の就職をブチ壊す)、フラれて新しくできた彼女(超美人)がブラーをけなした途端に興味をなくす。でもまあ身に覚えあるよ、NO MUSIC NO LIFEだね。しかしフラれた彼女を思い出してライブ中に号泣し「無理!」と、演奏も客も放置して舞台から逃げるシーンに吹き出してしまった。ないわー。面白かった!

●『津軽のカマリ』
津軽三味線の巨匠、高橋竹山のドキュメンタリー。弾けなくなった竹山の人生最後の演奏シーンあり。観客に老いた姿を堂々と見せる演奏家は信じられる。見せまいとする演奏家もまた信じている。

●『春待つ僕ら』
土屋太鳳主演、内気で友達もいない女子高生が「バスケ部のイケメン四天王」たちに愛される、少女マンガ全開のキラキラ映画。見終わって土屋太鳳気分。「私、土屋太鳳だっけ?」と我に返る。楽しかったー。

●『グリンチ』
クリスマスを憎む妖怪(?)のアニメ。クリスマスなんて潰してやれと思ってる人、意外といるのでは。私はクリスマス大好きです。なんか楽しいじゃんね。

●『暁に祈れ』
タイで地獄の刑務所に投獄された英国人ボクサーが再起をかける。タトゥーと裸の肉体にまみれた生々しい二時間。実話ベースの映画は数あれど、こういう形で希望を握らされたのは初めてかもしれない。「えっ!?」となりました。

●『愛と誠』
西城秀樹追悼上映、1974年のリマスター版。三池バージョンは見たし原作漫画も昔読んだけど、改めて面白い話だった。スーパーアイドル・ヒデキ、カッコいい。70年代のキラキラ映画だと思う。現代の浮ついたキラキラ映画と違い、男も女もクールなんですよねー。素敵。

●『鈴木家の嘘』
軽めトーンかと思ったらずいぶん重かった。でも良かった。身近な人を失った経験がある人にはよくわかる言葉や場面がたくさん。監督の実体験によるものだそうで、これを生み出すのはめちゃくちゃキツかったはず。でもこれが世に出たことに「祝福」を感じる。

●『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』
こないだ少し書きました。

●『宵闇真珠』
クリストファー・ドイル監督、オダギリジョー主演。と聞いて「こんな感じかな?」と想像する人、多分その通りの映画だと思います。すごく美しい絵もあるよ。

●『マスカレード・ホテル』
キムタクの登場シーンが超カッコいい! 舞台は豪華ホテル。刑事とホテルマンのミステリー。リッチなホテルに行った気分になれました。

●『近松物語』
1954年の溝口健二監督、リマスター版。不義密通の罪が磔にされる時代の男女の逃避行。死から生へと急転換する場面に熱くなる。ただ、ラストの「あんな晴れ晴れした顔は見たことがない」と人々に噂される長谷川一夫の表情、めちゃ暗いんですよね。どういうことなんですか。

●『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』
記憶、忘却、時間、永遠、刹那、私の琴線に触れる事柄で満たされていて、ボーッとなった。今年のベスト1かもしれん。

●『斬、』
サンプルDVDが手元にあり、見たい欲望を抑えて劇場まで我慢して正解。五感で体感する映画。役者・塚本晋也も凄まじく、塚本監督に「こんな役者を使えるの、強みですね!」と言ったら「文句もあんま言わないし、言うこと聞くし、便利な役者ですよー」とのこと。

●『肉体グルメSEX紀行 広島の女』
バク山監督のAV。ハメ撮りとかによくある「終わった途端バイバーイ」とは違い、姿が見えなくなるまでカメラが回ってる。それが逆に哀愁を帯びて見えた。広島のクラブのママの人生に「この人は今、どうしてるんだろう」と思いを馳せる。花岡じったさんはいつも可愛らしい。

●『デッドエンドの思い出』
現場スチールをお手伝いした日韓合作映画。撮影のソンさんがギドクの『サマリア』のカメラマンだと後で知り、震えました。

●『そらのレストラン』
大泉洋の北海道映画。チーズ食べたい。石崎ひゅーい、役者さんとしても良いですね。

●『来る』
ホラーは苦手だけど、中島哲也ならガチじゃないはず。と試写に行ったものの、始まって後悔。「妻夫木くんだよ、岡田くんだよ、これ演技だよ!」と言い聞かせた。でも途中、ある衝撃でストーリーを全く追えなくなる事態が発生。ぜひ『マスカレード・ホテル』とセットで見てほしい。

●『恥ずかしいカラダ どすけべ新人王 蓮美なお』
都合で前半しかまだ見てないんだけど、蓮美なおさんが面白くてビックリ。見る前は、昔飼ってた小型室内犬(パピヨン)の子犬時代を思い出す幼さと可愛らしさに「なんか痛々しくてあんまり見たくない」と思ってたけど、予想外に良い! 後半も楽しみです。



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