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いや成功でしょ。

「滑り止め大作戦」が失敗し、私はもう一般入試なんてどうでもよくなってました。三ヶ月で全てやり尽くし出し尽くしって感じで、なんかもう勉強なんてしたくない状態に陥りました。高校など行かず、どこかのレストランで働けばすぐに稼げるし、お金の苦労も軽くなる。好きなものも買える。英語以外全部捨ててここまできたので、一般入試までの残り一ヶ月では、もうどうにもならないと考えていたので、受験日までダラダラと遊んでばかり過ごしてました。
後で聞いた話ですが、この頃の私を見ていて母親も悩んでいたようです。これはもう恐らく受かることは無いだろうと悩んでいたようです。それくらいダラダラ遊んでました。

結局志望校は、県内でもワースト3に入る、いわゆる馬鹿高校で、勉強は愚か部活動も大したことなく、不良も中途半端なレベルの奴らしかいないと言われていた、なんせ全てが中途半端なヘロヘロ高校でした。はっきり言って、こんな悪評しかない高校など通う気も無く、なんなら落としてくれとさえ思ってました。しかし、担任や母親を初め世の風潮は、中卒に対して冷たく、ダメ人間のレッテルを貼るのが一般的で、仕方なく受験することになります。

自宅から自転車で40分くらいのところに高校はありました。これを3年間ほぼ毎日通うと考えると軽くめまいがする感じ(笑)
「やっぱりありえんな。これは落ちるべきや。」そんなことも頭をよぎりましたが、でもそれなら無理にでも受験しなければいいだけなのに。それが出来ませんでした。なんてったって私はアイドル…あ、ごめんなさい。なんといっても、私自身が中途半端だったので、「高校なんて」と「いや、やっぱり高校くらいは卒業しとかなアカンのか?」という思いが交差しまくりで、でも心のどこかで「落ちたくない」という思いがあったのも事実でした。

そんな超中途半端なフワフワな気持ちのまま試験日を迎えます。

結果は合格。

何ともいえない嬉しさがありました。大手を降って喜ぶ感じではなく、なんというか「ホッと」した感じと、「おかんは喜ぶよな」て気持ちが混じって、なんかこう大きな仕事が一段落ついた感じで、非常にスッキリした気分になりました。

勉強せずになぜ合格したのか?
一つは単純にこの高校が非常に偏差値が低いことがあげられます。ただそれでも、英語以外まともに勉強しなかったにもかかわらず合格出来たもう一つの理由は、やはり、その英語の力が大きかったのです。
もともとこの高校より2ランクも3ランクも上の、しかも特進クラスを目指してたので、一般入試の英語なんて屁ぇみたいなものでした。(下品ですみません)
実際試験中「ほとんど解けるなぁ」とかなんとか思いながら解いていったのを覚えています。おそらく100近い点数だったと思います。なので、他の教科が多少悪くても、平均点で合否が決まるのでクリア出来たもようです。

受験を決めてからここまでの数ヶ月。私にとっては本当によい経験となりました。最初の目標はクリア出来ませんでしたが、しっかり努力すれば確実に目標に近づけることが体験出来たわけです。
中学生途中まで、家庭環境や貧しさやイジメなどで自信のかけらも無かった私にとって、確実に一歩前進することの出来た体験でした。
急遽目指した目標の「滑り止めの代わり」の「特進クラス」には合格出来ませんでしたが、よくよく考えると本来の目的は「どこでもエエから公立高校に行く」ことだったので、英語にハマッた結果どこかの高校に合格したので、これはまさしく「成功体験じゃね?」(笑)
滑り止めの代わりに挑戦した結果、公立に合格。特進は失敗したけど、本来の目的に対しては成功だったのです。

特進の失敗にばかり気が向いていて、かなり長い間、自分はダメな奴と思ってました。これ絶対日本教育の悪いトコロですよね。
レベル低い学校に受かっても、「レベル高いところを失敗した人」になるんですよね。
レベル高い学校は失敗したけど、「諦めずその経験を活かして次の挑戦に成功した人」って風に接してくれたら、もっと日本から凄い人達が生まれるのに…て思ってます。

さてさて、こんな感じで私の中学生活が終わるのですが、まさかのまさか。このあと始まる、どうでもよかったはずの高校生活三年間が、人生に置いて最も楽しかった時期の一つになるのです。
ホント人生って分かりませんねぇ。

Success is nothing if you don't challenge. Maybe…

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