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デブの涼しいに気をつけろ

最近気温の変化についていけない。
ちょっと暑いなと薄着で寝た次の日の出張、寒すぎてカーディガンを購入した。

5月になれば社内の快適さを保つため、少し早いがクーラーをつけることもある。
私はどちらかと言えば寒がりだ。
暑がりデブにクーラー実権を握られている会社では元気に働ける自信がない。
幸い私の職場は快適な温度設定がなされており、本日も粛々と業務をこなした。

最近の困りごとといえば気温のほかにもう一つ。
仕事で電話をする際によく名前を聞き返される。

イシヤマという名前は電話越しだと
ニシヤマなどとよく聞き間違えられる。

こういう時は「あいうえおのイシヤマです。」と説明すると大抵は伝わる。
若干の幼稚さはあるものの伝わりやすさは実証済みだ。

また、漢字で説明が必要な場面もある。
ビジネスの場では電話で漢字を聞くことも珍しくない。

簡単な苗字なので大抵は
「イシヤマ様の漢字は通常の……」とか
「一般的な…」とかで確認をしてもらえている。
「イシはその辺の石でヤマはエベレストの…」
と確認されたときはどうかと思った。

人の苗字に石ころとクソデカ山脈を並べるな。

自分から説明する際は「普通の石と山です。」と答えている。

だが、どうだろう。

普通の、というのはたまたま伝わっているだけで説明できてはいない。
アウグスティヌスにとっては「意志」かもしれないし、
卑弥呼にとっては「邪馬」かもしれない。

「石川県の石に山口県の山です。」

冗長な気がする。
その上なんとなくダサさを感じる。
決して石川県と山口県を批判する意図はない。

「小石の石に野山の山です。」

短くなったがダサさは拭えない。
あと後半の「のやまのやまです」が売れない芸人っぽい。
双子漫才師でももう少し捻った芸名を使うだろう。
角田ペアとか。

ここでふと、これは贅沢な悩みではないかと思えてきた。

「サイトウ」を口頭で伝える難易度に比べたら「イシヤマ」なんてチュートリアルだ。
「斉藤」はまだマシだが「齋藤」や「齊藤」はエルデンリングぐらいの難易度がある。

ちょうど身近に手ごろなサイトウがいたので確認を取ってみた。


イシヤマ「もしもしイシヤマです。」

サイトウ「サイトウです。」

イシヤマ「突然ですがサイトウってどういう漢字ですか?」

サイトウ「えーと、サイの漢字は、
     まずなべふた書いて、
     その下に中央がアルファベットのY。
     左が刀。
     右が〇〇氏の真ん中の横棒が無いやつ。
     下は月の一番上の横棒が無いやつ。」

「で、トウは普通のやつ、フジ」

やはり口頭で伝えるには無理があった。
さすが電話説明界隈のミケラの刃マレニアだ。
序盤のなべふたの時点でハードルが違う。


イシヤマ「なるほど。ちなみにコウセイは?」

サイトウ「非公開です。」



考えてみれば名前部分のほうが説明が難しいかもしれない。
まぁ私の場合は特に珍しくもないので説明も楽だろう。


「お手数ですがフルネームを漢字で教えていただけますでしょうか。」

「普通の石と山。リョウタは涼しいと太いです。」


デブの涼しいに気をつけろ
2022.4.21

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