棋士と眼鏡

はじめましてこんにちは。唐突ですが将棋棋士と眼鏡のお話をします。

棋士の圧倒的眼鏡率を疑う人はいないだろう。NHK杯でも「▲眼鏡ー△眼鏡 記録眼鏡 読み上げ眼鏡」対局は頻繁に成立している。
しかし「棋士のうち何%が眼鏡をかけているの?」という問いかけへの答えを私は知らない。受からない。将棋ファンを名乗りながら幼子の素朴な質問に答えられないようでは、未来の名人候補を逃してしまうかもしれない。出来る備えはするべきである。

この与太話における「眼鏡棋士」を「2014年4月1日付の日本将棋連盟プロフィール写真で眼鏡をかけている現役棋士」と定義する。眼鏡をかけたりかけなかったりする棋士(行方、三浦等)、かつては眼鏡をかけていたがコンタクトの使用やレーシック等で現在は眼鏡をかけない棋士(屋敷、先崎等)は含まない。眼鏡がないと生きられない、眼鏡は顔の一部です、それが純粋なる眼鏡棋士であり、この定義には眼鏡のCMに出演していた中原も異論は唱えまい。

幼子の質問に答えよう。

2014年4月1日時点で現役棋士170名中眼鏡棋士が98名。57.647%が眼鏡。
タイトルホルダー並びに永世資格保持者5人中4人、九段26人中18人、八段18人中10人、七段39人中26人、六段34人中21人、五段30人中8人、四段18人中11人。

多いね。57.647%勝てる戦法があれば採用するよね。それくらい多い。今まで漠然と眼鏡が多いと思っていた貴方、これからは57.647%が眼鏡だと言い切って下さい。
 
私が「棋士と眼鏡」に思うのは、多くの将棋ファンと同じく羽生である。
『将棋世界』に掲載された、盤にむかう羽生が「眼鏡の愛眼」と刻まれた眼鏡拭きで眼鏡を拭く写真。これが動画だったら眼鏡を外した羽生の豊かな睫毛に気をとられて青い眼鏡拭きの文字を読み取ることが出来なかったかもしれないと、将棋世界編集部に感謝し胸を撫で下ろしたファンはさぞ多かろう。
将棋界の、そして眼鏡棋士界のトップである彼、遠く離れなければ拝むことさえ叶わぬほど高い山の頂に立つ彼、世界中の眼鏡拭きを買い占められるであろう彼が、眼鏡を外した美貌を晒して眼鏡屋のおまけの眼鏡拭きでちまちまと眼鏡を拭く瞬間、それが私の「棋士と眼鏡」の象徴。

続く


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