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三宅陽一郎 短編小説集

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#小説

黄昏ロボット

「クワはこう持って、こう振る」と一体のロボットは言った。そばにいる一人の人間がうなずく。そしてぎこちない手でクワを振り大地をたがやす。その手足は弱々しい。

「教えられるのは、今年までだよ」

「来年はもういないんだな」

「来年から宇宙に行くんだよ。僕たちはもう人間を手伝えない」

 ロボットは空を見上げた。そのまなざしは夕暮れの雲を超えて、さらに高きをみつめていた。

「星の彼方へ、行くんだな

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