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インバウンドが失速、アウトバウンドは加速

訪日外国人観光客による国内支出、いわゆるインバウンド消費が鈍化しつつあります。2019年2月の訪日外国人客数は前年比3.8%増でした。18年は年間で前年比8.7%増、17年は同19.3%増だったので、減速傾向は明らかです。百貨店の免税カウンターでの一人当たり売上高はすでに前年割れが続いていることもあり、日本全体のインバウンド消費の失速リスクは現実味を帯びてきました。

インバウンドの失速と同時に、出国する日本人観光客(アウトバウンド)の増勢が加速しています。トップ画像に示した通り、直近19年2月はアウトバウンドの伸び率がインバウンドの伸び率を上回りました。

今年のゴールデンウィークは10連休です。活発な個人消費を期待したいところですが、国内旅行が減って海外旅行が増えることは日本の個人消費にとってはマイナスです。インバウンド、アウトバウンドともに為替レートに敏感に反応しますから、もし今後、最近の海外における金融政策の変化が円高を招いた場合、GWの10連休がインバウンドの失速とアウトバウンドの加速を通じて、国内景気の下押し圧力をかえって強める事態を招かないか、少し心配しています。

(注)トップ画像は日本政府観光局(JNTO)『訪日観外客統計』より抜粋しました。


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