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何もしない時間

最近どうも頭に何も思い浮かばない。

少し前までは、綺麗な空とか澄んだ空気とか、懐かしい音楽とか聴いたら文字が頭に浮かんだのに。

頭にぶわっと文字が浮かんで、それを書き起こすのが私のストレス発散できる唯一の時間だったのに。

かつての思い出もたまに浮かんでいたのに、最近は思い出すら頭に出て来ない。

最近は妙に眠くて、一度起きて子供たちを見送ったら布団で猫とダラダラ過ごすのが日課になってきてしまった。

前まではそんな時間を無駄にしてもったいないと、無理やり動いていたけど、最近はダラダラする時間も必要だと開き直っている。

私にピタッとくっついて寝る猫の温かい体温を感じながら、気づくと私も寝ている。

明るい時間の布団は、夜とは違ってまたそれも人を誘惑する何かを秘めている気がする。
カーテンからの少し漏れた光を感じながら眠るのは幸せだ。

子供たちが帰ってくるともうゆっくりパソコンに向かうこともできなくなって、何かを書き起こすこともできなくなる。

でも、まあ、それでもいいやと思える自分もいる。

しゃかりきに働いていた頃は時間を無駄にすることが本当に嫌いで、ダラダラ過ごした日や長く寝た日にはひどく後悔した。

こんな無駄な時間を過ごして何になるのだと自分を追い詰めることも多かった。
ぼーっとする時間が嫌いだったから。

なのに、最近はこの何もしない時間をとても大切に感じる。

外の空気を思いっきり吸って、季節の移り変わりを感じる。

コーヒーをいれて、部屋に充満したコーヒーの匂いを楽しむ。

猫の細い毛をブラッシングしながら、やわらかい体をなでる。

下校時間に学校から出てきた子供たちの遠くに聞こえる笑い声を聞く。

私の誰にも邪魔されないゆったりとした時間。

確実に時間は進んで、季節も変わっている。窓から見える木々が秋から冬に変化する様子を感じる。

こんな時間も人生には必要だと、開き直っている。

もう少しゆっくりしたら、また何か書きたくなるかもしれない。

また何かを思い出すかもしれない。

焦らないで過ごす時間も必要だ。こんな時間を過ごせることに感謝しながら。

また頭に何か浮かんだら、パソコンを開こう。思い浮かんだ文字を打ってみよう。それまでは焦らずに生きていこう。

最近はそんなことばかり考えている。

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