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どてらって何だ?

今日の仕事中の話。年配のお客さんから「どてら置いてる?」との質問が。

衣料品を扱うお店ではありますが、あいにくどてらは置いていません。
というか、そもそも「どてら」って何だ?🤔
早速調べてみました。

どてらとは

どてら【褞=袍/縕=袍】
大きめに作り、綿を厚く入れた広袖の着物。防寒・寝具用。主に男子が用いる。丹前(たんぜん)。

デジタル大辞泉

丹前 (たんぜん) ともいう。防寒用に綿を入れた長着。広袖のゆったりしたものが江戸時代の初期から流行。明治・大正期には長着の上に重ねて着たり,羽織ったが,現在は部屋着として用いられることが多い。表地は銘仙や八端 (はったん) などの縞柄,裏地は紺の木綿などを用いる。

コトバンク

どうやら丹前と同じもののようです。
丹前は分かります。
旅館などで浴衣と一緒に用意されている丈の長い羽織ものですよね。

ですが、ここで更に気になることが…。
それは、半纏(はんてん)やちゃんちゃんことの違いは何か?ということ。
私の理解としては、丹前はくるぶし辺りまである丈の長いもの、半纏は腰下ぐらいの長さで綿が入っているイメージ。
ちゃんちゃんこは完全に還暦のお祝いの赤いやつ、もしくは鬼太郎が着てる縞々のやつ。笑

いずれにしても、日常生活において馴染みがないので、あまり明確な違いが分かりません。
ということで、全部まとめて調べてみました。

どてらに似たもの

半纏(袢纏)

半纏とは、江戸時代に庶民の間で着用されるようになった防寒着。今ではお祭りの際に羽織っているもの。
元々の由来は、袖が半分という所から「半丁(はんてん)」と呼ばれていて、そこに「纏う」という意味がプラスされて半纏(はんてん)と書かれるようになった。

ちゃんちゃんこ

袖のない綿入れの短衣。なので、袖があるものはちゃんちゃんことは呼ばない。

丹前

普通の着物より少し大きめで、綿を入れた広袖の衣服のことで、湯上がりや防寒用として着るもの。
「丹前」というのはそもそも関西地方での呼び名で、関東では「褞袍(どてら)」と呼ばれていた。


なるほど!だから、関西育ちの私にとって「どてら」はあまり馴染みがなかったんですね。

さて、ここまで調べたことをまとめてみましたが、新たな疑問が。
それは、半纏の「今ではお祭りの際に羽織っているもの」というくだり。
それって法被(はっぴ)じゃないの?
私の中で、お祭りの時に羽織っているのは「法被」という認識。
更に調べてみました。

法被と半纏

法被は、江戸時代に武士が着ていた衣装で着物の上に着る羽織りもの。自分の家紋を羽織に染めて着たのが始まりとされている。

一方、半纏は先の説明通り、庶民が防寒着として着ていたもの。

では、なぜ半纏と法被が同じものとなったのか。

元々は武士が着ていた法被ですが、その内商人が法被の背中にお店の名前や意匠などを入れて仕事着として着るようになり、庶民の間でも法被が普及していきました。

ところが、幕府により贅沢禁止令が出され、庶民が贅沢品である法被を着ることが禁止されてしまいます。
困った庶民は「これは法被ではなく半纏だ!」と主張して着続けたのです。
つまり、庶民が法被のことを半纏だと言い出したことで、そのふたつが混同され、今では同じ意味で使われるようになった、というのとのようです。


今日のお客さんの話を聞いた感じでは、どてらと言いつつ、求めているのは半纏のようでした。
どてら、丹前、半纏、法被、ちゃんちゃんこ…結構混同されている方も多いのかも知れませんね。

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