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桜の植樹へ、石巻へ

2019年3月10日、桜の植樹会に参加しました。
桜並木ネットワークさんと知り合ったのは、以前携わっていた仕事でのこと。

100年に一度やってくる津波を、後世に伝えるために。津波の到達地に桜の並木を作ろう。そんな尊い活動があるのかと知った時、とても驚いたのを覚えています。

被災地に関わる機会をなかなか持てず、自分から関わっていくタイプではない私。仕事を通じて知る機会をもらえた事、とてもありがたい出会いだったと思います。

仕事ではなく、プライベートで訪れたい。今回の旅ではその想いを叶えることにしました。

一人で行く、と決意したのも束の間、会社の先輩と、その6歳の息子さんの同行が決定。
これもご縁だなー、とありがたい限りです。

向かう車の中で、彼が夢中なバイクやMotoGPのレクチャーを受けたり、まだ子供がいない私には、とても楽しい時間になりました。

今回桜の植樹を行なったのは、宮城県石巻市大川地区の一つ、間垣地区「針岡間垣さくら広場」。
この地区では、住民の44%にあたる74名の方が津波の被害に遭われたとのこと。

2017年に慰霊碑が建てられ、その後そこに公園が整備がされました。そこがまた人が集まる場所になれば、と 桜の植樹の依頼があったそうです。

植樹についてレクチャーがあり、
その後各自4〜5人のチームを組んでの作業。

作業概要はこんなかんじ。
穴を掘る→腐葉土を掘った土と混ぜる→その土を掘った穴に少し入れる→苗木を穴に入れる→土をかける→土を盛る→土手を作る→支柱に鹿よけのカバーを固定→ビニールテープで補強。

この地域では鹿が出てくるとのことで、鹿が桜の若芽を食べてしまうのだとか。その鹿から桜を守るため、太陽の光を通すカバーをかけているそう。

この日知り合った、現地の方と、静岡からいらしたボランティアの方と、埼玉、東京、と各地から集まったメンバーでの作業となりました。

別々のところから集まった人達が作業をして、話をして、Facebookで繋がったり、そこから新しいコミュニケーションが生まれ、ネットワークが出来ていくのを感じました。

公園はとても広く、今回は101本の植樹が行われました。参加者は170名程。
たくさんの方が協力して、大きなプロジェクトが動いていました。

作業の後には蒸し牡蠣やしうり汁、おにぎりが振舞われました。

ボランティアに来たのに、こんなにもてなされてしまった…どうしよう…
静岡からいらしたボランティアの方と共に恐縮していたところ、地元の方から温かい言葉をいただきました。

なにかの縁があって、こうやって来てくれることが嬉しいのよ。ここには家があって、人の生活があったけど、住めなくなってしまったし、みんなでこうやってまた集まれることが嬉しいんだから。また、桜が咲いたらみんなで集まれるなーって、とっても嬉しいのよ。だから、また遊びに来てね。

今年小学生になる先輩の子は、震災の後に生まれた子どもです。スコップで掘った土と石、瓦礫、小さな手で一生懸命に掘り出していました。震災から8年。震災を知らない子どもたちも、こうやって大きくなっているんだ、と。

大川小学校を見に行った時の様子を彼に聞くと、写真を何枚か見せてくれてから話しだしました。「ひどいと思った。天井とか、剥がれててね、それでね…」それで、彼は遠くを見つめて、話すのをやめました。

帰り道、だんだんと空が曇って雨になるかもねと話すと、彼は「良かったね、桜に雨が降ると、きっと桜も喜ぶね」と言いました。なぜかちょっと泣きそうになりました。


植樹会が無事行えたのも、たくさんの人が参加しても混乱なく作業が出来たのも、たくさんの調整と事前準備があってのこと。
苗木を植える場所を決める、支柱をあらかじめ立てておく、腐葉土を必要量配分する、苗木や水やり用のペットボトルの設置………
頭が下がる思いでいっぱいです。

桜並木ネットワークさんや、地域の皆さんのおかげで、たくさんの方と交流と経験が出来ました。

開花した桜も、また見に行きます。
ありがとうございました!


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