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病気だからではなく、「私だから」だった

少し前に疾病利得について書いていたのだが、私は最も苦手でうまくいかないことを病気のせいにしているなあと思い至った。
最も苦手でうまくいかないことーーー人間付き合いである。

職場でも、何かの食事会でも、趣味の集まりでも、緊張感を持たずに人と歓談するのが苦手だ。例えば出勤して「おはようございます」と挨拶するところまではできる。その先、天気の話でも、最近のニュースの話でも、共通の知り合いの話でも、ちょっとした雑談をすることが難しい。ひどく緊張する。しばし無言の時間が流れ、優しい人だと何か話題を振ってくれる。私の職場で他の同僚同士がどのくらい親しく付き合っているのかわからないが、私ほど人とほとんど話さずに過ごしている人は少ないだろうなあと思う。仕事をしに行っているのだから、人と話すために行っているのではないのだから、それでいいのだとは思う。ただ、他の人からいつまでも消えないよそよそしい雰囲気は、ほんの少し悲しいなと思っていた。

他の人から感じ取れるよそよそしさは、「自分に病気があるせいだ」と思っていた。
「精神疾患があって、みんなに迷惑かけてきて、ひんしゅく買っているような人と仲良くなんてしたくないよね...」と、自分が積極的に他人に話しかけない言い訳を病気と病状のせいにしていた。これは疾病利得だろうなあと思う。

そして今日なぜか気づいたのだが、よそよそしい雰囲気は今の自分が作っているのだった。人と仲良くなる工夫も努力もしていないけれど、それって病気のせいなのだろうかと考えると、多分違う。私の持つ双極性障害は躁と鬱を繰り返すが、少なくとも私は今鬱状態ではない。必要があれば人に質問することができる。職場自体に対する緊張もほぐれてきた。それにもかかわらずうまく歓談できない自分というのは、病気とは関係ない自分なのではないだろうか。

人付き合いが苦手なのは、病気だからではなく、「私だから」だった。


さてどうしようか。もう少し人と仲良くなる方法を身につけたい。
毎朝の挨拶の後に、何かもう一言加える所から始めようかな。人のそばを通りすぎる時は笑顔でいようかな。とりあえず一日一日なんとかやり過ごしていきたいです。

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