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「疾病利得」を手放そう

つい先ほど、「不安でたまらない人たちへ 」と言う本を読み終わった。この本では、強迫性障害(OCD)の人が自分でできる行動療法について詳しく説明されている。その中で「疾病利得」という言葉を知り、身につまされる思いになった。

疾病利得 ー 自分の欠点をごまかし、自滅的な行為を合理化するために病気を口実に利用すること ー 私にも覚えがある。
よく考えてしまう。
「病気じゃなかったら、もっと仕事が出来る人になれたのに...」
この考えがおそらく疾病利得というもので、疾病にしがみつき悪循環に陥ってしまうように思われる。

本の中で患者の一人は言う。
「認めるのは辛いですが、私は能力以下の仕事に就いていて、それをOCDのせいにしていました。OCDはリスクを冒されない口実でもあったのです。もちろんこれは自己評価の問題で、OCDのせいではありません。この事実を見つめなければならない。一生、OCDを口実に使うことはできないのですから。」

この本の言わんとすることは自分に応用できると思った。自分がかかっている病気と自分自身を同一視してはいけないということだろう。
私も自己評価が低い。しかしそれは病気であるから、ではない。自己評価の低さと病気は相互作用しているのかもしれないが、それぞれ別個の問題として対処していく必要がある。病気に振り回されないためには、病気の症状(たとえば強迫観念)が起きても反射的に行動しないことだ。

病気に力を与えない

今考えていることは病気の症状なのか、それとも自分の意志なのか、について常に公平に観察する必要がある。これには相当の訓練が必要だろう。しかしその上で、自己評価が低いことについて、仕事がはかどらないことについて、自分にできることは何だろうと考え、具体的で建設的な行動を選択していくことが必要だ。

病気を増長させる行動をしない

さまざまな観念は自動的に浮かんでくる。しかしそれらは脳の生理学的な「誤作動」であることを理解する。どう行動するか、については自分の意志を働かすことができる。時には、意志よりも病気が勝ることもあると思う。でも、わずかな時間でも自分の意志で行動できる、病気に抗える、という事実が大きな自信になるということらしい。

☆☆☆

病気とは一生の付き合いだ。でも、「私」と病気は同一のものではない。疾病利得を手放し、自分の意志をないがしろにせず精神的に自由に生きる、そういう毎日にしていきたいと考えた。

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