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こんな記事タイトルを見るたびにドキドキすると同時に、こんなことを伝えたくなるのです

Facebookからこんな記事がリンクされていました。

タイトルだけ見て、よくあるトランス女性への偏見かと思ったのですが、違っていました。

ただ、どちらかと言うと男子トイレがどこにいったかわからない殿方が迷惑しているという感じでしたから、男子トイレを示す表示も増やさないと、とは思いましたけれど。

「女装子」と言われる女装趣味者も、わたしのようなSRS(性別適合手術)を考えていない者を含めたトランス女性も、ゆるい・きついの差はありますが、何らかのコミュニティにいること・いたことが多いです。その中で最初に言われるのは、「絶対女子トイレには入らないでね」ということだったりします。もちろん女湯や女子更衣室などは論外です。

女性の安全・安心なくして、自分たちは暮らしていけないことを最初のうちに教え込まれるのですね。女装子でもトランス女性でも、「まともな人」は性犯罪目的で女装しているわけではありません。むしろ、そのままの自分を受け入れてくれる女性と仲良くなりたいと思っている人のほうが圧倒的に多いです。

女装子は、自分はアブノーマルとの自覚があります。トランス女性は、自分はアブノーマルなのではと苦しんできた過去があります(今はさすがにアブノーマルとは思わないのですが、生きづらさには苦しんでいます)。でもアブノーマルと性犯罪者およびその予備軍とは違います。違いますが世間の認知は大して変わりません。だからこそ間違われないようにふだんから注意しているわけです。

ところが自民党の一部がLGBT理解増進法を強引に推し進めようとし、それに対してマスコミと一部フェミニスト団体および右翼系言論人が過剰反応したため、女装子もトランス女性もまるで性犯罪予備軍だとばかりに喧伝されてしまいました。これでは「理解増進法」ではなく「偏見増進法」です(T^T)

まあマスコミのネガティブキャンペーンは法令が国会を通過するまでのことなので、一時期よりは偏見的な表明は収まりましたが、いまだに「伝統主義者」を詐称する右翼系言論人が何かあるたびにLGBTQ+など生きているだけで汚らわしいみたいな、「おまえナチスかよ?」みたいなことを言いはじめます。そういう連中に同調するマスコミもありますので、その辺が書いた記事ではと思ったのですが、早とちりでよかったです。

女装子やトランス女性の性犯罪者がいないわけではありません。しかしあたりまえですが、いわゆる性的マジョリティの性犯罪者のほうが圧倒的に数は多いです。特に男性に生まれて自分を男と自覚している性犯罪者が最も多いのではないでしょうか。だとすれば、どちらかと言うとテストロテンが少なそうな女装子やトランス女性の性犯罪者率はむしろ低いのではないかと推察します(というか、一部の強引な男性に迷惑していることに関しては、一般女性と変わりません)。

エビデンスがほしいところですが、前述したように女装子もトランス女性も性犯罪者予備軍とだけは思われたくないという気持ちが強いので、あえて性犯罪を犯す者は割合としては少ないと思うのです。女性でも性犯罪者はいるわけですから、それと同等かちょっと多いぐらいなのではないでしょうか。

さて、冒頭で「女子トイレは入っていけないし、女子更衣室については論外」と書きましたが、例外もございます(なお女湯は小学校に入る前に体験済みですw)。それは女性のアライが同伴してくださる場合です。

アライと言うのは、このような記事に関心のある方はだいたいご存知と思うのですが、LGBTよりは普及していない言葉だと思うので、念のため補足しておきます。ご自身は性的マイノリティではないのですが、性的マイノリティに理解や共感があり、性的マイノリティをサポートしてくださる方々のことです。

アライの女性が「見張っててあげるから女子トイレ使っていいよ」とか「いいから女子更衣室で着替えなよ」と言ってくださることってけっこう多いのです。先ほども書きましたように女性の安全・安心が最も大事なわけですから、「保証人」になってくださる女性がいれば、トランス女性でも女子トイレや女子更衣室を使うことがあり得るということを言っています。

この辺り、賛否両論とは思いますが、少なくともわたしたちが女性の安全・安心を最重要視していることだけはご理解いただければと思います。基本的には女装子もそうですし、トランス女性はもっとそうです。「心は女です」と言っているのは、そういう意味ですから。そのことをアライの女性は理解してくださっているということなんですね。

とはいえ、わたし自身はアライの女性と一緒でも、そこに多目的トイレがあるのならそちらを使います。またアライの女性がいないときに多目的トイレがないのなら恥ずかしいし、心の底から嫌ですけれど男子トイレを使います。女子トイレしかなくて、アライと一緒なら使わせていただくという感じです。

女子更衣室に関してはアライがいても原則として使いません。それこそ多目的トイレで着替えます。ただ控え室で着替えるような場合に関しては、そこで着替えはしないのですが、控え室として使わせてもらう場合があります。

今は中断していますが、わたしはフラを習っておりました。発表会にも何回か「女性フラダンサー」として出させていただいたことがあります。

発表会の会場となる公民館などには更衣室がないのが普通です。そうなると着替えはどうするのかということになるのですが、会議室などが控え室となり、着替えもそこですることになります。

わたしは自分の着替えは多目的トイレでしておりました。ですが、控え室には出入り自由でした。女性が着替えをしていても、そこにいるのはぜんぜんかまわないのです。もっと言えば、そこで着替えをしてもかまわなかったのですが、わたし自身がオトコのカラダを見られたくなかったですし、女性側も見たくなかったと思うのです。

ただ「ミユキはオンナ」と思ってくれていたので、着替えを見られるほうは平気だったようなのです。もちろんわたしも「同性」である女性たちの着替えをジロジロ見ることはありません。女性たちにとって一番大切なことは安全・安心であり、それが成立していたということなのでしょう。フラダンサーは年配のお姉さまも多いですが、若いママやその娘たちもけっこういます。不安ならかなり抵抗があったはずですが、みなさん受け入れてくださっていたのがその証拠と思います。

これが同じハラウ(教室)内のことであれば分かりやすいと思うのですが、複数のハラウが同じ控え室を使う合同発表会でもまったく同じでした。フラを学ぶものはすべてオハナ(家族)という考え方があるからかもしれません。オハナに対しては極めて肝要なのです。ただ男性ダンサーも日本でも最近は増えてきましたが、さすがに男性と控え室が同じになることはありませんでした。

※ちなみに普段のレッスンでの着替えは、他のハウマナ(生徒)と一緒にしておりました。それこそお互いに気にしない感じでした。

急には受け入れがたい話もあったかもしれません。ただ、わたしが言いたかったことは、女装子でもトランス女性でもほとんどは女性の安全・安心を大切にしているということと、女性側にそれを大切にしていることが伝わればかなり寛容な対応をしてもらえるということだけなのです。

本来、心と心の問題だと思います。無理に制度化しようとすると、いろいろとひずみがあるようで、政治家のみなさんは法律を作るのお仕事なのかもしれませんが、もっと人の心に向き合ってほしいなと思う次第です。

性的マイノリティの権利について、それを認めると自分たちにデメリットがあると過剰に騒ぐ人たちにも言いたいです。自分の想像や概念ではなく、実際にいるひとりひとりの性的マイノリティを見てほしいと。知らないから気味が悪いということはありませんか?

※タイトル画像は花咲マリサさまのお写真を使わせていただきました。花咲さま、ステキなお写真をありがとうございます。


自分のしたいことと向き合うことで、わたしはしあわせになれたと思っています。わたしの生き方を知って、ちょっとでも癒やされる人がいればいいなあという気持ちで書いています。スキやフォローは本当に励みになりますので、よろしくお願いいたします。