深志美由紀

官能作家です。こちらでは商業誌未掲載の恋愛小説やホラー小説を公開していきたいと思ってい…

深志美由紀

官能作家です。こちらでは商業誌未掲載の恋愛小説やホラー小説を公開していきたいと思っています。Twitter @angelusace

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  • 人生迷子日誌

    毎日更新を目指す日記件エッセイです。

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    商業誌未発表の恋愛小説を公開します。

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    スポニチにて連載中のコラム「ダメでもスキ」の再録です。

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「女神の継承」考察、解説2

前回に引き続き、「女神の継承」考察、解説をしていきたいと思います。 「女神の継承」考察、解説1|深志美由紀 (note.com) まずは「1」にお目通しいただいてからこちらをお読みいただけますと幸いです。 さて、前回は現代の都会に憧れる若い女性ミンが、自ら、家系に憑く精霊であるバヤンと戦う決心をしたところまで考察しました。 ここでは、その戦いの過程と結果についての考察、解説をしようと思います。 ミンの失踪 母ノイをカメラで殴打し、祈祷場から逃げ出したミンは一ヶ月以上

    • 「女神の継承」考察、解説1

      先日、Amazon prime video にて「女神の継承」というホラー映画を観ましたので、Xにてポストしたそちらの感想と考察、解説をまとめたいと思います。 まずは公式サイトとあらすじはこちら。 映画『女神の継承』 公式サイト - シンカ (synca.jp) タイ東北部の村で脈々と受け継がれてきた祈祷師一族 美しき後継者を襲う不可解な現象の数々… 小さな村で暮らす若く美しい女性ミンが、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返す。途

      • 「冬鶴奇譚」

         * ああ、なんか死んでもいいかな、とぼんやり思った。 さんざん安酒を飲まされて頭が痛い。 薄暗く寒い部屋の中でぼんやりと光るスマホには2:00と表示されている。帰宅してから約30分、水は飲みたいし熱い湯を浴びたいし何よりも眠い、それなのに、ソファから一歩も立ち上がることができない。 見たいわけでもないのにぼうっと眺めているSNSを閉じて、立ち上がって、部屋の電気を付けてから浴室へ行く。たったそれだけのことをする気にならない。それよりも、今すぐ死ぬことのほうが建設的なアイ

        • 人は欠けているから魅力的ということで

          ちょっとダメな男性が好きです。 私はスポニチさんのアダルト面にて毎週土曜、「ダメでもスキ」というコラムを連載しているのですが、このコラムのテーマがそもそも「ダメな人でもスキなのよ」というもの。 今でこそ雑多なエロネタを書き綴っておりますが、最初の頃は、今までわたくしが交際してきた男性のちょっとダメ……いや、変わった……?部分を紹介してゆく、というコラムでした。 初デートに喪服とサングラスで来た彼氏の上着をめくると、そこにはショルダーホルスターにささったエアガンが……とか、

        「女神の継承」考察、解説2

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        記事

          髪結い狂騒曲

          髪を結ぶのが得意ではありません。 私は子供の頃から髪を伸ばしていることが多いのですが、とにかく、ヘアアレンジというものが苦手です。 ただ、ポニーテールをするだけ、みつあみをするだけのことができない、非常に不器用な手先をしています。 これには他人より髪の量が少ないとか(「一番安い練習用ウィッグみたい!」と美容師さんに言われたことがあるぞ)(どうしてもバレッタから髪が落ちるんです!と言ったら「毛が少ないからですね」と言われたこともあるぞ)、まとまりにくい直毛の猫っ毛であるとか

          髪結い狂騒曲

          咲くまで花は分からない

          熱しやすく冷めやすい、というと聞こえはいいですが、衝動性が強く飽きっぽい性格をしています。 今まで手を出したものの、お金を払っただけで満足して続かなかったことは数知れず。 電子ピアノを買って習い始めたものの練習帳を1冊も覚えきれず、15万円のギターを買った時にはただの1度もケースから出さぬまま数年後に売りに出し、ベースだけは2,3曲は覚えたけれどももはや微塵も記憶にありません。 ペン習字の講座に申し込んでは一度も添削に出さぬまま終わり、スポーツクラブに2度入会してどちらもウ

          咲くまで花は分からない

          酒が飲める音頭

          お酒が好きです。 日々の楽しみのほとんどをお酒に充てています。 というと、よほどお酒に強いのかと思われそうですが、実際にはわりと弱いです。 すぐ赤くなるし、眠くなる。ちょっと多めに飲んだ日は記憶を失くしてしまいます。 あまり良くない傾向かと思うのですが、私の中でまあ良いかと思うのは、ここ何年もお酒を飲んで人に絡んだり泣いたり怒ったりしていないからというのがあります。 記憶を失くしても他人には絡まない! でも外で赤くなるのはちょっと恥ずかしいので、本当は家で1人で飲むのが

          酒が飲める音頭

          それにつけても金がない

          ああお金がないお金がない。 大人になってからほとんどの年月、日銭を稼いでその場をしのぐ生活をしております。 高校を卒業してからすぐに働き始めた私ですが、正社員になったことはありません。一回だけ、最初の結婚をしたときに、夫の会社の社員になって経理をやりましたが、毎日通うオフィスがあったわけでもなく、家で必要な作業をするだけでした。 それ以外はずーっと、アルバイトかフリーランスで働き続けているわけです。 ちなみに現在の収入は作家業と自宅でやっているネイルサロンにて賄われていま

          それにつけても金がない

          枯れ尾花にも毒がある

          怪談が好きです。 昨今はYOUTUBEなどの影響か、実話怪談が非常に流行しているという印象ですが、大変に喜ばしい。私は自分でも「怖い話を集めたら」(集英社文庫)という創作怪談の本を出版したりもしておりますが、とにかく、子供の頃からめちゃくちゃ怪談が好きでした。 というのも、私が幼い頃は世紀末を迎えて空前のオカルトブーム。ノストラダムスの大予言やら、スプーン曲げやら、ツチノコ、ネッシー、グレイにキャトルミューティレーション、新倉イワオ、冝保愛子に矢追純一と心霊カルトUMAU

          枯れ尾花にも毒がある

          早く人間になりたい、までの道

          今朝はこの冬で初めてお湯の水道が凍っていました。 何十年に一度かの大寒波がやってきているとのことですが、神奈川はちょっと寒いかな?くらいで雪も大して降らず、でも寒いので買い物にも行かずに引きこもっています。 そもそも冬が苦手です。 夏の暑さも決して好きではありませんが、寒さに比べたらどうということはありません。私は寒いと悲しい気分になることが多く、気持ちが落ち込みます。冬季うつというものがあるそうですが納得です。 暖かい国では時間の感覚が緩い、ある意味ルーズだと聞きます。

          早く人間になりたい、までの道

          ダメ人間でも踊るのだ

          noteを毎日書くと言った翌日から2日さぼってしまいました。 どうも私です。 必ず今夜中に出しますという原稿は翌朝10時までに出せれば良いと思っています。なんなら午前中に間に合えば良いかという気もしています。 ダメなんだよ!それじゃあ!! 分かっちゃいるけどどうにもダメ人間から脱却できません。 コンビニの早朝バイトをしていた時には毎回、出勤時間に電話で起こされて30分遅刻していました。 キャバクラで働いていた時には「罰金払いますけど何か?」という態度で堂々と遅刻ができて助

          ダメ人間でも踊るのだ

          えむいちまいにちにっき

          さて、今日から、どんなにくだらないことでも、短くても、毎日書く日記を始めようと思います。 とはいえ今日も特に書くことはないのですが。 今日考えたことは「性的嗜好を分かち合える相手がいるというのは幸福なことだ」ということです。 それが好意を持てる相手だとしたら尚更、なんと尊いことでしょう。 私は幸い、現在のパートナーと性的嗜好を分かち合うことができています。 私の嗜好を受け入れてもらい、相手の嗜好も好ましい。 しかしこのような相手に出会うまでは本当に紆余曲折ありました。

          えむいちまいにちにっき

          憑く香り

            *  たたた、たたたん。  もう何百回目になるだろう、鳴り続ける着信音を聞きながら、俺は苛々と頭を掻きむしった。 ――何で出ないんだよ、クソッ!  舌打ちして電話を切り、床へ投げつけたい衝動を必死に抑える。  同じテーブルに着いたパートのおばちゃんが眉をひそめてこちらを見ているのに気づいて俺は無理やり愛想笑いをした。また、会社を辞める羽目になったら叶わない。  ――畜生。美枝子のヤツ。  妻が息子を連れて家を出てから、もう三か月にはなるだろうか。  相変わ

          御違様

           私が家出を決めたのは、お母さんがお母さんではなくなってしまったからだった。  少し前から、何かがおかしいとは思っていた。具体的にはそう、例えば、今年の私の誕生日。  その日、6月6日は朝から雨が降っていて、私はちょっと残念な気持ちだった。お誕生日会は晴れが良いに決まっている。放課後までに雨がやんでくれるといいけど、と思いながら布団をでて、着替えをしてから私は一階のリビングへと降りていった。 「おはよう、ミズキちゃん」  お母さんはいつもの通り、エプロンを付けてキッチンに立

          頑丈で優しくて便利

          インスタに載せようと思っていたのですが長くなったのでnoteに。 どうやら元夫、バンドをまた立て続けに辞めたらしく、昨日「よかったら電話がしたい」とメッセージがありました。 普通に「私はしたくない」と返事をしたんですが、好きでもない男と通話するほど暇じゃないし、愚痴も自慢も聞かせたいならキャバクラにでも行ってくれという感じです。 というか、別居して10年近いわけですがまだ他に話を聞いてくれる友達や恋人ができないのか、とかなしい気持ちになりました。 気の毒だけど私はもう嫁で

          頑丈で優しくて便利

          欲しいものはデカンタワイン

          サイゼリアで喜ぶ女が是が非かというのがまた話題になっているらしいですね。 もう何度目かと思いますが、イタリアンかつファミレスという立ち位置が人を惑わせるのでしょう、これがバーミヤンではやはりダメなのよ。中華料理は美味しいけれども、そこそこオシャレな食事の定番「イタリアン」というある種の呪いを課せられたサイゼリアだからこそ、デートという特殊な状況下への問題提起たり得るのでしょう。 などと真面目なことを語っても仕方なく、もちろんサイゼリアはいつ行っても美味しいし、そんなことも語

          欲しいものはデカンタワイン